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2019.08.07岩倉高校放送部ー高校生が感じる東京国立博物館の魅力

 

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東京国立博物館本館
(写真提供 東京国立博物館)

 

こんにちは、岩倉高等学校放送部の股部です。女子部員5名で東京国立博物館に行ってきました。いわずと知れた日本と東洋を中心に世界の文化財を収集・保管、展示・公開、調査研究することなどを目的とした日本で最も歴史のある博物館です。とても有名な場所なのですが、「上野が、すき。」の編集に参加して5年経つにもかかわらず、私たちは一度も取材したことがありませんでした。
今回の取材を通じて、あらためてこの場所の魅力に迫ります。

 

【質問・斎藤】
とても広い施設ですが、訪れる上でのポイントはありますか。

 

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今回取材に応じていただいた東京国立博物館広報室の新井さん

 

【博物館・新井さん】
初めて訪れる方は、まず本館を見ていただいて日本美術の流れなど基本的なことを理解していただくのが良いと思います。そこで興味を持ったジャンルやターゲットを決めて、それを目当てにすると回りやすいのではないでしょうか。
あとは、自分が見た作品の中で家に飾れるとしたらどれにしようかなど、自分の生活に引き寄せて見ていただくのも楽しみ方の一つとしておススメです。

 

【質問・股部】
多くの館に分かれていますが、どのような特徴がありますか。

 

【博物館・新井さん】
当館には6つの展示館があり、それぞれ特徴が異なっています。例えば本館は壁時計やステンドグラスなど、建築の細かいディティールも凝っていて、建物に興味がある人にも見ていただきたい場所です。

 

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建築に興味がある方におススメな本館内の様子
(写真提供 東京国立博物館)

 

【質問・前村】
東洋館はどうでしょうか。

 

【博物館・新井さん】
東洋館は日本以外の中国、朝鮮、インド、エジプトなど広い地域を網羅した館で、旅行気分を味わいたい人におススメです。

 

【質問・斎藤】
平成館は新しい建物ですか。

 

【博物館・新井さん】
20年前に開館しました。2階は特別展会場として使用しています。1階には、日本史の授業で習うような土偶、埴輪を展示しています。また、講演会などができる大講堂もあります。

 

【質問・中原】
法隆寺宝物館は昔、収蔵庫だったと聞きましたが?

 

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建物とあわせて周辺環境も魅力的な法隆寺宝物館
(写真提供 東京国立博物館)

 

【博物館・新井さん】
はい、以前はそうでした。現在の建物は二代目で、常設展示施設になっています。聖徳太子が造った法隆寺から明治11年に皇室に献納された宝物を収蔵していますが、建物の前に水を張った空間があり、そこが魅力的です。

 

【質問・股部】
あと2つはどうでしょうか。

 

【博物館・新井さん】
黒田記念館は、黒田清輝の遺言によって建てられ、彼の作品を展示しています。表慶館は、大正天皇ご成婚を記念して建てられました。明治末期の洋風建築を代表する建物です。

 

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建物としては6つの展示館の中で最も古い表慶館
(写真提供 東京国立博物館)

 

【質問・寺内】
夏休みの高校生向けイベントなどありましたら教えてください。

 

【博物館・新井さん】
9月まで行われる「日本のよろい!」というイベントがあります。鎧の構造をわかりやすくご紹介するとともに、視覚と触覚で楽しめる鎧着用体験も行っており、レプリカの鎧を身に着けることができます。

 

【質問・前村】
1日の来館者数、また外国の方はどの程度来館されていますか。

 

【博物館・新井さん】
7月は総合文化展で平日3,000人前後、金・土・日は4,000人前後。特別展も含めると館全体で7,000人程の方々に来館いただいています。その中で外国人の方は3~4割程度となっています。

 

【質問・中原】高校生まで入館無料ですが、狙いを教えてください。

 

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今回取材を行った岩倉高等学校放送部メンバー

 

【博物館・新井さん】
学生の皆さんに歴史と美術を学んでほしいということがあります。また、博物館は文化財を次の世代に伝えていくことが使命ですので、将来を担う若い世代の皆さんに興味を持ってもらうためにも、見ていただく機会を増やしたいという想いもあります。

 

【質問・斎藤】
かなり大規模な施設ですが、展示総数はどのくらいですか。

 

【博物館・新井さん】
1日あたりの総合文化展の展示数は約3,000件です。作品は保存が難しいものもあり、長期間展示できないものもありますので、年間で約300回の展示替えを行っています。

 

【質問・股部】
いつ展示物を取り換えているのですか。

 

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私達が一番興味のあった東洋館内の様子

 

【博物館・新井さん】
当館は、原則月曜日を休館日としているので、そこで主に展示替えをしています。1日で全部の展示を入れ替えているのではなく展示室ごとに展示替えを行っています。

 

《まとめ》
貴重な文化財を大切に守りながら未来へ、そして世界へ紹介していくという重要な役割を持った施設でした。そのことを知っていても、実際に訪れて実物をみることにより、その実感は大きくなります。「保存」という絶対的な使命と、多くの人に「公開」するというバランスはとても難しいと思います。しかし、その両立に挑戦するとても素晴らしい場所でした。

 

《感想》【感想・股部】
私たちの学校から歩いてすぐの施設であるにもかかわらず一度も行ったことがありませんでした。まずは6つもの館に分かれていることに驚きました。歴史的・芸術的なものがたくさん展示してありますので、とにかく目移りがします。展示物を通じて、日本だけではなく他国の歴史をリアルに感じることもできます。若い私達に歴史、芸術を受け継いでもらうことが博物館の存在理由と聞き、自分の知らない世界をもっと知りたくなりました。

 

【感想・中原】
6つの館それぞれの建物にテーマがあり、展示スタイルにも工夫が施されていてすごいと思いました。中でも法隆寺宝物館は印象的でした。水が張ってある様子や桜が周りに植えてあるとても神秘的な雰囲気は、季節によって色々な雰囲気が楽しめそうです。今回の取材で古典の授業で出てきた物や授業で習った人物の作品などがあり、とても楽しむことができました。限られた時間でしたのですべての館を見ることができなかったので、また行きたいと思いました。

 

【感想・斎藤】
案内して頂いた新井さんの説明はとても凄いなと思いました。展示物の細かな情報を教えてくださり、そのような知識を持ってそれらを見ると世界はどんどん広がるに違いないなと感じました。また、各棟の説明も分かりやすく、しっかり目的を持っていきたくなるような説明をしてくださったので楽しかったです。今度は狙いを定めて、ゆっくり行きたいなと思いました。

 

【感想・寺内】
国内の展示物はもちろんですが、日本と強い関係性のあった世界の様々なものに触れることができ、さらに展示替えを多く行っているので、いつ行っても楽しめることが魅力的でした。また、作品だけでなく建造物のデザインもとても素敵なので、建築に興味がある人にもお勧めです。高校生のうちに定期的に行って作品を楽しみたいと感じました。

 

【感想・前村】
外国人観光客に有名な上野の東京国立博物館。とても美しく雄大な施設で、日本の歴史だけでなく外国の歴史や日本との関係も学ぶことができます。何より、日本人でも外国人でも、誰でも楽しめる博物館というところがいいです。また、より多くの人に楽しんでもらえるようにたくさんのイベントを実施していることも分かりました。

 

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取材を終えての記念撮影

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