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2026.10.20【上野の森美術館】「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」内覧会レポート

現在、上野の森美術館で開催中の「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」。シンシナティ美術館は、1881年にアメリカの都市・シンシナティで創立された、国内で最も古い歴史を持つ美術館の一つです。収蔵品は、街を愛する市民たちが「自分たちの街に本物の文化を根付かせたい」という思いから、少しずつ資金を持ち寄り、作り上げたコレクション。今回、海を渡ってやってきた作品は、ファン・ゴッホ、セザンヌ、モネをはじめとするヨーロッパの傑作84点です。

 

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「序章/芸術家の姿」に展示されているジョゼフ・シナール《諸芸術の寓意としての女性像》1800〜10年頃

 シンシナティ美術館

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「序章/芸術家の姿」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

展示は「序章」「伝統」「革命」「モダニズム」の4章立て。順を追って見ていくと、時代が経つにつれ画題に選ばれる物事が移り変わり、様式が変化していくのがわかるような構成になっています。

最初に迎えてくれるのは、芸術的創造を象徴する4人(画家、作曲家、彫刻家、詩人)の肖像。19世紀から第一次世界大戦前夜まで、近代美術を巡る旅へと導いてくれます。

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「伝統/アカデミー」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

「アカデミー」「フランスの風景画」「レアリスム」の3つで構成されている2章「伝統」。まず「アカデミー」には、19世紀以降にヨーロッパ全土で権威を振るった美術アカデミーの絵画が並んでいます。その多くは、当時画題として最も格が高いとされていた宗教や古典の歴史が描かれていて、筆跡の見えないなめらかなタッチが見どころ。その一方で、中世や同時代の物事からインスピレーションを得た、中東や日本など海外をテーマにした絵画も人気だったようです。

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「伝統/フランスの風景画」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「伝統/レアリスム」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

「フランスの風景画」で焦点が当たっているのは、自然主義的な視点から風景を描いたバルビゾン派。自然の光の効果を強調した包み込むような風景画で、アカデミーとは対象的な、下描きの跡をあらわにして芸術の過程を見せるような作風に興味を引かれます。

労働者の日常を描いた「レアリスム」には、アカデミー絵画の規範を拒絶する芸術家もいたよう。その中で国民的価値観を体現した、ジャン=フランソワ・ミレー、ジュール・ブルトン、ファン・ゴッホの作品もここで観ることができます。

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「革命/反逆者たち」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

3章「革命」には、19世紀半ばのフランスで、美術界の主流派と対極にいた「反逆の芸術家」たちが集結。近代美術の道を切り開いたのは、彼らだったといいます。ギュスターヴ・クールベの作品は、パレットナイフを使ってカンヴァスの上で絵の具を斑模様にしたり、削ったり、彫刻的に盛り上げるなど、じっくり鑑賞してみると発見があっておもしろい。クールベはセザンヌやファン・ゴッホからも賞賛され、影響を与えたのだとか。

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「革命/印象派」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

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「ポスト印象派」に展示されたフィンセント・ファン・ゴッホ《ポプラ林の中の二人》1890年

 シンシナティ美術館

 

代表的な画家としてルノアールやピサロ、シスレー、モネがいる「印象派」。一つのジャンルとして取り上げられることが多いですが、実際に見比べてみると、アカデミックな伝統を否定する立場は同じでも、構図や技法はそれぞれ異なるとよくわかります。

「ポスト印象派」として名前が挙がるファン・ゴッホの《ポプラ林の中の二人》は、彼が亡くなる直前に完成させた作品の一つ。弟のテオに宛てた手紙に、縦50cm×横1mというめずらしいサイズのキャンバスに取り掛かり始めたと記されています。

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「モダニズム/表現主義」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

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「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」の

「モダニズム/抽象」展示風景、上野の森美術館、2026年

 

20世紀になると、パリやドイツで活動する芸術家たちが新しい様式を確立。3章「モダニズム」では「表現主義」「抽象」と題して、画家たちの斬新な試みを紹介しています。色彩を抽象的に用いることで、感情豊かに自らの内面を表現したのが表現主義の芸術家たち。

さらに、キュビスム、デ・ステイル、シュルレアリスムといった芸術運動を通して、ピカソやファン・グリフ、テオ・ファン・ドゥールブルフなど芸術家たちが、抽象への道を理論化し、体系化していったようです。

 

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「モダニズム/具象」に展示されたフェルディナント・ホドラー《聖なる時間》1907〜11年頃

 シンシナティ美術館

 

展示の最後を飾るのは、「モダニズム」のもう一つの側面である「具象」。20世紀の初め、表現主義や抽象的なものが広まるのと同時に、スイス、フランス、イタリア、ドイツのモダン・アーティストにとって具象表現は重要な手段でした。縦2m×横1.8mを超える大画面作品は、フェルディナント・ホドラー《聖なる時間》。スポーツ選手かバレエの踊り手のような人物が描かれ、その表情は神秘的な精神性を暗示しているとされています。

 

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展示にちなんだオリジナルグッズが充実。特設ショップで販売

 

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本展限定デザインの「ゴッホあみぐるみキーハンガー」3,300円(税込)

 

鑑賞後は、特設ショップへ。作品にちなんだ会場限定のオリジナルグッズが豊富に揃っています。来館記念はもちろん、上野みやげにもぴったり。ぜひチェックしてみてください!

 

「シンシナティ美術館展〜アメリカに渡ったヨーロッパの至宝〜」

会期 開催中~2027年1月10日(日)

会場 上野の森美術館

住所 東京都台東区上野公園1-2

開室時間 10:00~17:00(最終入館は閉館の30分前まで)

休室日  無休(12/31、1/1も休まず開館)

観覧料  一般 2,400円、高校・専門。大学生 1,500円、小中学生 800円 ※未就学児無料 ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者1名は当日料金の半額

お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

展覧会公式サイト https://www.cincinnati-art2026.jp(外部サイトへ移動します)

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