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メンバーが気になった池之端児童遊園の都電
こんにちは、岩倉高等学校放送部の結城です。
今回は、池之端児童遊園を紹介します。鉄道好きの生徒から「ユニークな施設があるから見に行ってみたら?」という情報をもらい、取材しました。上野動物園や東京都美術館の西、不忍通り沿いにあるこの公園には、昔懐かしい「都電7500形(7506号車)」が展示されています。こちらの施設について、台東区役所公園課の萱島さんにお話を伺いました。
【質問・結城】
こちらに都電が設置された理由や経緯を教えてください。
今回取材を受けていただいた台東区役所公園課の萱島さん
【台東区役所公園課・萱島さん】
元々、この土地は東京都の所有です。東京都から土地を貸していただいて、今は児童遊園を整備している形です。地域の方々に施設のあり方を相談をした所、「昔走っていた都電荒川線の停留場の思い出の地なので是非都電を設置して欲しい」という声があったため、使われなくなった車両を設置したのが経緯です。
【質問・石川】
どのような方々がこの池之端児童遊園を利用されていますか。
【台東区役所公園課・萱島さん】
周辺にお住まいの方にご利用いただいているほか、近隣のオフィスの方が来園してベンチに座ってお昼をとったりもしています。
ちなみに、都電はモニュメントとして展示してあるため、実際に都電の中に入ることはできません。
【質問・山家】
車両の管理はどの様にされていますか。
【台東区役所公園課・萱島さん】
公園課と管理事務所が管理をしています。具体的には清掃会社などに清掃やメンテナンスを定期的に依頼していて、月一回に車体の清掃、二週間に一回車内の清掃をしています。
また、車両の塗装が傷んだ時、補修を行ったりしています。
今回取材をした岩倉高校放送部のメンバー
【質問・和田】
台東区内にある公園で是非みていただきたい公園を紹介してもらえますか。
【台東区役所公園課・萱島さん】
御徒町公園を昨年度リニューアル工事しました。元々あった池を綺麗にし、夏場にミストが出る遊具を設置したりしました。是非、ご覧いただければと思います。
【質問・池田】
児童遊園と公園というのはどのようなところが違うのでしょうか。
【台東区役所公園課・萱島さん】
法律の話になりますが、公園というのは基本的に都市公園法という法律に基づいていて、設置基準などが決まっています。それに対して、児童遊園は法律ではないそれぞれの地域で条例等により定められているものです。児童に遊具などを使って楽しく余暇時間を過ごしてもらい、遊具の利用を通して健康的に成長してもらうことを目的としていいます。つまり、公園の設置というのは都の所有物でも区の所有物でも基本的には法律が関係していることがいえますね。
【質問・結城】
これから公園や児童遊園は、地域の方々にどういう存在であって欲しいですか。
萱島さんからは資料などを用いてわかりやすくご説明をいただけました
【台東区役所公園課・萱島さん】
区民の方、通勤・通学の方などすべての方々に安心して過ごしていただくことが一番大切だと思っています。すべての人々のご要望を聞くのは難しいですが、出来る限り、ご利用される方にとって安心かつ快適な公園づくりを進めたいと思っています。
【質問・石川】
置かれている都電が選ばれた理由を教えていただけませんか。
【台東区役所公園課・萱島さん】
東京都から廃車になる車両があるとのことだったので、その一部を使わせていただいたのが一番の理由ですかね。
【質問・山家】
こちらには廃車が設置されていますが、他の公園にも廃車を設置する予定などはありますか。
池之端児童遊園に展示されている都電
【台東区役所公園課・萱島さん】
池之端児童遊園に設置した理由は、昔この辺りに、停留所があったことや地域の方の要望が出てきたことが大きな理由です。他の公園にも、もし池之端児童遊園のように都電との繋がりがあり、住民の方々からのご要望があれば設置される可能性はあると思います。いずれにしても、住民の皆様のご要望などを伺いながら、決めていくものと思っています。
<まとめ>
上野公園から北西方向へ向かうと池之端地域があります。最近は高層マンションが建ち並び、所狭しと建物が立ち並んでおり多くの人が暮らしています。そんな場所に展示されている車両は「都電7500形(7506号車)」。建物と建物とのわずかなスペースに、昔懐かしいその姿がたたずみます。名称は児童遊園ですが遊具などは見当たらず、休息のためのベンチが用意されているだけです。しかし、そんな都会の空間だからこそ、この場を大切にしたいと改めて感じました。
<感想>
【結城】
都会の貴重な児童遊園の中に都電を設置するという経緯に驚きました。歴史を大切にし、昔走行していた車両が置き、地域の方々の要望に寄り添う場所です。そんな思い出に残る地を大切にしている取組みにとても暖かみを感じました。地域の方も一緒になって清掃もしっかりされています。廃車から、もう何年も経ちますが、車両は綺麗に整備・保存されていて、今でも動き出しそうなくらいの光景が印象的です。
【石川】
幼いころ荒川線で乗ったことのある車両が台東区で保存されているということで、今回の取材はとても楽しみにしていました。実際に現物を見ると、こまめなメンテナンスが行われているという事もあり、まるで現役の頃のままのコンディションで驚きました。また、台東区内にはパンダの遊具が設置されているなど、様々なニーズにあわせたユニークな公園があることも知ることができ、とても興味が沸きました。
【山家】
この児童遊園をつくる時に地域の方々からの意見を採用してという所には驚きました。地域に寄り添った公園づくりはとても素晴らしいことですし、あらためてこのような公共施設に色々な方の想いがあることを知ることが出来ました。また、公園や広場にそれぞれの目的があることもわかりました。
【和田】
その遊園には路面電車一台がポツリと設置されていました。設置の理由を聞き、かつて路面電車が走っていた痕跡を多くの人々の記憶に残したいという想いを強く感じました。この場所は歴史的価値としての意味合いもあるという萱島さんの言葉をまさに身体で感じることができました。
【池田】
今回初めて取材に参加しました。車両そのものへの興味はそれほどではありませんでしたが、この場所だからこそこの車両を設置して、地域の方々が丁寧に保存していくという考えには、とても感動しました。昔の人の暮らしぶりは、時間が経過すればするほど多くの人が忘れていきます。このような場所で、ここの風景から人が自然と昔を感じることができるのであればとても素晴らしいことだと思いました。
取材を終えて萱島さんと記念撮影