2018.02.24第二弾モノづくりから上野を知る!その7

上野の魅力をモノづくりの側面から知るべく、台東区のモノづくりに精通する方々にお話をお伺いに行きました。
7回目は、『zaziquo(ザジコ)』の清水えり子さんにお話を伺いました。

 

<山口>『zaziquo(ザジコ)』のブランドについて教えてください。
<清水さん>元々はファッションブランドではなく、美大生の時に刺し子と絵を使ったアート作品を作っていました。その時はこれをビジネスにするというつもりはなかったのですが、だんだんと自分の作品を好きになってくださる方が増えてきて、アート作品としてではなく、商品にして展開してみては?というお話をいただくきっかけがあり、在学中にブランドをスタートしました。

 

<山口>どこで刺し子と出会ったんですか?
<清水さん>刺し子との出会いは大学生の時です。テキスタイルデザイン専攻で布を染めたり、刺繍をしたりして作品を作っていました。縫うという行為が元々好きで、刺し子は鉛筆で線を描くような単純なことで誰にでもできるような行為でありながら、本当にたくさん寄り集まった時にものすごい迫力を出せるところに魅力を感じます。
刺し子は強度を高める目的でしばしば使われますが、私は過剰装飾の意味合いで刺し子を使っています。
手芸的な表現方法ですが、それをファッションブランドとして昇華させていきたいです。ブランド名は刺し子をもじって『zaziquo』にしました。

 

「刺繍と絵の組み合わせが得意です!」

 

今回『上野が、すき。ステーション』では私がデザイン提供しているブランド「I Eye's」のお財布を持っていきます。現在10柄以上出ていて、I Eye'sのオンラインストアで購入できます。zaziquoの商品は、直営onlinestoreと現在卸しているお店の店頭でご覧頂けます。

 

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色使い特徴の「小銭入れ」「長財布」

 

<山口>『zaziquo』だけではなくデザイナーとして他のブランドにも関わっているんですね。
自分のブランドだけでなく、他のブランドにも携わっており多忙ですね。
<清水さん>私の表現したいことがより多くの方に届けられてありがたい機会だと思っています。
今後も続けたいです。

 

<山口>ところで、『I Eye‘s』とはどのような形で知り合ったのですか。
<清水さん>渋谷パルコの『ミツカルストア』に出店していた時に『I Eye’s』も出店していて『I Eye`s』が新しいデザイナーを探していました。そこで出会いました。
パルコさんとは現在もオンラインショップでの販売や青山のミツカルストアでもイベントをさせて頂いたりしています。

 

<山口>『zaziquo』についてもう少しお話を聞かせてください!
<清水さん>デザビレに入る直前にブランドをリニューアルしました。
『zaziquo』の前は、zazi』という屋号で活動しており、 全て自分とアシスタントで、プリントも刺し子も手作業で作っていました。たくさんオーダーを頂く中で生産体制を整えるのが難しく、私自身がずっと縫っているので新しいことを計画する時間も取れず、もどかしい思いもまま前に進んでいました。
そんな理由で2016年にzaziquoにリニューアルをして、自分たちでゼロから作り上げる1点物のアートピースと、たくさんの方に楽しんでもらえる工場生産のものと、両方のラインナップに商品構成を変えました。自力でリニューアルまではしたものの、それに伴い発生する雑務、資金繰り、展示会の準備、、など本当に大変で、そのタイミングでデザビレに入り、ブランドを経営することについてこの1年は向き合ったと思います。鈴木村長が、デザビレに入ることで手作り作家から経営者の卵になる、とおっしゃっていたのですがその意味がわかった気がします。
今は自分の手作業から始まった小さな世界をどうやって広げて行くかについて考えています。
ミシン刺繍もそうですし、国内には素晴らしい工場があって、その技術を生かしながら、やっぱり自分で作るのが好きなので、自分の手も動かしながら、物作りをしていきたいです。
インドやネパールなどでの刺し子の量産にも興味があって、自分にしか作れない手作業と、職人さんや工場の技術を駆使してzaziquoの世界をもっと広げていきたいです。
お客様に手に取ってもらいたいし、私が作りたいものも作りたいし、そのバランスを考えながら自分のやりたいことをやり続けたいです。

 

<山口>ところでデザビレはどこでお知りになったのですか。
<清水さん>デザビレを知ったのは10年位前にデザビレに入居していた靴下ブランドの『Ayame'』さんにインターンとアルバイトでお世話になっていた時です。ブランドを始めたのはその後ですが、 『Ayame'』のデザイナーさんに「デザビレ入ってみれば?」と言って頂いたこともあり、
元々アトリエとして借りていた部屋を出ることになった時にデザビレの募集を思い出し、エントリーして入居しました。たしか締め切りの 1週間くらい前だったと思います。そのタイミングにも縁を感じて、大急ぎで今までの活動をまとめたポートフォリオ作って。かなり一極集中ですけど笑、頑張って
。なんとか入居できました。

 

<山口>すごいタイミングで思い出されたんですね。入居されてどうでした?
<清水さん>お世話になっている工場がいくつかたまたま近い距離で、仕事の上でとても活動しやすい場所でした。材料屋さんも多いエリアだし、物作りするには良い場所だと思います。

 

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絵と刺繍が特徴

 

【編集後記】
ブランドの数年先をイメージしながら、そこに到達するためにどうすればいいのかということに真剣に向き合っているという印象を強く持ちました。今後の活躍に注目したいです。

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