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繁華街から少し離れた、オフィスビルが立ち並ぶ東上野。落ち着いた空気が漂う路地に、2023年6月、新しいパン屋がオープンしました。B2D (ビーツーディー)は、同じく東上野にあるイタリアンレストラン、Didot(ディド)の姉妹店。こちらの手作りパンは、洗練された印象と、毎日でも食べたい親しみやすさを持ち合わせています。
もっちりとした「パンドミ」一斤430円(税込)。トーストすると、デニッシュに似たサクッとした歯触りに
黒とグレーでまとめた外観とゴールドの店名板がスタイリッシュ
実は、手作りパンを販売する個人店が少ないエリア。人々にとって待望のオープンだったようで、「頻繁に通ってくださるお客様もいます」とシェフの木村遼介さん。木村さんにはフランスで修業した経験があり、そのお店はこぢんまりした、いわゆる「街のパン屋さん」だったそう。B2Dのパンを食べてなんとなくホッとするのは、それがルーツにあるからかもしれません。
品揃えは、ハードとソフトが半々。商品によって、独自にブレンドした国産小麦を使い分けています。生地作りにミキサーは登場せず、なんとすべて手ごね。そうすることで、もっちりした食感とさっくりとした歯切れのよさの両方を実現しています。
ショーケースにきれいに陳列された見目麗しいパンにうっとり
巻き目が美しい「クロワッサン」は、こんがりと焼けたキツネ色も素敵。勢いよく頬張ると、口の中いっぱいに香ばしさがあふれます。バターが濃厚なのに重たく感じないのは、生地を折る回数を通常より多くして、軽い食感に作っているから。それでいて内側はもちっとして、そのコントラストがたまりません。
「クロワッサン」300円(税込)。巻き目の美しさから木村さんの丁寧な仕事ぶりが伝わってきます
葉っぱの形をした見た目が目を引くのは、「栗とアンチョビのフガス」。甘みとしょっぱさが交互に感じられるように、具材の入れ方を研究したそうです。甘みは砕いたマロングラッセ、しょっぱさはイタリア産のアンチョビフィレをちぎって使用。順番に訪れる異なる味わいがくせになり、手が止まらなくなること必至です。
「栗とアンチョビのフガス」530円(税込)。フガスとは、南フランス・プロヴァンス地方の伝統的なパン
スイーツ系では「塩あんバター」がおすすめ。バターは無塩バター、あんこは低糖度で、どちらもさっぱりしています。かぶりつくとパンにかけられた沖縄の塩「シママース」からじわじわと旨みが滲み出て、食欲を増加。すべての素材がバランスよく合わさることで、食べ進めるごとに自然と味わいが変化していきます。
「塩あんバター」350円(税込)。パンと塩、あんこ、バターのバランスが秀逸
ちなみに、素材一つひとつにこだわりつつ、やはり「パンそのものが主役」と木村さん。もちっとした生地を頬張り、国産小麦の風味をぜひ噛み締めてみてください。
カンパーニュやバゲットなどハード系も揃っています
B2D
住所 東京都台東区東上野3-19-15 コモリビル1階
TEL 070-2037-3368
営業時間 10:00~17:00
定休日 月・日曜、祝日
https://www.instagram.com/b2d_ueno(外部サイトへリンクします)