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新しい季節の到来を知らせてくれる、和菓子屋の店先。新緑が芽吹き始めた蔵前を歩いていると、「草もち」の貼り紙が目に入りました。
日々のおやつを買いに週3で通う人もいるという、まさに「街の和菓子屋さん」
菓匠 榮久堂は明治20創業。趣ある引き戸を開けて中に入ると、素朴で品のいい和菓子がショーケースに並んでいます。
「特別なことは何もしていません。昔と変わらない製法で手作りしているだけです」
そう言って、現店主である4代目は謙遜しますが、ひとくち食べればその味わいから丁寧な仕事ぶりを伺うことができます。
北海道産の大納言をふっくら炊き上げ、どらやきを毎日手作りしています
笹の葉で包まれている「水仙ちまき」は、初夏のお菓子。本葛と砂糖、水だけで作られた混じりけのない味わいで、ほのかな甘みがなんとも涼しげです。つるんとした舌触りと弾力も、本葛ならでは。笹の葉の香りが、嗅覚まで楽しませてくれます。
「水仙ちまき」450円(税込)。店頭では、笹の葉でしっかり包んだ状態で販売されています
普段のおやつにぴったりなのは、手でつまんで食べられる「薯蕷まんじゅう」。つなぎに山芋を使い、つぶあんを包んでふわっと蒸し上げるまんじゅうです。通年商品ではありますが、季節に合わせて装いが変わるのだとか。春は、生地によもぎを混ぜる「薯蕷まんじゅう 若草」。あむっと頬張ると、ほのかなよもぎの香りがつぶしあんの力強い風味と合わさり、大きく広がります。
「薯蕷まんじゅう 若草」280円(税込)。中にはぎっしりあんこが入っています
約65年前に、永見さんの父である先代が考案したのが「ソフト」。ほんのり塩気が漂う「バター」、爽やかな風味の「マーマレード」の2種類あり、ふわっと柔らかいケーキ生地でサンドされています。軽い食べ心地にうっとりして、もう1つ、2つと思わず手が伸びる。和菓子屋で洋風菓子という意外さはありますが、長きに渡り愛され、今や浅草銘菓として老若男女に支持されています。
菓匠 榮久堂のロングセラー商品「ソフトバター」
「ソフト バター」「ソフト マーマレード」は、消費期限5日間と少し日持ちするので、贈り物にもぴったり。昔からデザインが変わっていないというパッケージもレトロでかわいく、きっと喜ばれるはず。
「ソフトバター」(右)の他に、オレンジのかすかな苦みがアクセントの「ソフトマーマレード」も。各150円(税込)
菓匠 榮久堂
住所 東京都台東区蔵前4-37-9
営業時間 9:00〜18:00
定休日 火曜(不定休あり)