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2026.06.22【石井三太夫表具店】からくり屏風製作体験レポート

上野駅からほど近い東上野の一角に、慶安5年(1652年)創業の老舗表具店「石井三太夫表具店」があります。創業から370年以上。掛け軸や屏風、襖などの製作や修復を手がけながら、江戸表具の技を今に伝え続けています。

今回は15代目当主・石井弘芳さんの工房を訪ね、表具づくりの体験をしてきました。

 

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店前の様子。この看板を見て訪ねてくる観光客もいるそう

 

「表具」と聞いて、すぐに思い浮かぶ人は少ないかもしれません。

表具とは、掛軸や屏風、襖、巻物など。またはそれを仕立てる仕事のこと。和紙や布、水、のりといったシンプルな材料を使いながら、作品を美しく見せるだけでなく、長く保存する役割も担っています。

石井三太夫表具店では、寺院の掛軸から文化財の修復まで幅広く手がけています。代々受け継がれてきた技術は、国の重要文化財の修復にも活かされているそうです。創業以来、時代が変わっても「作品を守り、次の世代へつなぐ」という役割は変わっていません。

今回体験したのは、からくり屏風づくり。

 

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用意するものは上から、帯×3本、色紙×2枚、刷毛(または濡れ雑巾)、クリップ、ハサミ、裏紙×2枚、正麩のり

 

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中央の帯は裏返しにする

 

はじめに色紙の白い面を上にして置き、その上に3本の帯を長さ順に並べます。帯が重なり合わないようにきれいに整え、その上からもう1枚の色紙を白い面同士が合わさるように重ねます。重ねたら位置を微調整して、左上をクリップで留めます。

 

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互い違いに貼り付ける

 

帯を色紙に貼り付けていきます。帯のはみ出した部分をしっかり折り曲げ、正麩のりを指にとり、色紙側に付けます。帯は互い違いになるようにしっかり貼り付けます。

 

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のりは外側に向けて塗る

 

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なるべく金色のふちに被らないようにする

 

すべて貼り付け終わったら、はみ出している余分な部分をハサミで切り取ります。

 

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5分程度乾かす

 

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色紙に日付などを記載しておくと修復する際に役立つ

 

裏紙を張り付ける前に、色紙に鉛筆で名前や日付を書いておきます。

 

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外側に向けて塗る

 

色紙にのりを塗っていきます。このとき、色紙の全体でなく、周囲1センチぐらいに塗るようにします。

 

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軽く一往復ほど濡らす

 

裏紙を少しだけ濡らしてから貼ると、乾いたときに形がきれいになります。濡れ雑巾でも代用できます。

 

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裏紙が中央にくるよう四辺をよく確認する

 

裏紙を色紙に貼り付けます。貼る位置を決めたら、上から撫で紙を載せて、しっかりとこすってのり付けをします。反対の面にも同じように裏紙を貼り付けていきます。

 

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5分程度乾かす

 

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帯の切り落とした部分などを利用するのも良い

 

出来上がったら、飾りつけをしていきます。

 

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写真などを入れて楽しむこともできる

 

これで、縦にも横にも開くからくり屏風が完成。帯が重要なポイントになっていることがわかります。仕組みはわかっていても何度も開いてしまうくらい面白い!

 

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15代目当主・石井弘芳さん。取材当日は表具の歴史から掛軸のしまい方などさまざまなことを教えていただいた

 

現代の暮らしでは和室が減り、掛軸や襖に触れる機会も少なくなりました。そんな中でも石井さんは、学校への体験指導などを通じて江戸表具の魅力を発信しています。「今の若い人に表具という言葉自体がわからないことがある」と話しながらも、その機能や面白さを知ってもらう機会を積極的につくっています。

また後継者育成にも力を注ぎ、多くの職人を育ててきました。現在は16代目となる息子の高弘さんも加わり、伝統の技を受け継いでいます。

石井さんが伝えたいことの一つが、「傷んだら直す」という考え方です。壊れたり古くなったりしたら買い替えるのではなく修理しながら長く使い続ける。表具には、そんな日本人の暮らしの知恵が息づいています。ものを大切に使い続ける文化を次の世代へ伝えていくことも、表具師の大切な役割なのかもしれません。

 

石井三太夫表具店

住所 東京都台東区東上野5-4-5

定休日 日、第1・3土曜

からくり屏風製作体験

体験可能時間 10:00~16:30(約60分)

体験可能人数 3~4人

体験料 3,000円(税込・材料費含む)

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