TOPICS
注目記事
「ジビエ」と聞いて、何をイメージしますか。ジビエとは、狩猟によって捕獲された野生の鳥獣を食肉としていただく食文化のこと。野生の肉は「臭い」「硬い」といったイメージを持たれがちですが、現代は処理技術も発達し、全く臭みはなく、未知のおいしさに出会える魅力ある食文化として昨今注目を集めています。
2025年11月、ジビエを気軽に楽しめる飲み食い処として、オステリア「Mill Ceppi(ミルチェッピ)」がオープンしました。場所は千駄木駅から徒歩数分の不忍通りに面したところ。同店は本郷3丁目にあるイタリアンの名店「クリマ ディ トスカーナ」の2号店。オーナーシェフ佐藤真一氏のもとで12年間研鑽を積まれた高佐シェフの新たなステージとして、満を持してのオープンとなります。

イタリア語で「たくさん(千)の薪」という意味の店名。
千駄木がかつて雑木林で、1日に千駄(馬千頭分)もの薪を刈り出したという地名の由来にあやかってつけたという

お店に入ると、ものすごい勢いでチョッパーを振り下ろしていたシェフ、高佐さん。
鹿の骨を断つ作業中だったそうで、インパクト大の対面となった

店内(1階)はカウンター8席。薪をあしらった意匠や一枚板のカウンターなど天然木を使用した温もりある内装がステキ

2階は10名が一緒に座れる一枚板のテーブル席とカウンター6席。アットホームでリラックスした雰囲気
お店の目玉となるのはジビエを使った数々の料理。「生産者の思いを、料理を通して届けたい」と、クラシックなイタリアンにとらわれず、独自のスパイスや自家製発酵調味料、ハーブなどを使って「ここでしか食べられない独創的な味」に落とし込んでいます。

(奥から)発酵唐辛子、イカの魚醤、ロザマリーナ(生しらすの唐辛子漬)、マスタードなど、
発酵調味料を一から作るこだわりよう!
メニューに登場するお肉は、ツキノワグマ、猪、子羊、日本シカ、アナグマ、牛、豚…とバラエティに富んでおり見ているだけでも楽しく、どれも試してみたくなります。そして、メニューのほとんどが本日のおすすめ。その時に仕入れたものを、一番良い形で調理するために、グランドメニュー以外は週に2、3回ほど入れ替わるのだとか。いつ来ても新しい料理があるのはうれしいですね。
その中に「アオウミガメのサルサヴェルデ」なるものを発見。父島では郷土料理として愛されている食材で、同店では煮込んでサルサヴェルデ(パセリを主にした緑のソース)と共に提供しているそう。どんな食材を使って、それをどう調理しているのか。そこに驚きや発見があるのも同店の魅力です。

Antipasto(前菜)の中にアオウミガメの文字を発見!
今回はシェフのおすすめ、メインディッシュの「猪しんたま 炭火焼き」をオーダーしました。「しんたま」とは後脚の付け根(内モモの前側)にある赤身の部分で、1頭について8%ほどしかない希少部位です。

炭火でじっくり焼き上げる。脂が落ち、火が燃え上がっているところ。メインはオーダーしてから45分ほどかかるそう

焼き上がったお肉を切った瞬間。表面のしっとり感と鮮やかなピンクのグラデーションの美しさに一同歓声が上がる

「猪しんたま 炭火焼き」約200g 5,500円(税込)。赤と緑のコントラストが美しい。ワインとあわせて。添えられたソースは、注文した料理とのバランスなどをみてその時々で変えている。細やかな気配りが随所に光る
いただいてみると、肉は身が引き締まっていて、しっとりとやわらかく、力強い味わいです。脂は甘くてうまみのかたまり。じっくりと焼くことで肉が硬くならず、うまみが引き出されるのだとか。猪ってこんなにおいしいのか!と感動を覚えます。
添えられた野菜も色鮮やかで濃い味。グリンピースのピュレも甘く濃厚で、どの野菜も素材のうまみがしっかりと引き出され、肉の味を一層引き立てています。
料理に合わせるドリンクは、イタリアや日本のワインをメインにクラフトビールなどもあり多彩なラインナップ。ドリンクリストはフードメニューの倍あるというほどです。ノンアルコールドリンクも充実しており、自家製発酵シロップや季節の花のカクテル、こだわりのジュースなどが並び、お酒が飲めない方でも料理とのステキなペアリングを楽しむことができます。

赤、ロゼ、白、スパークリング、シードル。日本は青森のワイナリーから厳選して仕入れているそう

4月の取材時は自家製の「桜シロップ」で作るカクテルやノンアルコールドリンクがオンメニューしていた。桜、レモン、ローズマリーを漬け込んだシロップはほんのりピンクで春の色!
もうひとつ、お店に来たらぜひ食べてほしいというのが「本日ジビエのメンチカツ」。日本シカと猪の2種の合い挽き肉にスパイスを合わせたもので、すでに人気メニューの一つとなっています。

「本日ジビエのメンチカツ」880円(税込)。このままガブっといただいても、ナイフとフォークでいただいても◎

みっちり詰まった肉々しい中身。力強い肉の味わいとタマネギの甘さ、後からくるスパイスの余韻。「もっと食べたい」となるので一人ひとつオーダーすることをおすすめする
ほかにも気になるメニューは盛りだくさん。「ジビエの王様」と謳われているアナグマも安定して入荷しているそう。一度いただいた料理でもその時季によっての個体差、ソースなどの仕立ての違いでその時にしか出会えない味となるため、何度でも通いたくなります。

「おおわに自然村 生ハム工房」の生ハムの原木。
青森県産豚肉と塩のみで、最低2年かけてじっくりと自然熟成させたもの。熟成した香りが食欲をそそる

鹿とアナグマの骨をローストしたもの。
煮込んでだしをとり、コンスメスープにして「ふろふき大根」など他の料理に利用して無駄なくいただく
「今後はさらにジビエの種類を増やしたい。そしていずれは農家さん、漁師さん、猟師さん、ワイナリーなど生産者みなさんをお呼びして、お客様と繋ぐようなメーカーズディナーを開きたい」と高佐さん。
ジビエ初心者の方も、ツウな方も。どんな方でも満足する一皿に出会えるお店です。イタリアン×日本の伝統的な発酵文化×ジビエのワクワクするような料理に心躍らせてみませんか。
Mill Ceppi
住所 東京都文京区千駄木3-25-7
TEL 03-5809-0789
営業時間 火曜〜金曜 16:00〜23:30
土日祝日 12:00〜23:30
※フードL.O.22:30、ドリンクL.O.23:00
定休日 月曜、第1・第2火曜日
東京メトロ千代田線千駄木駅から徒歩5分
インスタグラム https://www.instagram.com/mill_ceppi/(外部サイトへ移動します)











