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目に映る景色が懐かしく、心が和む鳥越一丁目。この辺りは東京大空襲の戦火を免れたので、古き良き昭和の街並みが奇跡的に保たれています。地元民御用達の商店街「おかず横丁」では、戦前から続く鮮魚店、量り売りの佃煮店など、昔ながらの商店が健在。町工場も多かったようで、2025年10月、かつて自転車整備工場だった建物にカフェ兼古道具店「Ikoi.ハナレ」がオープンしました。

2階のカフェスペースには靴を脱いで階段を上がる

おかず横丁から徒歩2分のところにある「Ikoi.ハナレ」
聞けば、店主の地元もこの近くだとか。まずは、2021年に「鳥越のみなさんに喜んでもらいたい」と築数十年の長屋をリノベーションし、カフェと古道具の店「Ikoi.本店」を始めました。すると評判を耳にして訪れる人もいて、満席になることが増えてきたといいます。
「せっかく足を運んでいただいたのに、長くお待ちいただくのは申し訳なくて。徒歩1分の場所に『Ikoi.ハナレ』を作ることにしました」

古道具は信頼できる仕入れ先から、しっかりメンテナンスされたものを買い付け

カフェで使用している作家の器も販売
1階には、店主自ら日本やフランス、韓国などから買い付けた古道具がずらり。さまざまな場所に足を運び、吟味したものを並べています。さらに作家の器、日用品など、古道具と相性のいいものもセレクト。品物一つひとつに表情があり、元自転車整備工場の無骨な味わいと相まって深い趣を生んでいます。

1階のカフェスペースは、愛犬と一緒に利用することも可能
店内の空気が柔らかく感じるのは、ガラス戸に反射する光がたゆんで見えるのも理由の一つ。この木格子の引き戸は、建物が「Ikoi.ハナレ」として生まれ変わるにあたり、新たにはめ込まれました。大正時代に製造されたもので、逆に今は作れない貴重なガラス。建物が元々持っていた魅力となじみ、しっくりきています。

座る場所によって見える景色が変わるため、どこに座ろうか迷うのも楽しい

ウェディングドレスのレースをカーテンに。繊細な模様に光が透けて美しい
靴を脱いで階段を上がると、そこは「ただいま」と言いたくなる空間。2階は住居スペースだったところで、畳の和室になっています。そこに日本やヨーロッパのヴィンテージを配置し、くつろげる空間に。

さつまいものポタージュスープとトローリチーズパン1600円(税込)。スープは時季によって変わる

野菜は個体差があるので、調味料の塩梅はその都度味見をして調整する
カフェメニューは「Ikoi.本店」とは異なり、「Ikoi.ハナレ」ならではの内容。季節の野菜を使ったスープは、ひと口目から素材の力を感じることができます。使用する調味料は最小限で「味付けのためというより、あくまで素材の味を引き出すため」。口に入れるとふわっと膨らみ、滑らかな舌触りにうっとり。
また、カリッと焼けたパンの表面は歯触りが軽快で、内側はスープをたっぷり染み込みませることができます。それでいて、全体が驚くほど軽い。付け合せのパンではなく、スープが進むパンとなっています。

キャロットケーキ750円。ハーブの香りが立つエルダーフラワーソーダ750円(すべて税込)
キャロットケーキも「Iko.ハナレ」オリジナルのレシピ。断面に見えるオレンジ色の粒はニンジンで、大量にすりおろして生地に混ぜ込むそうです。スパイスはシナモンが香る程度に抑えられ、頬張るとニンジンの甘み、レーズンやくるみの風味が前面に。ニンジンをすりおろした時に出るエキスもすべて使われていて、しっとりした食感がたまりません。

ショーケースの品物はテイクアウトOK。スコーンも「Ikoi.ハナレ」限定
「新しいメニューも考案中」と、現在は抹茶やフルーツを使ったパフェの試作を重ねているそう。わくわくさせてくれて、それでいて家のようなくつろげる空気もある。そんなちょうどいいバランスが心地よい。そういう「ちょうどいい」お店は、実はあまり多くない。また、何度も帰ってきたくなるような場所です。
Ikoi.ハナレ
住所 東京都台東区鳥越1-28-9
TEL なし ※お問い合わせはInstagramのDMからお願いします
営業時間 10:30〜17:30(L.O.17:00)
定休日 水・木曜
都営大江戸線・つくばエクスプレス新御徒町駅から徒歩7分
https://www.instagram.com/ikoi.cafe.cake/ (外部サイトへ移動します)











