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人間や生物に害を与える物質「毒」。この世のあらゆるところに存在する毒というものは、一体何なのでしょう?なぜ存在しているのでしょう?自然界、あらゆるところに存在する毒について考える、特別展「毒」が国立科学博物館で11月1日(火)からスタートしました。その内覧会の模様をレポートします。
コモドオオトカゲ
この展覧会は、その名の通り毒を扱う展覧会。展示される「毒」の数はなんと250点以上! 国立科学博物館のスペシャリストたちが、毒について徹底的に掘り下げた研究の成果が発表されます。
展示を見進めていくと、怖い毒が単に怖いだけではなく、知識を持って向き合えば、ときには有効な役割を持つ存在であるということがわかってきます。
第1章「毒の世界へようこそ」では、毒とはいったいどのようなものかをパネルや巨大模型を使って説明し、第2章「毒の博物館」では、本格的な展示がはじまります。自然界に存在するさまざまな毒、毒には「攻めるための毒」と「守るための毒」の2つがあること、また、人間が作った人工的な毒も存在することなどがわかってきます。毒を持つ巨大な生物模型は圧巻です。
約30倍のハブの頭部模型(攻撃時)、40倍のオオスズメバチの模型
約100倍の大きさのイラガの幼虫模型
そして、国立科学博物館は標本やレプリカも豊富。実際に毒のある植物、動物も展示しています。トリカブトやドクゼリなど、毒を持つ植物は珍しいものではありません。山に行った時など、気づかないうちに触れているかも...。
日本の三大有毒植物
毒を持つフグの仲間たち
哺乳類では珍しいとされる毒を持つカモノハシ
地球上に推定10万種以上とされるきのこなどの菌類の大半は、食べて毒かどうかまだわからないものが多いのだそう。毒の場合は、痙攣(けいれん)、腹痛・下痢、幻覚症状、細胞破壊などさまざまな中毒症状を引き起こします。見たことのないきのこを食べるのはやめておきましょう。
「毒」でイメージする人が多いキノコ類
この他にも、人間が作った毒、鉱物に由来する毒、カビから生まれる毒などさまざまな毒がこの章には勢揃い。その多くが私たちの身近なところにあることにも驚きです。
第3章は「毒と進化」。毒の存在は、生物や植物の生き方を変えていきます。毒から身を守るために進化を重ねる生物や植物の姿を追っていきます。
例えば、キオビヤドクガエルはその毒々しい黄色と黒の模様で、自分に毒があることをアピールしています。
キオビヤドクガエル
第4章の「毒と人間」では、人々が毒とどのように関わっていったのかを見ていきます。植物の持つ毒を利用して人間が開発したものの一つが「蚊取り線香」。身近のところで毒は私たちの生活に役立っているのです。
蚊取り線香
ちなみに、人間にとっては毒でなくても、他の生物には毒になってしまう食べ物なども展示されています。チョコレートやブドウは犬や猫には決して与えないようにしましょう。
実は毒になることもある食べ物たち
私たちは毒に囲まれて生きています。そして、その毒を上手に活用して暮らしています。ちょっと怖いけど、気になる「毒」をたっぷり展覧会で楽しみ、あらゆる角度から学んでいきましょう。
そしてミュージアムショップにはオリジナルグッズが満載。慣用表現などに使われる「毒まんじゅう」や、「ベニテングダケのぬいぐるみ」、「ツキヨタケのぬいぐるみ」なども多数揃っています。
毒とプリントされた「毒まんじゅう」(普通のおまんじゅうです)972円(税込)
「ツキヨタケ」3,080円と「ベニテングダケ」2,640円のぬいぐるみ(すべて税込)
謎に満ちた"毒"をテーマにした本展覧会。知的好奇心をくすぐり、伊沢拓司さん率いるQuizKnockとコラボした毒クイズがあったり、人気キャラクター「秘密結社 鷹の爪団」も登場するので、子どもとも楽しめます。ぜひ、足を運んでみましょう。
特別展「毒」
会期 2022年11月1日(火)~2023年2月19日(日)
開館時間 9:00~17:00
会場 国立科学博物館
休館日 月曜、12月28日(水)~1月1日(日・祝)、1月10日(火)
※ただし1月2日(月・祝)、 9日(月・祝)、2月13日(月)は開館
観覧料(税込) 一般・大学生2,000円、小・中・高校生600円
※本展は日時指定制です。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
https://www.dokuten.jp/(外部サイトへリンクします)
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)