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2019.07.02160年以上の老舗蕎麦店「蓮玉庵」。現代に続く店名の由来と、文豪も魅了したその味とは?【雨の日にオススメな上野シリーズVol.1】

 

「雨が降って憂うつだなぁ」。そんな日でも、上野なら大丈夫。
雨の日こそ訪れたいグルメスポットや、雨によって引き立つ緑の香りが楽しめるスポット、文化的な情緒や雨音が楽しめるスポットなど、雨の日でもさまざまな魅力があふれる上野の街。
「雨の日にオススメな上野シリーズ」として、みなさんにお届けしていきたいと思います。

 

第一弾は、160年以上の歴史があり、かつて文豪も魅了した老舗蕎麦店「蓮玉庵」。

 

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風雪に耐えてきたお店の看板からも、160年の歴史が偲ばれます。

 

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なぜこのお店が雨の日にオススメかというと、店名の由来がとっても素敵なんです!

「蓮玉庵」という店名をひもとくと・・・

蓮=ハス
玉=宝石
庵=お店

となります。ハスの上に乗る宝石のようなものといえば、そう、水滴。

 

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こんなイメージですよね。つまり、「不忍池のハスの葉の上に朝露でついた水滴がきれいな宝石のように輝いていた」という美しいシーンを切り取った、それが由来なのです。
とてもロマンチックな店名だと思いませんか?

 

もうすぐ、不忍池はハスのシーズン。ハスの葉の上の朝露を見にいくことはかなり早起きしないと難しそうですが、雨の日に、不忍池のハスの上をすべり落ちる水滴に思いを馳せながら、蕎麦を手繰る。
たったそれだけのことでも、憂鬱な雨の日が、風流な思い出の1ページになるかもしれません。

 

ちょうどお昼時だったので、14時まで限定の昼の特別献立て「古式せいろそば別打ち入り三枚重ね(税込1000円)」を注文しました。

 

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届いた三枚重ねの蕎麦ざるを、ワクワクしながら開くと・・・

 

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蕎麦のさわやかな香りが、ふわ?っと鼻に通り抜けます。

 

三枚重ねのうち、一枚目と三枚目は通常のせいろそば。二枚目はさらしな粉を使ったその時々の変わり蕎麦が味わえる「別打ち」。この日は「桜蕎麦」でした。かえしの効いた江戸前の蕎麦つゆに二割ほどつけて桜蕎麦を手繰ると、なんともいえない桜のフレーバーと蕎麦のマリアージュが楽しめました。
柚子蕎麦などのバリエーションもあるそうで、「今日の別打ちは何だろう?」という楽しみも。

 

おつまみに、「天ぷら盛合わせ(税込1750円)」と「鴨の燻製(税込700円)」も注文。

 

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天ぷらのサクサク感を味わい、鴨の燻製のしっとりとした歯ごたえと薫香をたしなみ、蓮玉庵のそばで締める。
――とても贅沢な時間が流れます。

先日の「水月ホテル?外荘」の記事でもご紹介したとおり、上野に居を構えていた森?外。よくこのお店に訪れていたといわれており、彼の小説「雁」にも、「蓮玉庵」の店名が登場します。

歌人・斎藤茂吉も、「池之端の 蓮玉庵に吾も入りつ 上野公園に行く道すがら」と詠んだそう。他にも、坪内逍遥や樋口一葉、久保田万太郎など、ゆかりのある文豪・文化人は数知れず。
実際にお店に赴き、不忍池からのアプローチとともに、そのロケーションと蕎麦を味わえば、彼らを魅了した理由がわかるはずです。

お土産には、「乾麺(一把)霧下そば(税込300円)」や、「たらこと昆布の佃煮(柚子風味/税込500円)」をどうぞ。

 

さぁ、あなたも、美味しくて、ロマンチックで、文化的な雨の日を。


蓮玉庵(れんぎょくあん)
営業時間:11:30~18:30
定休日:毎週月曜日、第2・第4火曜日、祝日営業(翌日休み)
住所:東京都台東区上野2-8-7
電話:03-3835-1594

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