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2017.08.06岩倉高校放送部ーまちづくり会社ドラマチックを訪問

こんにちは。岩倉高校放送部の阿部です。

 

皆さんは、「まちづくり」と聞いて、何を思い浮かべますか。恐らく多くの方が、公共施設の建設や区画整理を思い浮かべるのではないでしょうか。今回は、そのようなイメージとは異なる「まちづくり」にスポットを当ててみました。

 

台東区下谷にある「まちづくり会社ドラマチック」は2010年から様々なまちづくりプロジェクトを進めている会社です。「まちづくり」の企画運営を行い、様々な活性化事業に取り組む最前線を取材。代表社員の今村ひろゆきさんにお話を伺いました。

 

<質問・阿部>どういった事業をされている会社なのでしょうか。
<今村さん>イベントスペースとして、演劇の公演、結婚式、さらには企業の方々の行事などに貸し出したり、シェアアトリエとしてクリエイターの方々が自分のオフィスとして使う場所を提供しています。

 

 

<質問・石山>事業を立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか。
<今村さん>もともと商業施設などの大きな建物を企業と一緒に作る仕事をしていました。そういった仕事をする中で、新しい建物は次々にできるけれど、古い建物がたくさん空いていくのを見たのですね。魅力があるのに、そのまま放って置かれているので、もったいないなあという風に感じました。さらに、そういった場所って新しく建てられたものより安いという魅力もありますし。

 

<質問・小野>確かに使われていない建物は多いですよね。
<今村さん>駆け出しのクリエイターの人たちはあまり高い家賃を払えないので、新たしい商業施設やビルに入居することが難しいんです。私は以前から、これから何か新しいことを始めようとする人達を応援したいという気持ちがすごくあったので、古い建物と新しいことをしようとしている人たちをマッチングして、その両方を活用する事業を始められたらいいなと思ったわけです。

 

<質問・阿部>この事業の魅力はどこにありますか。
<今村さん>イベントスペースの話になりますが、毎日が楽しくなる様なイベントがここで行われていて、友達ができたり、結婚する人がでてきたりするんですけど、そういうような人と人との繋がりをつくる場所っていうのがここの魅力なのかなという風に思っています。

 

<質問・石山>「まちづくり」という言葉にはどのような想いが込められているのでしょうか
<今村さん>「まち」に面白い人がたくさん増えたり、それを気に入って住んだり、そういう動きがあるのが、まちづくりとしてすごく価値があることなんじゃないかと思っています。いろいろな活動が起きている事が知られて、そこに行ったら新しい仲間に出会えるかもと思って、多様な人たちが拠点を構えていったら盛り上がると思うんです。それが、まちづくりだと思っています。

 

<質問・小野>上野地域の魅力をどのように感じられていますか。
<今村さん>博物館とか美術館がこんなに集まっているところって、そんなにないと思います。そういうような文化がちゃんとある「まち」。すごくポテンシャルがある「まち」だなと思うんですよね。今、下町らしさが見直されてきているんですよね。上野はすでに盛り上がっているし、さらに盛り上がっていきそうだなという気配を感じているというところでしょうか。

 

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<質問・阿部>今までのイベントの中で、盛り上がった印象に残った出来事は何でしょうか。
<今村さん>いくつもありますが、トークイベントですかね。たくさんの人たちが繋がっていくという景色を見ることができたんです。「初めまして」とか「今度、一緒に何かやりましょう」とか話が来た人たち同士で交わされる。その景色がすごく素晴らしくて。

 

<質問・小野>やはり、人の繋がりですか。
<今村さん>はい。面白い活動をしている方って、実はたくさんいるんですよ。それぞれ皆さん頑張っていらっしゃるのに、点で存在していらっしゃるのですね。そういう人たちが繋がる場所としてイベントをやると、その人たち同士の点が線になって、どんどん面になって活動が広がっていく姿をこの7年間見てきてました。それがすごく幸せなことだなあと思っています。

 

<質問・阿部>参加される方は、どのような年代が多いのでしょうか。
<今村さん>大学生からシニア層ぐらいまでの方々で、結構幅が広いです。中には、ご家族で来たりとかする皆さんもいます。色々な方が来れるような感じでやっています。

 

<質問・石山>今後、目指していくものは何ですか。
<今村さん>今まで、場所の運営、「まち」を盛り上げるイベントというのをやってきました。そういうことをする中で、たくさんの経験を積んできたんですね。今少しずつ始めているのは、我々の経験をノウハウとして、企業や自治体の皆さんに提供することです。

 

<質問・久保>まちづくりをさらに発展させていくということですね。
<今村さん>この「まち」が好きだなあとか、この「まち」にいて友達ができたなあとか、ここにいて好きな人ができたなあとか、そういう場所を作って「まち」を盛り上げていく、そういうことをいろいろな所でやっていきたいなあと思っています。今いろんな方々と一緒になって行政や企業にどんどん提案しているところです。

 

 

まとめ
イベントスペースやシェアアトリエとして場を提供している「まちづくり会社ドラマチック」は、実に多彩な事業を各所で展開されています。「まちは楽しくなければならない」という言葉は、「まちづくり」という概念の根底にあるべき言葉ではないでしょうか。
大勢の部員で取材させていただきましたが、今村様は全員によく分かるように丁寧に説明していただきました。今村様の「まちづくり」にかける情熱は、その派手な会社名に負けず劣らず、とにかく印象的でした。今回の取材を通じて、携われている皆さんの「まち」への想いと、事業に対する熱意がよくわかりました。
過疎化やインターネットの普及などで地域の中での繋がりが失われつつある中で、人々を繋げて盛り上げていく場はとても貴重なものに感じられました。
「まちづくり会社ドラマチック」の事業は、そんな楽しい「まち」と出会うきっかけになりそうです。

 

 

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<佐々木>
今回の取材はカメラマンとして参加させていただきました。今村さんの、地域の人々への熱い思いが聞いている私たちにとてもよく伝わってきました。使われなくなった建物を改築し有効活用していく活動は、今の時代に不可欠なものだと思います。ここから地域の人との交流が深まっていくのは、とても大切で素晴らしい活動だと思いました。

 

<石山>
この会社を作ったきっかけが、「クリエイターさんを応援したい気持ちがあったからだ」と聞いた時、思っていたことを具体的な行動に移せるのが凄いと思いました。また、「まちづくりは高校生でもできることはたくさんあって、参加できるものもある」とおっしゃっていたので、今回の取材を機にまちづくりについて考えてみて、できることを発見していきたいと思いました。

 

<山家>
今までにあった建物を受け継ぐことは、前にいた人の心を受け継ぐことでもありますという今村さんの言葉は印象に残りました。そこに人を集めて、人と人との繋がりがどんどん広がっていく。とても面白い取り組みですし、色々な繋がりが無くなりつつある今、ものすごく大事なことだと思いました。

 

<久保>
様々なイベントを企画されていて、同じ興味を持つ人と思いを共有できたり、地域の人と交流したりと、とてもよい場所だと思いました。見学させていただいた時にオフィスに、好きな本を共有する本棚があり、とても印象的でした。たくさんの芸術作品があり、全体的に良い雰囲気が作られていました。

 

<藤岡>
今村さんのお仕事への熱意に憧れました。人と人とを繋げ、地域に貢献していく。そして、魅力的な人々と町を生み出す。「点が、知り合いを通して線になり、そして面になっていく。」この言葉に感動しました。高校生でもできることを、自分から探しに行き盛り上げたいです。

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