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東京都美術館が開館したのは、1926年(大正15)。当時は「東京府美術館」という名称で、日本初の公立美術館として産声を上げました。開館100周年を迎えた今年、注目すべきイベントや展覧会が目白押し。現在開催中の「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」もその一つです。

開館100周年を迎えた東京都美術館。上野公園の敷地内にある
イギリス・ロンドンにある大英博物館は、収蔵品数約800万点を誇る世界最大級のミュージアム。そのうち日本美術は約4万点に及び、体系立てて形成された包括的なコレクションになっています。
本展では、イギリスから初めて里帰りする作品や、名だたるスター絵師の名作など、約200点が勢揃い。見応えのある内容で、時間があっという間に過ぎていきます。

1851から1896年まで大英博物館に勤務したオーガスタス・ウォラストン・フランクスが収集し、同館に寄贈した《波濤蒔絵島形台及び貝尽蒔絵香合》/明治時代初期(19世紀後半)/大英博物館蔵

「大英博物館日本美術コレクション」展の会場写真。小説家のアーサー・モリソンは、日本美術の収集家としても有名。特に版画を熱心に集めていたようで、現在その多くが大英博物館に収められている
会場に入ると、最初の部屋は「プロローグ 大英博物館と『日本』をつないだ貢献者たち」。ここで紹介されている5人は、大英博物館における日本コレクションの基盤を築いた人たちです。19世紀後半、ヨーロッパでジャポニスムが流行。彼らは収集家、学芸員、研究者といったそれぞれの視点から、日本文化の理解と普及を促進したといいます。

左から、作者不詳《聖徳太子像》/室町時代(14世紀)、作者不詳《源頼朝像》/室町時代(14世紀後半)。いずれも大英博物館蔵

作者不詳《猿草子絵巻》/室町時代末期(1560〜1570)頃/大英博物館蔵
その先に進むと「第1章 花開く江戸絵画」がスタート。江戸絵画を中心に、室町時代から明治時代までの作品を「第1節 江戸時代以前」「第2節 江戸時代前期」「第3節 江戸時代中期から後期、そして明治へ」と3つに分けて紹介しています。
「第1節 江戸時代以前」で観られるのは、江戸絵画の礎となった室町時代の絵画作品。擬人化した猿が物語を進める《猿草子絵巻》は、絵の中の猿が今にも動き出しそうなほどいきいきと描かれています。

狩野宗眼重信《春景花鳥図襖》/桃山時代末〜江戸時代初(17世紀初)/個人蔵

狩野宗眼重信《秋冬花鳥図襖》/桃山時代末〜江戸時代初(17世紀初)/大英博物館蔵
「第2節 江戸時代前期」では、大画面の金碧障屏画に終始圧倒されます。なかでも狩野宗眼重信の作品は、思わず息を呑む美しさ。
今回、奇跡的に一堂に会した《秋冬花鳥図襖》(大英博物館蔵)、《春景花鳥図襖》(個人蔵)、《琴棋書画仙人図襖》(アメリカ・シアトル美術館蔵)、《名所風俗図襖(三保松原・清見寺)》(個人蔵)はすべて、元を辿ると奈良県桜井の多武峰・談山神社にあったのだとか。日英米と離れ離れになっていた4つの襖絵の、実に約150年ぶりの再会です。

左から、伝尾形光琳《松島図屛風》/江戸時代中期(18世紀)。作者不詳《野兎図屛風》/江戸時代中期(18世紀)。いずれも大英博物館蔵

円山応挙《虎の子渡し図屛風》/天明元〜2年(1781〜1782)/大英博物館蔵
「第3節 江戸時代中期から後期、そして明治へ」で取り上げられているのは、各流派や画家たちの個性が大きく花開いた時代。江戸だけではなく、京都、大阪で活躍した絵師も紹介されています。必見なのは、初の里帰りとなる円山応挙《虎の子渡し図屛風》。大英博物館が所蔵する江戸絵画は、この時代の作品が特に充実しているそうです。

喜多川歌麿《文読む遊女》/文化元〜3年(1804〜1806)/大英博物館蔵(写真右)
続く「第2章 浮世絵――江戸の『いま』を映す万華鏡」は、「第1節 肉筆浮世絵」「第2節 錦絵〜八大浮世絵師〜」の2節から構成。「浮世」は「今」を意味する言葉で、浮世絵には大衆が関心を持つ「今」の流行が詰め込まれています。
「第1節 肉筆浮世絵」に展示されている喜多川歌麿《文読む遊女》も、今回初めての里帰り。正装した遊女が文を読む姿を描いた、歌麿最晩年の大作です。

喜多川歌麿《歌まくら》/天明8年(1788)/大英博物館蔵(写真右)

左から、東洲斎写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》/寛政6年(1794)5月河原崎座。東洲斎写楽《初代市川男女蔵の奴一平》/寛政6年(1794)5月河原崎座。いずれも大英博物館蔵
「第2節 錦絵〜八大浮世絵師〜」は、スター絵師8人による名作がずらり。鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川豊国、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳と錚々たる顔ぶれでボルテージは最高潮に。
かつて日本ではあまり重要視されていなかった浮世絵に、早いうちから注目し収集したのが、江戸時代末期にお雇い外国人として来日した人々をはじめとする西洋人でした。ここでは、多色摺木版画の高度な技法や描写に釘付けになります。

葛飾北斎《「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」》を描いたクッキー缶「The Great Wave 缶」1,620円(税込)。グルテンフリーやプラントベースのヘルシースイーツ、宝石箱のようなお菓子缶が人気のブランド「青山デカーボ」とのコラボ
最後は、感動を胸に特設ショップへ。展覧会オリジナルのコラボグッズをぜひ手に入れましょう。
あまりに胸いっぱいで、会場を出てからもしばらく放心状態。ゆっくりと時間に余裕を持っていくのがおすすめです!
「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」
会期 開催中~2026年10月18日(日)
会場 東京都美術館 企画展示室
住所 東京都台東区上野公園8-36
開室時間 9:30~17:30 ※金曜は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日 月曜、10月13日(火) ※9月21日(月・祝)、10月12日(月・祝)は開室
観覧料 一般 2,300円、大学・専門学校生 1,300円、65歳以上 1,600円、18歳以下・高校生以下は無料
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイト https://daiei-ten2026.exhibit.jp(外部サイトへ移動します)











