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2018.06.14岩倉高校放送部-ようこそ鳩レースの世界へ

こんにちは、岩倉高等学校放送部の三好です。部員4名で一般社団法人日本鳩レース協会に行ってきました。
そもそも、ある生徒から「学校のそばにたくさんの鳩が飼育されているビルがある」という話を聞き、興味を持った私たちがその場所を確認したところ、「鳩レース」という看板を見て興味を持ったところから始まりました。一般的にはあまり馴染みのない「鳩レースの世界」を探るため、総務担当の樋口さんと平井さんにお話しを聞きました。

 

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一般社団法人 日本鳩レース協会 事務局

 

【質問・三好】こちらの協会ではどのような活動を行っていますか。
【平井さん】基本的には全国の会員が鳩を飼う上でのサポートをしています。そして、鳩レースの企画・表彰や鳩用の薬の販売。さらに、レースをする上でのサポートを行っています。

 

【質問・高橋】鳩レースとは具体的にどのようなものですか。
【平井さん】わかりやすく説明すると鳩レースとは、鳩を遠くに飛ばし、帰ってきた速さを競うスポーツです。全国各地で100キロメートルから1,000キロメートルのレースを行っています。
もちろん、ちゃんとしたスポーツなので厳しいルールも整備されています。

 

【質問・石川】レースをする上でのサポートとはどのようなサポートですか。
【平井さん】レース鳩の登録・その脚環の配布・鳩舎位置の測定・記録の公認、会員相互との交流を深めてもらうような企画をしたり、機関誌の発刊を行っています。

 

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【質問・木村】鳩レースの魅力とは何ですか。
【平井さん】やはり遠くから鳩が自分の力で頑張って帰ってくるということと、最近は野生の猛禽類が多くなっており、それを上手く避けて帰ってくるというのも隠れた魅力の一つです。ですが一番の醍醐味は、自分の鳩でよい成績をとるというスポーツの欠かせない部分ですね。

 

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【質問・三好】この協会に所属している方々はどのような方々ですか。
【平井さん】会社員の方、お店をやられている方、なかには大企業の社長さんや、警察官、弁護士の方など様々な職業の方もいらっしゃるので驚きですね。(笑)
ですが、所属している皆さんに共通していることは、とにかく鳩が好きということです。実際、鳩レースの会場では職業や身分など関係なく皆さん鳩レースを楽しんでいます。

 

【質問・石川】鳩レースを通して世界的な交流などは行っていますか。
【平井さん】鳩の起源とされているヨーロッパ諸国は鳩レースがかなり発達しており、レース用鳩専用の小型GPSを開発したりしています。また、鳩レースの協会がある国で結成された「FCI」という組織もあります。

 

【質問・高橋】「FCI」には何カ国くらい加盟されていますか。
【平井さん】現在は65の国と地域です。鳩レース協会も加盟していて、アメリカやヨーロッパの先進国が加盟しています。それだけではなく、アフリカや東南アジアなど、気候的に鳩を飼うことが難しいとされる国も加盟しています。

 

【質問・木村】長距離レースとはどのようなものですか。
【平井さん】一般的に900キロメートル以上のレースを指します。鳩は離れたところから休まず10時間以上飛び続けます。海を渡るレースもあるので、高波に襲われ溺れてしまう鳩がいます。
【質問・木村】とても厳しいものなのですね。

 

【質問・三好】鳩レースに関する賞や勲章などはありますか。
【平井さん】昔は色々賞があり、トロフィーなども渡されていました。例えば、伝書鳩つながりで郵政大臣賞など、大きな賞状もありました。昔はかなり盛んで、上野松坂屋さんも鳩レースの舞台になりました。現在でも衆議院議長賞、農林水産大臣賞、文部大臣賞をいただいています。

 

 

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【質問・石川】鳩レースを身近に感じられる企画や催事はありますか。
【平井さん】いまのところ無いですね…。日本で行われた催事では1980年に行われたオリンピアードです。オリンピアードは簡単に言うと鳩の博覧会です。鳩レース協会の会員以外にも一般の方々も見学することができ、当時は大変盛り上がりました。1964年のオリンピックでも平和の象徴として放鳩しましたが、現在では、昔ほど催事を企画することが難しくなってしまったというのが素直なところですね。

