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最近は夏に限らず、一年を通して人気のかき氷。パルコヤ1階にある「廚くろぎ」は、港区芝公園にある和食店「くろぎ」の姉妹店で、和の食材を取り入れたかき氷とお菓子を提供する甘味カフェです。和の食材をメインで使用しているということもあり、日本ならではの味を求めてインバウンド需要も増えているそう。
「試作の段階で代表の黒木がすべてのメニューを味見して、合格したものだけがメニューに並びます。同じかき氷に見えても、実は毎年少しずつアップデートされているんですよ」
と話すのは、統括責任者の増田道仁さん。和食屋さんがルーツのかき氷、一体どんな味がするのでしょうか?
シックでモダンな店内。中央の大きなテーブルはカウンターのようになっており、
おひとりさまでもゆっくりくつろげる
今回は人気のかき氷のひとつ「みたらしみるく」と、夏にぴったりの「蕨もち」をご紹介します。
「みたらしみるく」が運ばれてくると、その大きさにびっくり! チーズクリームの上に並ぶ黒豆もかわいらしく、思わず微笑んでしまいます。たっぷりのチーズクリーム、みたらし蜜、練乳ミルクの三重奏が楽しめる一品で、氷の削り方にも特徴があり、きちんと成形してから提供されます。氷の粒は、0.5ミリ単位で調整された刃で削っているのだとか。
ひとくち口に運ぶと、ほどよい甘じょっぱさがクセになります。
「かき氷だからといって、すべて甘いわけではないんです。クリームの中に、ほんの少し醤油や塩が入っていたり、和食を作るときと同じように手を加えています」
なるほど、少し手を加えることでその食材の味を引き立たせているんですね。

「みたらしみるく」通常サイズ1,950円、小サイズ1,750円(お飲み物セットはプラス550円 すべて税込)。
ちなみに器はすべて作家による手作りの1点もの ※写真は通常サイズ

濃厚なチーズクリームとみたらし蜜は相性抜群で、スプーンが止まらない

氷の中から現れるのは練乳ミルク、こし餡、くるみなど。高級な和菓子をいただいているよう!
気づけば「みたらしみるく」の甘じょっぱさの虜になり、三重奏で味変を楽しみながら、最後まで飽きずにいただくことができました。そしてなんといってもボリューム満点なので、食べ終わったあとは幸福感と満足感にしばし酔いしれることができます。
続いていただくのは、暑い季節におすすめの「蕨もち」。私たちがよく知る蕨もちと違い、黒いのが特長です。これは、本蕨の中でもいいものを吟味し、希少な九州産の「黒本蕨粉」を使っているから。さらに注文を受けてから職人が練り上げるので、まさに“練りたて”のおいしさが楽しめます。うるし塗りの器の左側には蕨もち。氷と桜の塩漬けが浮かんでいます。右側には、きな粉とうぐいすきな粉(抹茶入り)の2色のきな粉が添えられ、まるで小さな日本庭園を眺めているようです。

「蕨もち」2,550円(お飲み物付・税込)。木製の蓋についたマークは廚くろぎの「ぎ」の濁点部分だそう
蕨もちを箸で持ち上げてみると、そのぷるぷるとした質感にテンションが上がります。蕨もちからしたたる水がまた涼やか! たっぷりのきな粉と黒蜜をかけていただくと、口の中で冷たさと温かさが交互に感じられ、練りたてであることがよくわかります。
「実は、蕨もちの賞味期限は約30分。練りたてのうちにお召し上がりください」
と増田さん。そう、まさに作りたての“いまこのとき”を楽しむ、贅沢なお菓子なのです。
もちもち、つるんとした蕨もちの食感を堪能しながら、合間に京都「福寿園」の抹茶もいただきます。こちらの抹茶も、一杯一杯丁寧に点てて提供されるのがうれしいですね。

みずみずしく、ぷるぷるとした蕨もちに感動する

セットについてくる「福寿園」の抹茶。その奥深い味わいに、日本人でよかったと思える

統括責任者の増田道仁さん(左)とスタッフの金子さん(右)
「ここでしか味わえないかき氷体験をぜひ!お腹いっぱいになって帰ってください」
これからますますかき氷がおいしくなる季節。混雑時は整理券を配布しているそうですが、早めの時間の来店をおすすめします。「日本人でよかった~」と感じられるひとときを、ぜひ味わってみてくださいね。
廚くろぎ
住所 東京都台東区上野3-24-6 パルコヤ1F
営業時間 10:00~21:00(20:00L.O.)
電話 03-3873-1145
定休日 パルコヤに準ずる
東京メトロ銀座線上野広小路駅徒歩1分
https://www.instagram.com/kuriya.otona/(外部サイトへ移動します)