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2024.07.09【アメ横ガード下 リズム】演歌専門店で店主の情熱に触れる

アメ横を歩いていると、どこからともなく大音量で演歌が聴こえてきます。ガード下の中央あたりに目を向けると、演歌歌手のポスターやパネルが大量に飾られた小さなお店が……。この場所で55年間、演歌のカセットテープやCD、DVDを販売する演歌専門店「リズム」です。


画像「リズム」の店頭スピーカーからは一日中大音量で演歌が流れている

 

代表取締役の小林和彦さんは87歳になる現在も奥様の美恵子さんと一緒に店に立ち、演歌の音源を求める人々の声に応えています。最近はSNSの影響もあり、日本人よりも海外からのお客様のほうが多いそうです。「たとえば三味線と尺八で演奏した音楽はないでしょうか、という問い合わせもありますよ。海外の方は和楽器の音色がお好きなんですね」

 

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店内に並ぶのは、約400種類のカセットテープやCDの数々


店が開店した昭和44年(1969年)当時は、“8(エイト)トラック”と呼ばれる、カセットテープよりも大きいサイズのものが流通していました。小林さんはお客様の要望で、この8トラックを再生するためのカーステレオを車に取り付ける作業なども行っていたそうです。

 

画像こちらが8トラックと呼ばれるカセットテープの前身。

「春日八郎ヒット・ベスト24(24曲入り)」※非売品

 

カセットテープやCDが主流になってからも小林さんは「気に入った曲は店頭のスピーカーで一日中かけ続ける」というユニークな方法で、演歌好きなお客様の心を掴み、ヒット曲や大作家を生み出すきっかけづくりに貢献していったのです。昭和から平成にかけて店は評判を呼び、大勢の歌手や作詞・作曲家が集まるようになりました。

 

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店内には有名な歌手や作家が店を訪れたときの写真がずらり

 

多くの歌手や作家と交流のあった小林さん。20年ほど前に、とあるレコード会社のディレクターから依頼され、曲を作ったことがあるそうです。奥様の美恵子さんと一緒に隅田川まで散歩しているときに生まれた「隅田川慕情」という曲は、数名の演歌歌手のアルバム曲としても収録され、その後、作曲家の岡千秋さんが歌うこととなり反響を呼びました。現在も店頭で曲が流れると「この曲はなに?」と入ってくる方がいらっしゃるほど、今では「リズム」のシンボル曲になっています。

 

画像岡千秋さんが歌う「隅田川慕情」と、今イチオシの歌手・真田ナオキさんのCDを持つ小林さん

 

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小林さんの長年の功績が讃えられ、「一般財団法人日本歌手協会 創立50周年記念 

流行歌の歩み 日本歌謡大全」でも紹介されている

 

「仕入れのポリシーは詩と曲と声だね」。まだまだ新人歌手の発掘に余念がないという小林さん。「リズム」に行けば、演歌の奥深さを知ることができるだけでなく、大好きな演歌について生き生きと語る小林さんから元気をもらえます。これからも末永く続けていただきたい上野のお店の一つですね。


アメ横ガード下 リズム
住所 東京都台東区上野6-4-12
TEL 090-4016-5613
営業時間 11:00~19:00
定休日 月曜
https://www.instagram.com/ameyokorizumu/
(外部サイトへ移動します)

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