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2018.11.20名物はあんみつ。旧地名を店名に持つ人気の甘味処

上野4丁目と、JR高架線下の同6丁目は、1964年まで上野三橋町と呼ばれていました。
旧地名の由来は、中央通りと不忍通りの交差点付近に、かつて存在した橋。
現在は暗渠となり、地下に潜ってしまいましたが、当時は不忍池から流れる忍川があり、三橋という橋が架けられていたそうです。
その名残を今も感じさせてくれるのが、1948年、旧・上野三橋町に開店した甘味処「みはし」。

 

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看板メニューは、バリエーション豊富なあんみつ。人気の小倉あんみつ630円(税込)

 

「みはし」が営業を始めたのは、戦後まもない頃。
深刻な食糧不足が続くなか苦労して材料を仕入れ、調理場では職人が腕によりをかけていました。
看板メニューのあんみつやお汁粉は、まだ戦争の傷が癒えていない上野の街で、大きな評判に!
店を訪れた、たくさんの人々を笑顔にしたと言います。

 

 

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店内には、創業当初の店舗を撮影した写真も飾られています

 

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現在の店舗。界隈でも特に人通りの多い、中央通りと不忍通りが交わる上野公園前に位置

 

和菓子に使うあんこは、通常だとしっかり水分を飛ばし、ほろっと仕上げます。
しかし、「みはし」のあんこはそれとは違い、とても独特。
銅釜を使い、北海道十勝産の小豆を直火でじっくり煮るのですが、ぎゅっと煮詰まってしまう前に火から上げるのだとか。
口に入れるとさらっとした甘さで、もっちりした舌触りと、くちどけのよさが抜群です。

 

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寒天には伊豆諸島や静岡県で採れた天草を使用。きれいにカドがあるのは、新鮮である証拠

 

蜜も特徴的で、創業以来ずっと甘さ控えめ。
ちょうど黒蜜と白蜜の中間で、さっぱりした味わいとなっています。
材料の黒砂糖は、沖縄県の石垣島よりさらに南にある島で作られていて、香りはありつつ甘みはそこまで強くないそう。これがまた、「みはし」のあんみつと相性がいいのです。

 

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あんみつは、持ち帰り用も用意。訪問先への手みやげにしても喜ばれます

 

寒くなってきたら、体が温まるお汁粉やぜんざいもおすすめ。
上野本店で、冬季のみ提供されるおでんは、じつは創業当初からあるメニューです。
歩き疲れた時、お腹がすいた時にはぜひ立ち寄って。
昔の上野の街を想像しながら、ゆっくり味わって下さい。

 

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甘味から軽食まで、幅広い品揃え。空腹を満たし、食後にデザートを食べるというのもいい

 

あんみつ みはし
住所 東京都台東区上野4-9-7
TEL 03-3831-0348
営業時間 10:30~21:30(L.O.21:00)
定休日 不定休
http://www.mihashi.co.jp/ (外部サイトへリンクします)

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