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大通りから逸れ、少し歩くと目に入る小さな立て看板。コーヒーと焼き菓子、ベジタリアン向けの軽食を楽しめるカフェで、扉には「seihitsu」と店名が書かれています。白でまとめられ、装飾も適度に抑えた店内は、その名の通り静かで穏やかな雰囲気。住宅地が近いせいか、ほんの束の間、街の喧騒を忘れさせてくれます。
「大人の味」と評判の「プリン」550円には、「カフェラテ」680円が合う(すべて税込)
店があるのは、東京メトロ日比谷線入谷駅から徒歩約10分のところ。浅草や蔵前も近いですが、この辺りにはカフェなどの店舗がまだそんなに多くありません。だからこそ、散歩中にこちらを発見した時の喜びが大きい。「オープンしてまだ一年も経っていませんが、リピーターになってくださる近所の方もいてうれしいです」と店主の内山智喜さん。
2024年3月、マンションの1階にオープン。自然光を受けた白壁が清々しい印象
内山さん夫婦が切り盛り。カウンター席に座り、二人とおしゃべりしながら過ごすのもいい
メニューは動物性のものや添加物を極力使わず、野菜中心に。
「環境への負荷をなるべく減らしたいと考えた時、ベジタリアンカフェにしようと思いました」
なかでも一番人気は、黒板の一番上に書かれた「フムスラペサンド」。意外とボリュームもあり、満足度の高い一品です。
メニューは時期によって変更。訪れるたびに新しい出合いがあるというのも醍醐味の一つ
「フムスラペサンド」900円、「ナチュラルワイン」1杯1000円~(すべて税込)
フムスというのはひよこ豆を使った料理で、元々はイスラエルやトルコなど、中近東で昔から食べられてきた家庭料理だそうです。
「動物性の材料を使わなくても、塩加減や油の使い方を工夫することで味わい深くなります」
ふわふわのフムスと、シャキッとしたキャロットラペをのせたオープンサンドで、頬張ると食感のコントラストが楽しい。さらにパンから滲む小麦のうま味、ひよこ豆の朗らかな風味、オレンジで味付けされたキャロットラペの香りが舞い、食べ進めるごとに味覚はもちろん、嗅覚まで幸せでいっぱいになります。
炒ったコリアンダーシードを潰し、隠し味としてキャロットラペに和えているので、華やかさも感じられる
一押しスイーツの「プリン」は硬めの食感で、卵の味わいがよく感じられるタイプ。それでいて口当たりは軽く、しっかり煮詰めたほろ苦いカラメルと相性抜群です。
これに合わせるのは、ハンドドリップのコーヒーや、エスプレッソで丁寧に作ったラテがおすすめ。使用するコーヒー豆は時期によって異なるので、これもまたくり返し通いたくなる理由の一つかもしれません。
てんさい糖やオレンジリキュールを使い、しっかり煮詰めたダークな色味が特徴的なカラメル
開店直後の早めの時間帯には、近隣のホテルに滞在する観光客がブランチを食べに来ることも。その一方で、夕暮れ時は一日の疲れを癒やすのにもぴったりです。カウンター席で会話を楽しみながら味わったり、読書しながら一人でのんびりしたり。ぜひ、自分に合った過ごし方を見つけてみてください。
笑顔で声をかけてくれる妻の早希子さん
seiihitsu
住所 東京都台東区千束1-18-2 海老根ビル1階
営業時間 10:00~19:00(18:30L.O.)
定休日 木曜、第2・4水曜(変更の場合あり)
https://www.instagram.com/seihitsu_cafe/(外部サイトへ移動します)