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2023.12.06【珍々軒】上野アメ横で三代続く町中華に癒やされる

 

ガード下を中心に広がる、上野アメ横商店街。始まりは戦後の闇市で、今なおそこかしこに当時の面影が残っています。約400店が軒を連ねる中、特に長く愛されているのが町中華の珍々軒。創業70年以上、現在三代目が営む老舗です。

 

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寒い季節にも体が温まる「湯麺(タンメン)」850円と、人気の「チャーハン」800円(スープ付き)

 

初代が最初に商売をスタートさせたのは、戦後の混乱が収まらない上野駅前。その頃はまだ、屋台のラーメン屋でした。店舗を持つようになったきっかけは、当時の国鉄職員がくれた一言。「上野6丁目に空いている土地があるからそちらでやらないか」とすすめられたそうです。

 

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JR上野駅から御徒町駅まで、500〜600m続く上野アメ横商店街。珍々軒の赤い看板が目を引く

 

昔ながらの「ラーメン」も人気ですが、今回ご紹介したいのは「湯麺(タンメン)」。具材には、他店でよく見るキクラゲやエビを使わず、豚肉の他にはキャベツ、モヤシ、ニラ、ニンジン、タマネギと、野菜がたっぷりです。スープを口に含むと、山盛りのキャベツから染み出した旨味がじわじわ〜っ。尖った塩味がなく、まろやかで滋味深い、さっぱりした一杯に仕上がっています。

 

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スープの塩味が控えめなおかげで喉が乾きにくい。野菜の旨味に癒され、飲み干したくなる

 

麺は、ストレートの中華麺。つるっとした舌触りで、啜ると口の中で跳ねます。ほどよく絡んだスープの香りが鼻に抜け、思わずうっとり。モヤシのシャキッという音にも食欲が刺激され、箸が止まりません。

 

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ストレートの中華麺は、しっかりしたコシと風味があります

 

「チャーハン」もファンが多い一品。上質なラードで炒めているため、ほのかに甘くいい香りがして、コクも感じられます。卵の甘みが優しく、刻んだチャーシューとネギがアクセントに。コショウはあえて使わず、シンプルにまとめるのが珍々軒のこだわりです。

 

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「チャーハン」は、ラーメンスープをベースにした濃いめの醤油スープとセット

 

軒先に並んだテーブル席で、町中華を頬張るひととき。通りには多くの人が行き交い、そんな街の賑わいをBGMにして食べると、また一味違った味わいが生まれます。みんなでたくさん注文して、ワイワイ食べるのもよし。「餃子」とビールでパッと一人飲みするのもよし。お腹が膨れる頃には、きっと幸福で心も満たされるでしょう。

 

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日没後の上野アメ横商店街。店の明かりが灯り、ますます風情が増します

 

珍々軒
住所 東京都台東区上野6-12-2
営業時間 火〜金曜10:00~22:00、日曜10:00~20:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)
https://www.instagram.com/ueno_chinchinken/(外部サイトへリンクします)

 

 

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