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仲御徒町にある、ワインとイタリア料理のMille,(ミッレ)。店主の向井章さんは、2023年に店をオープンするまで、ソムリエとしてイタリアンやフレンチ、ワインバーなど、さまざまなジャンルで10年以上経験を積んでいました。その間ずっと、将来自分の店を開きたいと思い、独学で料理の勉強も続けていたとか。現在はソムリエとシェフ、両方の引き出しを活かし、ワインと料理のマリアージュを生み出しています。
「前菜盛り合わせ」1,980円〜(内容はその日によって異なる)。「グラスワイン」1,000円〜(すべて税込)
ソムリエは料理に合わせてワインを選ぶので、どちらの知識も求められる職業です。「それなら、自分で料理ができた方がいいと思ったんです」と向井さん。イタリアンを選んだのは、向井さん自身がイタリアンを好きだからというのもありますが、もう一つ大きな理由が。
「イタリアは土地によって気候が違うので、食材が豊富。ブドウもさまざまな品種が採れるので、いろんなワインを作れるんです。さらに郷土料理もたくさん。だからいろんな組み合わせができて楽しいんです」
店内はカウンターの8席のみ。調理風景が間近に見える臨場感溢れる空間
メニューは、その日仕入れた食材によって異なるそう。例えば「前菜盛り合わせ」の牡蠣は、旨味を引き出すためにボイルし、お客さんはオリーブオイルと醤油で食べます。自家製のレバーペーストは、ローズマリーなどのハーブや、コニャック、ブランデーを隠し味に。口に入れると舌触りがふわっとして、華やかな香りが大きく膨らみます。
「前菜盛り合わせ」。写真は一例で、牡蠣に添えられているのは、オリーブオイルと醤油を入れたソースピッチャー
ワタリガニは、内子のコクや旨味をソースに活かし、パスタに。ソースにはトマトやネギを潜ませ、仕上げにレモンを少しかけることで後味をさっぱりさせています。また、イタリア産のヴィチドーミニのパスタはもちもちして、小麦の香りが強く、ワタリガニの身の甘みとよく合います。食材の持つ本来の味わいと、ワインのマリアージュを存分に楽しんでもらうため、使用する塩の量は最小限に抑えているそうです。
食材同士が互いに引き立て合うように計算された、向井さんの料理
食材をどう活かすかは、イタリアンの見せ場の一つ。「お客様のその日の気分や、食べたいものを聞いて、こんな料理はどうですか?と、メニューにないものから提案することもあります」と向井さんは言います。カニならパスタにしたり、蒸して出したり......。会話の中からヒントを見つけ、その場でレシピを考えて作っていく。それをカウンター席から眺めるのも、この店の醍醐味です。
アラカルトのパスタは2,000〜4,000円。写真は一例で「活き渡り蟹のパスタ」4,000円(すべて税込)
「グラスワイン」は赤、白がそれぞれ3種類、スパークリング、甘口がそれぞれ1種類あり、計8種類。ボトルのワインは約60種類あります。どれにしようか迷ったら、おすすめをお願いすれば間違いありません。
「旨味の強い牡蠣には、シャンパーニュやスパークリングワインがぴったり。特にシャンパーニュは貝の化石が多い土壌で、旨味成分の元となるコハク酸が豊富なんです」
ワイン談義に花を咲かせ、実際に飲んでみて気に入ったら、ボトルを購入することもできます。
ソムリエとシェフ、両方の知識とアイデアを活かしたイタリアンをぜひ体験してみてください。
カジュアルで入りやすい店構え。コースだけでなく、アラカルトが充実しているのもうれしい
Mille,
住所 東京都台東区東上野1-10-4 岡島ビル1階
TEL 070-9098-6221
営業時間 ランチ 12:00〜13:30(L.O.)※月曜はディナー営業のみ、ディナー 17:30〜22:00(L.O.)※土曜は18:00〜
定休日 日曜(不定休あり)
https://www.instagram.com/mille.20230501/(外部サイトへリンクします)