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ピカソと並び、20世紀を代表する巨匠として知られるジュアン・ミロ(1893〜1983)の大回顧展が現在、東京・上野の東京美術館で開催中です。
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より
彫刻作品も多数並ぶ。右は《女と鳥》1967年
スペイン・カタルーニャ州で生まれたジュアン・ミロ。太陽や星、月など自然の中にある形を象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風で知られ、日本でも高い人気を誇ります。没後40年となるいま、ミロは世界的に再評価されています。
本展では初期から晩年に至るまでの各時代を彩る絵画や陶芸、彫刻により、90歳まで新しい表現へ挑戦し続けたミロの芸術を包括的に紹介する内容。よりすぐりの傑作約100点が世界中から集結し、ミロの芸術の真髄を体感できる空前の大回顧展です。
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より
どの作品もじっくり見入ってしまう
今回の見どころのひとつは、ミロの代表作である〈星座〉シリーズ。
このシリーズは、ミロが戦争という苦しい現実から逃避し、詩や音楽に触発されて制作されました。天体を象徴したモチーフを中心に、人や月、星などが幻想的に配置された作品群はミロの作品の中でも特に人気が高いものです。全23点からなるシリーズのうち、《明けの明星》、《女と鳥》、《カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち》3点が展示されています。現在、シリーズの各作品はその所蔵が世界各地に分散しているため、複数の作品をまとめてみられるのはまたとないチャンスです。
また、音声ガイドを用いると、当時ミロが制作中に常時聴いており、そのリズムを絵画に落とし込んだとも言われるバッハの楽曲『目覚めよ、と呼ぶ声あり BWV 645』とあわせて鑑賞することができます。
ミロの絵画に影響を与えた音楽を聴きながら、その絵画を鑑賞するというなんとも素晴らしい体験はそうできるものではないのではないでしょうか。
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より
3点の〈星座シリーズ〉は暗い室内に浮かび上がるよう展示されており、とても幻想的
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より 《明けの明星》1940年
38×46cmと思ったより小ぶりなサイズ。見れば見るほど作品に引き込まれていく
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より 《女と鳥》1940年
そして楽しみの一つでもある、ミュージアムショップでのグッズ類も充実。ポストカードやクリアファイルなどお馴染みのグッズはもちろん、ミロの作品からインスピレーションを得て作られているジュエリーや、手ぬぐい、マグカップや食料品などバラエティに富んでおり、ここでもたくさんの時間を使ってしまうこと必至です。
ミロ財団のオフィシャル・ジュエリーメーカーとして認定されているJOIDARTのアクセサリー。
今回、通常日本では買えない商品もあるそう
マグカップ ¥2,800(税込)
〈星座〉シリーズの《明けの明星》がモチーフ。ミロの画法に合わせて下地を既製の白ではなく下地の色を作り、
その上に絵柄を転写プリントで焼き付けている。大きさの割に軽く、普段使いにぴったり
スペイン、とりわけカタルーニャ地方の食材などがずらりと並ぶ。手ぶらでは帰れません
実は、これほどの規模のミロ展が日本で開かれるのはおよそ60年ぶりとのこと。展示は5つの構成に分かれており、ミロの画業の全体を俯瞰する内容となっています。どの章も当時ミロが置かれた状況を色濃く反映した作品が並び、章を追っていくと、作風の変遷が見てとれます。
この機会にぜひ、足を運んでみてください。ただし、時間に余裕を持って鑑賞されることをお勧めします。
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より 《焼かれたカンヴァス2》1973年
当時のハイカルチャーとしての芸術に一矢報いようと意図的に燃やした挑戦的な作品。
カンヴァスの裏側も見ることができるので、ぜひ実物を堪能してほしい
特別展「ミロ展 Joan Miró」展示風景より 《花火Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ》1974年
新しい世代のアメリカ人アーティストの影響が見られるという三連の大作は圧巻。日本初公開
※記事内の写真はすべて同展の内覧会展示風景を、特別に許可を得て撮影されたものです。
スペイン☆ミロウィーク!
開催中〜3月16日(日)
大学生、専門学生の入場無料!
期間中は大学生・専門学生は無料でミロ展を鑑賞できるというスペシャルな企画(※18歳以下、高校生以下は展覧会の会期中入場無料)。ギター演奏会やSNS投稿キャンペーンなど盛り沢山な内容なので詳しくは公式サイトのイベント欄をチェックしてみて。
https://miro2025.exhibit.jp/event/
ミロ展キッズデー
3月31日(月)9:30〜15:00※入室は閉室の30分前まで
対象:小学生以下の方とその保護者(事前予約不要)
小学生以下の方のためだけに休室日を特別にオープン!親子でゆっくり鑑賞できる1日。詳細は公式サイトをご確認ください。
「ミロ展 」
会期 2025年3月1日(土)~2025年7月6日(日)
会場 東京都美術館(東京・上野公園)
住所 東京都台東区上野公園8-36
開館時間 9:30~17:30、金曜日は20:00まで※入室は閉室の30分前まで
休室日 月曜日、5/7(水)(ただし4/28(月)、5/5(月祝)は開室)
当日券料金(税込) 一般 2,300円、大学生・専門学生1,300円、65歳以上1,600円
※前売券の販売は終了しています。土日・祝日のみ日時指定予約が可能。当日券も東京都美術館にて販売。ただしご来場時に販売予定数が完売している場合があります。
※18歳以下、高校生以下は無料。障がい者とその介護者1名は無料。入場の際に障害者手帳等をご提示ください。
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
展覧会公式サイトhttps://miro2025.exhibit.jp/(外部サイトへ移動します)