2023.10.31「モネ 連作の情景」内覧会レポート

 

上野の森美術館では2024年1月28日(日)まで「モネ 連作の情景」が開催されています。1874年に第1回印象派展が開催されてから150年。これを記念し、国内外のモネの代表作60点以上が一堂に会します。

 

全5章で構成され、展示作品のすべてがモネ作品という点がみどころの一つである本展では、「印象派以前」の作品から「連作」に至る過程を追うことで壮大なモネの藝術の世界を体感できます。

 

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上野の森美術館の外壁

 

印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840-1926)は、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残しました。

 

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《ルーヴル河岸》1867年頃 油彩、カンヴァス 65.1×92.6cm デン・ハーグ美術館 © Kunstmuseum Den Haag - bequest Mr. and Mrs. G.L.F. Philips-van der Willigen, 1942

 

また、印象派を立ち上げる以前のモネは人物画も多く手掛けていました。《昼食》では後に結婚するカミーユと息子のジャンらが食卓を囲むプライベートな情景を、高さ230cmを超える大きなカンヴァスに描きました。希少な「モネの黒」を味わえる初期の代表作は今回が初来日となります。

 

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《昼食》1868-69年 油彩、カンヴァス 231.5×151.5cmシュテーデル美術館 © Städel Museum, Frankfurt am Main

 

1870年代から80年代にかけて、モネの作品は次第に人物画から風景画が主題となっていき、とりわけ水辺の景色を好みました。モネと仲間たちは新たなグループ展を構想し、やがて1874年春、パリで第1回印象派展が開催されます。この度の展覧会では、戸外で制作した印象派らしい多様な風景画をご覧いただけます。

 

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《ヴェトゥイユの教会》1880年 油彩、カンヴァス 50.5×61.0cm サウサンプトン市立美術館 © Southampton City Art Gallery

 

その後、最良のモデルであった妻カミーユを病気で亡くしたモネは深刻な精神的危機に陥り、ヨーロッパの各地を精力的に旅します。新たな画題を求めて各地を周ったモネのノルマンディー地方のプールヴィルの海岸を描いた作品群が並びます。

 

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《ヴェンティミーリアの眺め》1884年 油彩、カンヴァス 65.1×91.7cm グラスゴー・ライフ・ミュージアム(グラスゴー市議会委託)© CSG CIC Glasgow Museums Collection. Presented by the Trustees of the Hamilton Bequest, 1943

 

1880年代後半から1883年、モネはセーヌ川流域のジヴェルニーに定住します。やがて、自宅付近の積みわらが光を受けて刻々と変化する様子を同時進行で何枚も描くようになりました。同じ場所やテーマを異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して描き、 「連作」という革新的な表現手法により発表しました。 そして《ウォータールー橋》や《睡蓮》などの多彩なモティーフの作品が発表されました。

 

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《ウォータールー橋、ロンドン、日没》1904年 油彩、カンヴァス 65.5×92.7cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー © National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.28

 

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《睡蓮》1897-98年頃 油彩、カンヴァス 66.0×104.1cm ロサンゼルス・カウンティ美術館 Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest,M.62.8.13,photo © Museum Associates/LACMA

 

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《睡蓮の池》1918年頃 油彩、カンヴァス 131.0×197.0cm ハッソ・プラットナー・コレクション © Hasso Plattner Collection

 

移ろいゆく景色と、その全ての表情を描き留めようとしたモネの時と光に対する探究心が感じられる「連作」は、モネの画家としての芸術的精神を色濃く映し出していると言えるのかもしれません。

 

本展は海外30館以上を含む、国内外40館以上から集められた代表作を堪能できる、またとない機会となります。‟100%モネ の贅沢な展覧会をお楽しみください。"

 

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上野の森美術館「モネ 連作の情景」の様子

 

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上野の森美術館「モネ 連作の情景」の様子

 

作品を堪能した後は、ミュージアムショップへ。こちらではモネ展とコラボしたスヌーピーのぬいぐるみや、モネの作品がモティーフになったシャツ、文具、お菓子などが販売されています。こちらもぜひご覧になってくださいね。
※商品の数には限りがあります。

 

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ミュージアムショップの様子

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ミュージアムショップの様子

 

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ミュージアムショップの様子

 

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ミュージアムショップの様子

 

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ミュージアムショップの様子

 

モネ 連作の情景
会期 2023年10月20日(金)~2024年1月28日(日)
開館時間 9時~17時00分(毎週金・土・祝日は19時まで) 入館は閉館の※ 30分前ま

休館日 2023年12月31日(日)、2024年1月1日(月・祝)
会場 上野の森美術館 
料金(税込)平日(月~金)一般 2,800円/大学・専門学校・高校生 1,600円/中学・
小学生 1,000円
土・日・祝日一般 3,000円/大学生・専門学校生・高校生 1,800円/中学生・小学生
1,200円
※日時指定予約推奨。混雑時には入場をお待ちいただく場合があります。
https://www.monet2023.jp/ (外部サイトへリンクします)
お問い合わせ TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル 全日9:00~20:00)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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