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2019.10.25世界中から貴重な作品が集結した「ゴッホ展」展覧会レポート

27歳で画家になることを決意し、それからわずか10年でその生涯を終えたフィンセント・ファン・ゴッホ。
本展覧会では、ゴッホの作風に多大な影響を与えた「ハーグ派」と「印象派」の2つの出会いを軸に構成されています。
さらに、ハーグ派の作品を多数所蔵するオランダ・ハーグ美術館館長の監修のもと、世界中から作品を借用し、いままで紹介される機会が少なかった作品もお目見え。

 

ゴッホは画家を志してから、ジャン=フランソワ・ミレーなどの巨匠たちの作品を独学で模写していたものの、オランダの都市ハーグへ移住し、最初で最後の師となるバーグ派のアントン・マウフェに絵の基礎を学んだといいます。
展覧会の第一部では、その頃のゴッホやハーグ派の画家たちの作品が並びます。

 

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オランダらしい風景や農民たちを主題にし、光がやわらかく、くすんだ色調はハーグ派の特徴で、ゴッホの後期と比べると正反対といえる作風。
貧しい人たちへ心を寄せ、伝道師として救済したいと志した過去があるゴッホにとって、絵を通してその想いを昇華しているかのよう。
オランダのハーグへ移住して農民画家を目指したゴッホの、2年間におよんだハーグ時代の集大成である「ジャガイモを食べる人々」のリトグラフも展示されています。

 

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フィンセント・ファン・ゴッホ 《ジャガイモを食べる人々》 1885年4-5月
ハーグ美術館 c Kunstmuseum Den Haag

 

そして2年後、弟のテオの元へ移住し印象派との出会いをきっかけに、光や色彩を取り入れていきました。
パリで出会った数々の作品はそれまでの価値観を覆し、カミーユ・ピサロやアルマン・ギヨマンらと交流。
クロード・モネにも感銘を受け、さらに画材店の店主の"タンギー爺さん"を通して、ポスト印象派として同世代のポール・セザンヌの作品にもふれていたといいます。

 

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ポール・セザンヌ 《オワーズ河岸の風景》 1873-74年
モナコ王宮コレクション c Reprod. G. Moufflet/Archives du Palais de Monaco

 

展覧会第二部では、それらの印象派たちの作品と、印象派を通して独自の表現方法を切り開いていったゴッホの作品が並びます。
パリに来てすぐの頃はまだハーグ派の作風が残っていますが、南仏のアルルに移住してからは強い光と特有の植物を気に入り、吸収してきた印象派の技法が開花。

 

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芸術家の共同体を目指したゴーギャンとの共同生活や、自身の精神的な病気を経て、数々の名作が誕生しました。
病に伏してもなお制作し続け、自身の表現を探求していったゴッホ。
強烈なタッチで観る者を圧倒させる「糸杉」、自分だけの主題として確立を試みた「オリーヴを摘む人々」、あふれるように咲き誇る「薔薇」などの大作は見ものです。

 

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フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉》 1889年6月 メトロポリタン美術館
Image copyright c The Metropolitan Museum of Art.
Image source: Art Resource, NY

 

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フィンセント・ファン・ゴッホ 《薔薇》 1890年5月 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
c National Gallery of Art, Washington
Gift of Pamela Harriman in memory of W. Averell Harriman

 

展覧会を観終えたら、オリジナルやコラボアイテムが販売されているグッズ売り場へ。
オリジナルのクリアファイルやポストカード、マグカップやクロスなど種類豊富に用意。

 

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ゴッホに扮したスヌーピーや原作マンガを使用した、可愛らしい文具や雑貨なども多数並びます。

 

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また、PARCOプロデュースのもと人気イラストレーター塩川いづみさんがゴッホの自画像を描き下ろしたアイテムも。

 

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会場限定品も多数。数あるなかから、お気に入りをぜひ見つけてください。

 

ゴッホ展
■2019年10月11日(金)~2020年1月13日(月・祝)
■開館時間 9:30?17:00(金曜、土曜は20:00まで開館) ※最終入場はそれぞれ閉館30分前まで
■会場 上野の森美術館
■休館日 12月31日(火)、1月1日(水・祝)
■料金 一般1,800円/大学・専門学校・高校生1,600円/中学・小学生1,000円
■公式サイト https://go-go-gogh.jp/(外部サイトにリンクします)

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