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2026.10.02【東京国立博物館】特別展 内山晋コレクション受贈記念「歌川広重 江戸のベストアングル」内覧会レポート

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東京・上野の東京国立博物館で、特別展「歌川広重 江戸のベストアングル」が開催されています。会期は2026年9月29日(火)〜12月20日(日)。

 

歌川広重(1797〜1858)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師。四季の移ろいを感じさせる風景画や、色鮮やかな花鳥画で一時代を築きました。とくに代名詞ともいえる風景画では、日本各地を題材に、天候や時刻の変化、そこに生きる人びとの姿を巧みにとらえ、卓越した画面構成力によって風景の魅力を描き出しました。親しみやすくも新鮮味あふれるその作風は、江戸の人びとの心をつかみました。

 

本展は、浮世絵の研究と普及に尽力した内山晋(うちやますすむ)氏(1893~1980)の旧蔵品である浮世絵1,025点の収蔵を記念して開催されます。

会場では、広重の代表作である三大風景画シリーズ「東海道五拾三次」(1期)、「木曽海道六拾九次」(2期)「名所江戸百景」(3期)を中心に、風景画、花鳥画の名作を三期に分けて紹介します。これらシリーズ全点を一度に公開するという、国内外でも例を見ない、大変貴重な機会となっています。

 

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展示は本館A室にて

 

現在は1期、江戸・日本橋から京へ向かう旅の情景を描いた「東海道五拾三次」(保永堂版)をメインとした展示が開催中です。「東海道五拾三次」は、広重の名を一躍高めた出世作。広重が生涯にわたって取り組んだ江戸名所の数々と合わせて紹介していきます。さっそく展示会場へと進みましょう。

 

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3期に展示される「名所江戸百景 するかてふ」に着想を得て構成されたという展覧会会場入口。

ゲートをくぐっていざ広重ワールドへ!

 

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木製のパネルで各章を紹介していく。パネルは木材を使用、字体にもこだわり、広重の世界観を意識している

 

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会場風景。浮世絵版画が木版によって生み出されることに着目し、「木」という素材を意識した展示デザイン、空間構成にも注目

 

展示は4つの章によって構成されています。展示を見るにあたって、まず目を通していただきたいのはミニコラム(写真下参照)。「広重ブルー」とも称される広重の印象的な青の魅力は、18世紀後半に西欧より伝わった「ベロ藍」(プルシアンブルー)と呼ばれる青色の絵の具によるもの。このような、前もって知っておくと展示がより豊かに見えてくる内容のコラムが全部で5つあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

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1期のコラムテーマは「ベロ藍」、「浮世絵風景画の遠近法」、「『東海道五拾三次』の変わり図」、

「『東海道五拾三次』の版元」、「旅ブーム」について

 

「東海道五拾三次」のすべてのシリーズを時系列に並べているため、順を追って見ていくことで、1枚ごとに見ていてはわからない、道中の連なりや、季節の移ろい、時刻や天候の変化などを感じとることができます。同じ場所でも朝焼けや夕暮れなど空の色の移り変わりに注目してみるのもまた一興です。

 

また、展示品の中には「変わり図」と呼ばれる、一部の構図や人物、色使いなどを変更して新たに刷り直した異版が並べて展示されています。その場で2つの作品を見比べることができ、こうした「変わり図」を数点見ることができます。

 

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展示風景。左《東海道五拾三次之内 日本橋 行烈振出》は《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》の版を新しく起こした変わり図/1期:9月29日(火)~10月25日(日)

 

日暮れどき、宿場の女性(留女)たちが旅人を強引に宿へ引っ張り込もうとする客引きの様子を描いた《東海道五拾三次之内 御油 旅人留女》や、笠を飛ばされた男性が慌てて駆けていくワンシーンをとらえた《東海道五拾三次之内 四日市 三重川》など、広重らしいユーモアが光る作品が目に留まり、その表情や仕草に思わず笑みがこぼれます。

 

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《東海道五拾三次之内 御油 旅人留女》歌川広重筆 江戸時代・天保4~6年(1833~35)頃 錦絵 東京国立博物館蔵/1期:9月29日(火)~10月25日(日)

 

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《東海道五拾三次之内 四日市 三重川》歌川広重筆 江戸時代・天保4~6年(1833~35)頃 錦絵 東京国立博物館蔵/1期:9月29日(火)~10月25日(日)

 

「東海道五拾三次」によって成功を収めた広重のもとにはその後、20種を超える「東海道もの」の依頼が舞い込んだそうです。「東海道」や「五十三次名所図会」はその代表的なシリーズで、これらの作品や、広重の目を通して描かれた江戸の風景も展示されています。

 

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《五十三次名所図会 丗九 岡崎 矢はき川やはきのはし》歌川広重筆 江戸時代・安政2年(1855)7月 錦絵 東京国立博物館蔵/1期:9月29日(火)~10月25日(日)

 

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上野を描いた一枚も。《上野不忍の池雪の景》歌川広重筆 江戸時代・弘化3~嘉永元年(1846~48)頃 錦絵 東京国立博物館蔵/1期:9月29日(火)~10月25日(日)

 

そして、会場の最後にはNHKの協力のもと、160インチの大画面高精細映像と臨場感あふれる音響で広重の世界を味わえる「広重イマーシブシアター」が設置されています。こちらでは「天気が、風景をつくる。」と「広重が切り取った江戸」という2つのテーマで展示作品の見どころを紹介しています。

「天気が、風景をつくる。」では、作品に描かれた気象現象に注目。作品内の木々が揺れ、雨や雪が降り、その音声まで表現されていて、広重の作品を五感で感じることができます。また、「広重が切り取った江戸」では、彼が実際にはどのようなシーンを切り取っていて、どう「ベストアングル」なのかを、映像をもって証明。現存する資料や専門家への綿密な取材を重ねて導いたイメージを音声とともに紹介しています。

 

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会場風景 映像コーナー「広重が切り取った江戸」

 

「広重が切り取った江戸」では、全景のイメージを見てはじめて、「ああ、広重はこのシーンのたったこの部分だけを切り取ったのだ」と改めてその構図のすごさ、おもしろさを再認識できる興味深いものとなっています。

 

2期(10/27~11/23)では「木曽海道六拾九次」を、3期(11/25~12/20)では「名所江戸百景」をみることができます。これほど保存状態の良い作品をシリーズで見ることができるまたとない機会です。広重が描いた世界にどっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。

 

※本展は来館者の撮影は不可です。報道内覧会で主催者の許可を得て撮影しました。

 

 

会期  開催中 ~ 12月20日(日)

本展は、以下のスケジュールで展示作品がすべて入れ替わります
1期:9月29日(火)~10月25日(日)
2期:10月27日(火)~11月23日(月・祝)
3期:11月25日(水)~12月20日(日)

 

会場   東京国立博物館 本館A室

住所   東京都台東区上野公園13-9

開館時間 9:30〜17:00

毎週金曜・土曜日、10月11日(日)、11月1日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)

休館日  月曜日、10月13日(火)、11月24日(火)、12月15日(火)
ただし10月12日(月)、11月2日(月)、11月23日(月・祝)は開館

料金   一般1,500円、大学生500円 ※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方、障害者とその介護者1名は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)、障害者手帳等をご提示ください。

お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

展覧会公式サイト https://www.tnm.jp/(外部)

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