 

【質問・木村】これから先、鳩レースをどうしていきたいですか。
【平井さん】やはり身近に感じられるものにしたいですね。現在、鳩レース協会の会員さんの平均年齢は60歳後半と、高齢化が進んでいます。かつては、学生の団体さんもいらっしゃいましたがかなり減ってしまい、若い世代で鳩レースをやっている人が急激に減っています。私たち協会の職員などに声をかけていただければ、鳩を飼うお手伝いができると思います。魅力を感じ、若い世代に気軽に鳩レースを楽しんでもらいたいですね。

 

まとめ
多くの人にあまり馴染みのない「鳩レース」。学校のそばにある協会へお邪魔してお話を聞く機会を持たなければ、もしかすると一切縁なく過ごすことになっていたかもしれません。鳩レースは、複数の愛鳩家が各自の飼育している鳩を持ち寄って、同一地点から(放鳩地)から同時に放鳩し、誰の鳩が速く帰ってくるか競うスポーツの要素が高いものだと知りました。さらに、条件を公平にするため、放鳩地から各自の鳩を飼育している鳩舎までの距離を正確に測定し、鳩が帰るのに要した時間で割って、1分間のスピード(分速)を出して比較するなどしています。上野エリアの知られざるものの奥深さ、恐るべしです。

 

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感想
【三好】
今回の取材をさせていただく前に、事前の資料ということで日本鳩レース協会様から頂いた機関誌をじっくり読みました。その中に、かなりの金額がつく鳩が記載されていたページを発見し、「どうやったらこんなにも高い鳩が生まれるのだろう」と、ただ純粋に驚いて今回お話を聞くことになりました。取材を通じて、鳩レースそのものの魅力が分かったような気がします。また、紙面だけでは分からなかった鳩の血統や成績などで価格が上がるという仕組みも分かりました。さらに、鳩に与える餌、レースの運営方法や飼育の仕方など、様々なお話を聞くことができ、協会の方々の鳩にかける思いやレースの魅力をたくさん感じ取ることができました。これからはもっと若い人にもこの鳩レースが浸透していって欲しいと思います。

 

【高橋】
まず、一番印象に残ったことは、皆さん本当に鳩が好きなんだなということです。管理を担当されている方は鳩舎で飼われている鳩一羽ずつの特性を理解しており、具合の悪い鳩は、状態や鳥のフンで見分けがつくほどでした。総務の方々が、「鳩が好きだからこの仕事ができるんです」と言われるのを聞いて、鳩への愛の深さも感じました。普段から鳩を情熱をこめて愛し育てている人たちがいることがわかり、とても良い体験をすることができたなと思いました。

 

【石川】
私は今回の取材で、鳩レースというものを初めて知りました。私たちが普段見ている「鳩」にも色々な種類や用途のものがあり、その中でも、鳩レースに出すための鳩を誕生させるための鳩がいるということに大変驚き、奥深さを感じました。そして鳩レースという競技もこの取材を通じて、初めて知りましたが、思っていたよりも壮大で、国際的な競技だとしることができました。私たちくらいの世代を対象にしたイベントなどもやってみたいとおっしゃっていたので、機会があれば是非参加したいです。

 

【木村】
取材を通して私は日本鳩レース協会の方々は本当に鳩を愛しているのだなと思いました。単に鳩レースの鳩と言っても、鳩には別々の役割があり、レーサーの親になる鳩・レーサーになる鳩が居ることなど奥が深いなと思いました。レースでは、帰ってこない鳩が居たりする事も驚きでした。最近は猛禽類なども増えているとおっしゃっているので鳩レースは厳しい世界だと思います。ですがそれを乗り越え帰って来る鳩がいるのも鳩レースの醍醐味だと言えると思います。鳩の印象が大きく変わりました。

 

 

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