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2025.12.06【cloudy】本格的なタコスとワインがいただけるお店が蔵前にオープン

2025年10月、タコスとナチュラルワインのお店「cloudy(クラウディ)」が蔵前にオープンしました。ここ数年でこそ、都内でタコスをいただけるお店は増えてきていますが、店主、田副さんがお店を始めると決めた時にはタコスというと紙皿に5枚ほどの小さなタコスが乗っており、それをビールやコーラといただくような食事メインのイメージでした。同店では「お酒と楽しむ」ことをキーコンセプトにしており、少し大きめのタコスをひと皿1枚単位で提供し、自分のペースでいろいろな種類のタコスを楽しめるよう工夫されています。

 

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店内はL字カウンターを中心に構成されたおしゃれな空間。目の前は公園で、自然光が入り気持ちいい。

スタンディングスペースもあり、サク飲みにもぴったり

 

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個性豊かなナチュラルワインはボトルで常時20種類ほど、グラスでは5〜6種類ほどを用意。

ビールはクラフトビールを数種、定期的に入れ替えながら常備している

 

お店の名前は、ナチュラルワインやHAZY IPA(クラフトビール)など少しにごったお酒っておいしいよね、というところからきているそう。置いているお酒はナチュラルワインにこだわらず、スパイス料理に合うような少し個性的なものをセレクトしています。
メニューはタパス(小皿料理)が4種と、タコスが5種ほど。店主おすすめのタパスをいただきました。まず、うずらで半熟なところが◎。1人でも、シェアしてもいただける小ぶりなウフマヨが5つ。酸味を効かせたマヨネーズソースにトリュフオイルが香る、ワインにぴったりの一皿です。

 

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タパスで人気の「半熟うずらのウフマヨ」500円(税込)。

白の微発泡「Flui branco 2020 Humus(ポルトガル)」1,400円(税込)とともに

 

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ソースとうずら、生胡椒をスプーンですくってひと口でパクッ。

トリュフオイルや2種のペッパーの香りが口の中に広がる

 

それではタコスをいただきましょう。スターターとしておすすめは「季節の魚介タコス」。月ごとに旬の魚介を取り入れてつくるタコスです。
取材時は「白身魚とタコのセビーチェタコス」。オーダーを受けてから鯛やホタテをカットし、ペルーの伝統的な製法でつくったという特製のマリネ液でマリネします。少し話しているうちにすぐ目の前に。ブルーの器にピンクのタコスがかわいい!

 

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「季節の魚介タコス」800円(税込)。溢れんばかりの魚介たちは宝石のごとくきらめいている。

見た目も華やかな魚介のタコスは数量限定なので出会えたらぜひ注文を

 

セビーチェ発祥の地ペルーでは「セビーチェは7分以内に食べるべし」と言われているほど、鮮度が命の料理。マリネ液で和えたらすぐに食べないと、酸味で魚の身が硬くなったり、水分が出て味のバランスが崩れたりとおいしさが失われてしまうそうです。セビーチェのタコスのみ「トスターダ」というオーブンでカリカリに焼いたトルティーヤを使用。できたてのうちにすぐさまいただきます。

 

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このままガブリといくのが正解。クリスピーなトスターダとマリネされた魚介との食感の対比がおもしろい。ワインが進む!

 

お店で使用しているトルティーヤは千葉県にあるトルティーヤ専門店「Molino Campo Noble」から仕入れているそう。メキシコの伝統的な製法で、メキシコ在来種のとうもろこしを使った本格的なコーントルティーヤを作っているお店です。田副さん自身もトルティーヤを作っていましたがこの味に惚れ込んで、仕入れを決めたのだとか。

次にメキシコで王道とされる「ポークカルニタス」をいただきました。カルニタスとは豚肩ロースやバラ肉など脂の多い部位を使い、たっぷりのラードで煮る伝統的な豚肉料理。油脂が蓋代わりになって水分が抜けにくいため、ホロホロとやわらかく仕上がります。

 

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基本、トルティーヤはこちらの溶岩プレートでジワリと焼く

 

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タコスになるのをスタンバイ(保温)中の豚肉

 

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ホロホロとくずれるほど煮込まれた豚肉。思わず歓声をあげてしまう

 

この見るからにおいしそうな豚肉に紫玉ねぎやサルサソースなどをのせ、ライムを絞っていただきます。いただいてみると、思ったよりやさしい味わい。
お店の料理はできるだけやさしい味付けを心がけており、素材の味を楽しめるよう意識して調理されているそう。スパイスと発酵をうまく使い、味は濃くならずともうま味が強くなるよう工夫されているそうです。
これなら仕事終わりに2〜3枚食べても全く罪悪感なくいただけます。むしろ、身体にいいものとった〜という満足感の方が大きいです。グルテンフリーなのもその理由のひとつかもしれません。

 

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「ポークカルニタス」700円。合わせるのは辛口の白「Frei Korper Kultur Weiss(ドイツ)」1,000円(ともに税込)

 

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やわらかな豚肉にシャキッとした野菜がさわやかで、まったく重さを感じない。やさしい味わいがナチュラルワインと好相性

 

「ラム好きならぜひ食べてほしい」と最後にいただいたのはラムのタコス。スパイスとともに低温で7時間(!)も煮込んだラムシャンク=ラムのスネ肉を、とうもろこしの香りが強めのブルーコーンのトルティーヤと合わせていただきます。合わせたソースはギリシャ料理でお馴染みの「ザジキソース」。個性あるもの同士がぶつかることなく、さっぱりとしたヨーグルトソースがすべてをまとめています。こちらのザジキソースは本場のギリシャ人からもお墨付きをもらったという本格的な味。ラムのスパイス煮もソースも好きだから合わせてみた、とカジュアルな感じで生まれたこちらのタコスもつくろうと思ってつくれるものではなく、素材、味付けにこだわった唯一の一品。ロゼやオレンジワイン、軽めの赤と相性がいいそうです。

 

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「ラムシャンクのスパイス煮込み」800円。合わせたのはロゼ「Alessandro Viola(イタリア)」1,400円(ともに税込)

 

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濃厚なラムにパンチ強めのトルティーヤ、ザジキソースのマリアージュ。お互いを引き立て合う絶妙な組み合わせに拍手

 

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オーナーの田副さん。料理好きが高じて脱サラし、開店。ひとつひとつが丁寧で繊細な料理にやわらかな人柄が滲み出ていた

 

わずかな時間でしたがタコスとワインの深淵に触れた、そんなひとときでした。チキンのタコスやベジタコスもあり、すべて制覇したくなります。お店の前は公園で、公園に来た方からのテイクアウトの要望もあるので、そのうちやっていきたいとのこと。
1人でも、友達とでも、デートにも。タコスとおいしいワインですてきな時間をお過ごしください。

 

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お店の外観。窓が大きく開放的

 

cloudy
住所 東京都台東区蔵前1-4-8
TEL  なし
営業時間 平日17:00〜23:00、土・日曜12:00〜23:00

(ともにフードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日 月曜(祝日営業)
都営浅草線蔵前駅から徒歩3分
インスタグラム https://www.instagram.com/cloudy_kuramae(外部サイトへ移動します)

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