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昔ながらのこぢんまりした店が軒を連ねる谷中銀座商店街。惣菜やスイーツなど食べ歩きを楽しむ人が多く、一年中、まるで縁日のような賑わいです。
それでも大体の店が開店前となる朝は、まだ人通りが少なく、通りには澄んだ空気があふれています。そんな中、パンが焼き上がる香りがふわり。それを辿っていった先に、2023年1月にオープンしたhitotemaがあります。
オープン当初は開店時刻がもう少し遅かったが、「焼き立てを食べてほしい」と朝6時に店を開けることに
「通勤途中や、近くのホテルに宿泊している人が、朝ごはんを買いに来てくれます」とオーナーの箕脇雄哉さん。なかには待ちきれなかったのか、店を出るやいなや購入したパンを袋から取り出し、軒先で食べ始める人も。陳列棚には、バゲットやデニッシュから、あんぱん、クリームパンのような親しみやすいパンまでバラエティに富み、「滞在中毎日通ってくれた外国人観光客の方もいます。最終日にも来てくれて、プレゼントまでいただきました」。添加物を一切使わず、自家製天然酵母と国産小麦を使用した手作りのパンは、さまざまな人に喜ばれているようです。
あんこにこだわった「谷中あんぱん」240円や、キューブ型の「クリームチーズのあんぱん」260円もリピーターが多い商品(すべて税込)
箕脇さんは普段から食べるのが好きで、店が休みの日にはパン屋巡りをするのだとか。かつては実家のパン屋を手伝っていたそうで、パンに対する思い入れはひとしお。「国産小麦は輸入ものに比べて、できあがりを安定させるのが難しいんです。でも、独特の風味があって個性的でおもしろい。色味も黄色っぽかったり、灰色っぽかったりして、こんがり焼き上がります」。
その名を一度聞いたら忘れられない「バターが美味しい」250円(税込)
評判の「バターが美味しい」は、その名の通りバターたっぷり。まずは生地に練り込み、さらに生地を整形する際、間に折り込み、最後は上に乗せて焼き上げます。使われているのは北海道産バターで、ひと口目から大きく香り立つ。うっとりするようなバター三昧の一品です。
「クロワッサン・ダマンド」も、午前中で売り切れるほどの人気商品。これを目当てに訪れる人も多く、日に何度か追加で焼き上げ、補充しているそうです。かじるとザクッとした歯応えがありつつ、内側はふわっ。なんと、中には「カスタードクリームが大好き」という箕脇さんがこだわり抜いたカスタードクリームがサンドされ、もっちりした舌触りと三温糖のコクのある甘みがあふれます。
「クロワッサン・ダマンド」290円(税込)。表面にはアーモンドがたっぷり
食べる直前に少し温め直すと、カスタードクリームがとろっとします
惣菜パンも豊富で、そのうちの「福岡よりおとりよせ かねふくの明太子チーズフランス」はお客さんからのリクエストをもとに商品化。品質のいい明太子をわざわざ取り寄せ、店内で北海道産バター、マヨネーズと合わせています。表面を覆うチーズは、商品開発当初にはもっと少なかったそう。これもリクエストに応えるうちにどんどん増えていったそうで、お客さんとのコミュニケーションが多い、愛されるお店だという証でもあります。
惣菜パンも豊富。「福岡よりおとりよせ かねふくの明太子チーズフランス」420円(税込)
地域に密着しながら、幅広い品揃えで多種多様な人を迎え入れる手作りパン屋。ぜひ足を運んで、お気に入りの一品を見つけてください。
店の奥にある工房で次々とパンが焼き上がり、陳列棚に並べられます
hitotema
住所 東京都台東区谷中3-11-14
TEL 03-3823-2076
営業時間 6:00〜19:00
定休日 不定休
https://www.instagram.com/hitotema.pain/(外部サイトへリンクします)