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2022.03.11東京国立博物館 特別展「空也上人と六波羅蜜寺」内覧会レポート

写実的に作り込まれ、教科書にも掲載されている《空也上人立像》をはじめ、京都・六波羅蜜寺の名宝が一堂に会する特別展「空也上人と六波羅蜜寺」。東京国立博物館で3月1日(火)から5月8日(日)まで開催されています。その内覧会の模様をレポートします。

 

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重要文化財《空也上人立像》(部分)康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

2022年は、空也上人の没後1050年に当たる年です。空也上人は疫病が蔓延していた平安時代中期に活躍した僧侶で、各地を遍歴し、「南無阿弥陀仏」ととなえれば極楽浄土に行けるという阿弥陀信仰を民衆に広めたことで知られています。また、京都にある六波羅蜜寺の前身となる寺院、西光寺も開山しました。
本展では、重要文化財である《空也上人立像》をはじめ、六波羅蜜寺が所蔵する彫刻や縁起などを展示する展覧会です。東京での《空也上人立像》の公開は半世紀ぶりとなります。

 

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展示風景より

 

六波羅蜜寺の前身、西光寺を空也が創建したのは951年、平安時代半ばのことになります。《四天王立像》は、鎌倉時代に補作された増長天を除き、西光寺の創建に合わせて造られたと伝えられています。180cm弱(広目天のみ170cm弱)の大きさがあり、重厚感に満ちた四天王です。

 

四天王に挟まれた形で配置された《薬師如来坐像》は、空也の没後、弟子である中信が造像したと伝えられています。中信は西光寺を六波羅蜜寺に改名した僧侶で、この薬師如来坐像を本尊としました。

 

 

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左2体 右2体 重要文化財《四天王立像》平安時代・10世紀(増長天のみ鎌倉時代13世紀)
中央 重要文化財《薬師如来坐像》平安時代・10世紀 いずれも京都・六波羅蜜寺蔵

 

また、六波羅蜜寺には、2体の地蔵菩薩も伝えられています。平安時代と鎌倉時代に制作されたそれぞれの菩薩像からは、時代による様式の変遷を感じ取ることができます。やわらかく華やかな印象を与える立像と、運慶による衣のひだまで繊細に作り込まれた坐像の表現の違いから歴史の流れを感じ取ってみましょう。

 

 

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重要文化財《地蔵菩薩立像》平安時代・11世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

そして、重要文化財 《伝平清盛坐像》は慶派の仏師の手によるものと考えられている像です。僧侶の姿で巻物を持つという、他の同時代の像にはないポーズです。詳細が未だにわかっていないミステリアスな像ですが、清盛の魂を鎮めるために作られたと考えられています。

 

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重要文化財 《伝平清盛坐像》鎌倉時代13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

そして、なんといっても本展の目玉は空也上人立像。透明ケースに入り、360度どこからでも鑑賞することができます。空也上人の口から飛び出した6体の阿弥陀仏は、彼が「南無阿弥陀仏」ととなえたことで、念仏の文字の数だけ阿弥陀仏が現れたという伝承を表したもの。空也上人の没後約250年後に制作されたもので、制作したのは運慶の四男、康勝と考えられています。

 

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重要文化財《空也上人立像》(部分)康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

インパクトの強い口元と阿弥陀仏に注目が行きがちですが、空也上人の体つきや、まとっている皮衣、握っている杖など、すべてが細部まで写実的に作り込まれていることもみどころ。正面だけでなく、横や後からもその姿をしっかりと見てみてください。腕に浮き出た血管や、薄いわらじなど、極めて写実的な描写に息を飲みます。

 

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重要文化財《空也上人立像》(部分)康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

 

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重要文化財《空也上人立像》(部分)康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

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重要文化財《空也上人立像》(部分)康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵

 

平安から鎌倉時代にかけての名宝を、しっかりと楽しんだあとは、お買い物も楽しみましょう。本展もオリジナルグッズが目白押しです。
なんといっても人気は《空也上人立像》の公式フィギュア! 海洋堂が制作したフィギュアは、手足に浮き出た血管や杖、6体の仏様など細部まで精巧に再現されています。

 

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「はんこ2種」各700円(税込)

 

また、展覧会オリジナルの六波羅蜜寺御朱印も手に入ります。御朱印集めをされている方はぜひチェックしてみてください。
特設ショップへご入場の際、欠品または完売している商品がある場合があります。
フィギュア「六波羅蜜寺公認 空也上人立像」の販売については、展覧会公式サイトをご確認ください。

 

 

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「特別御朱印『空也』」700円(税込)

 

とてもコンパクトな展覧会ですが、非常に濃密な空間です。この機会にたっぷりと空也上人の世界に浸ってみましょう!

 

 

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」
会期 ~2022年5月8日(日)まで開催中
開館時間 9:30~17:00
休館日 月曜日、3月22日(火) ※ただし3月21日(月・祝)、3月28日(月)、5月2日(月)は開館
観覧料(税込) 一般1,600円、大学生900円、高校生600円、中学生以下無料
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
※本展は事前予約(日時指定券)を推奨しています。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
https://kuya-rokuhara.exhibit.jp(外部サイトへ移動します)

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