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上野の賑わいから少し離れて、千駄木駅から続く団子坂をすこし入ると見えてくるのが菊見せんべい総本店です。明治8年創業。現在は5代目・天野善之さんが店を守っています。看板商品は正方形のせんべい。「天円地方」(天は円く、地は方形である)という考えから、地に住まう人々に愛される形として、創業当時より四角いせんべいを作り続けてきました。店先には縁台もあり、買ったその場で味わうこともできます。

●せんべいを購入したあとは、縁台で食べるのもあり

●左から「甘せんべい」「唐辛子せんべい」各110円、「醤油せんべい」100円、
「胡麻せんべい」「茶せんべい」各110円(すべて税込)
菊見せんべいのせんべいは、しっかりとした歯ごたえと、広がる風味が特徴。醤油せんべいは創業当時から続く味です。甘せんべいと茶せんべいが生まれたのは大正時代。質のよい砂糖が手に入るようになり、新たに加わったといいます。胡麻せんべいは5代目・天野さんの発案。「ごませんべいがないことを不思議に思い、以前から作りたいと考えていた味を形にしました」と天野さん。正方形のせんべいのほか、あられや、甘じょっぱい「めずらしせんべい」も並びます。

●老舗の雰囲気に、道行く人々が足を止めます
静かな店内には歴史を感じる品々がそこかしこに置かれています。

●黒電話や竹ざる、振り子時計。長い年月を経てきたことが、自然に伝わってきます

●明治時代の菊見せんべい総本店。よく見ると屋根の上にせんべいが干してある

●ショーケースに山盛りのせんべいたち。下町情緒を醸し出している
かつては大小2種類ありましたが、現在は大きい形1種類に。代が変わっても、味は受け継がれています。
せんべいづくりは、早いときで朝5時から始まります。昔はまとめ売りが基本でしたが、谷根千を散歩する人が増え、「1枚から買えませんか」と声が寄せられるようになったそう。それをきっかけに、約30年前から1枚売りを開始。今では食べ歩きする観光客たちにも親しまれています。もちろん好みのせんべいを選んで、組み合わせることもできます。
以前から友人と「ホームページを作りたい」と話していた天野さん。コロナ禍で非対面販売を目的とした補助金制度があることを知り、ホームページ上でオンラインショップを開設したところ評判に。遠方のお客様にとってはありがたい限りです。

●「菊見せんべい総本店」5代目・天野善之さん
取材中には、天野さんのお母様も顔を見せてくれました。上野出身で、昔の上野のことや戦争の頃の話、この街で起きた出来事を生き生きと語ってくださいました。
菊見せんべい総本店には、せんべいとともに、ここで受け継がれてきた大切なものがたくさん残っています。散歩の途中に、ふと立ち寄りたくなるそんな店。この街で生きてきた味を、ぜひ味わってみてください。
菊見せんべい総本店
住所 東京都文京区千駄木3-37-16
TEL 03-3821-1215
営業時間 10:00~19:00
定休日 月曜日
東京メトロ千代田線「千駄木駅」から徒歩1分
https://www.kikumisenbei.tokyo/ (外部サイトへリンクします)











