「永遠の都ローマ展」が、東京都美術館で12月10日（日）まで開催されています。本展はカピトリーノ美術館の所蔵品を中心に約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介する展覧会です。

 

2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年の節目にあたります。この節目の年にローマの姉妹都市である東京で、同館のコレクションをまとめて日本で紹介するのは初の機会となります。

 

世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられるカピトリーノ美術館は、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。この場所は古代には最高神を祀る神殿が置かれ、古くからローマの歴史と文化の中心地でありました。カピトリーノ美術館の歴史は、ルネサンス期の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことに始まり、以後、古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、ローマの名家からもたらされた絵画などを収蔵してきました。

 

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館
©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

 

本展の見どころである古代彫刻の傑作《カピトリーノのヴィーナス》は日本では初公開となります。同作は、古代ギリシア最大の彫刻家プラクシテレスの作品に基づく女神像であり、ルーヴル美術館の《ミロのヴィーナス》、ウフィッツィ美術館の《メディチのヴィーナス》と並ぶ、古代ヴィーナス像の傑作として知られています。門外不出の彫刻を目にすることができる貴重な機会です。

 

 

《カピトリーノのヴィーナス》2世紀　カピトリーノ美術館蔵
東京都美術館「永遠の都ローマ展」会場

 

ローマ建国神話は、ウェルギリウスの叙事詩 『アエネイス』 のなかで、ギリシアのトロイアを脱出し、苦難の末にイタリアに上陸した勇者アイネイアスの子孫たちの歴史として語られています。そのエピソードの代表格といえるのが、軍神マルスと巫女レア・シルウィアの間に生まれた双子ロムルスとレムスを育てる牝狼の物語です。
本展では、乳を飲む双子の彫像が付け加えられた《カピトリーノの牝狼（複製）》が展示されます。同作の修復をめぐる研究成果を踏まえつつ、建国神話を表わす古代彫刻やメダルなどを通して、その表現の伝統をたどります。

 

 

《カピトリーノの牝狼（複製）》20世紀（原作は５世紀）ローマ市庁舎蔵
東京都美術館「永遠の都ローマ展」会場

 

会場には、帝国の栄華を象徴する《コンスタンティヌス帝の巨像》の一部が原寸大複製で展示されています。頭部だけで高さ約1.8メートルのスケールをもつ巨像は、カピトリーノ美術館誕生のきっかけにもなった重要な彫像の一つです。巨像の頭部や左足、左手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指の複製をあわせてご覧いただけます。

 

 

《コンスタンティヌス帝の巨像の頭部（複製）》1930年代（原作は330-37年）ローマ文明博物館蔵
東京都美術館「永遠の都ローマ展」会場

 

 

《コンスタンティヌス帝の巨像の左手（複製）》1996年（原作は330-37年）ローマ文明博物館蔵
東京都美術館「永遠の都ローマ展」会場

 

「永遠の都ローマ展」は、特設ショップも見どころが満載。サンリオの大人気キャラクター『リトルツインスターズ（キキ＆ララ）』がローマ展とコラボしたグッズは、この展覧会でしか手に入らないものなのでチェックしてくださいね。

 

 

「永遠の都ローマ展」特設ショップ

 

 

リトルツインスターズ（キキ＆ララ）とローマ展のコラボグッズ

 

 

オリジナルグッズ クリアファイル

 

 

オリジナルグッズ お風呂・サウナグッズ

 

 

オリジナルグッズ BIGトートバッグ、EVAポーチ

 

壮大なローマの歴史と芸術を知り、どのように都市が繁栄してきたのかを肌で感じることができる展覧会です。ぜひご来場ください。

 

 

東京都美術館 外観

永遠の都ローマ展
会期　2023年9月16日（土）～12月10日（日）
開室時間　9時30分～17時30分（毎週金曜9時30分～20時00分）
※いずれも入室は閉室30分前まで
会場　東京都美術館
休室日　月曜、9月19日(火)、10月10日(火)
※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室
料金（税込）当日券　一般2,200円、大学生・専門学校生1,300円、65歳以上1,500円、高校生以下無料
※平日は日時指定予約不要。土日祝のみ日時指定予約制。
https://roma2023-24.jp（外部サイトへリンクします）
問い合わせ　050-5541-8600（ハローダイヤル）