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2023.01.31東京都美術館 特別展「エゴン・シーレ展」内覧会レポート

「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が、東京都美術館で1月26日(木)より開幕しました。国内では約30年ぶりとなる大回顧展です。その内覧会の模様をレポートします。

 

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エゴン・シーレ《ほおずきの実のある自画像》1912年 レオポルド美術館蔵

 

エゴン・シーレは1890年生まれ。幼少期から絵の才能が認められ、わずか16歳にして、史上最年少でウィーン美術アカデミーへ入学を許されます。17歳のときには、当時からすでに巨匠であったグスタフ・クリムトに出会い、その才能を認められました。

 

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展覧会会場

 

シーレは保守的な美術学校の教育に我慢ができず、退学して友人たちと「新芸術家集団」を立ち上げ、精力的に活動。数々のスキャンダラスな騒動を起こしつつも、その名声は確固な物となっていきました。1915年には、妻のエディットと結婚しますが、すぐに徴兵。戦地より戻ってからは精力的に美術展に参加するものの、スペイン風邪により1918年、わずか28歳でこの世を去ってしまうのです。

 

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《レオポルト・ツィハチェックの肖像》1907年 豊田市美術館蔵

 

展覧会の冒頭に登場するのは、シーレの17歳のときの作品《レオポルト・ツィハチェックの肖像》。シーレの父が死去した後、彼の父親代わりになった叔父の肖像画です。ツィハチェックはシーレが美術の道に進むことを反対したものの、ウィーン美術アカデミーに合格したことを知ると、一変して応援することとなります。とはいうものの、学校を中退してしまったり、破天荒な生き方をするシーレにあきれてしまい、シーレが20歳のときに、ツィハチェックは後見人の座を降りてしまいます。

 

展覧会は、シーレの作品約50点に加え、当時のウィーンで活躍していた画家の作品も数多く展示。時代ごとに全14章のテーマでシーレや当時のウィーンの美術界を追って行きます。
クリムトや、コロマン・モーザー、ゲルストルそしてココシュカなど、魅力的な作品がずらり。それぞれ個性的ですが、作品を見ていると、ほんの一瞬だけ色使いであったり、構図であったりなど、共通点を感じるときがあります。そのほんの少しの共通点が「その当時のウィーンらしさ」なのかもしれません。

 

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グスタフ・クリムト《シェーンブルン庭園風景》1916年 レオポルド美術館寄託(個人蔵)

 

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コロマン・モーザー《洞窟のヴィーナス》1914年 レオポルト美術館蔵

 

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リヒャルト・ゲルストル《半裸の自画像》1902/04年 レオポルド美術館蔵

 

そして、シーレの作品です。《ほおずきの実のある自画像》は、シーレの自画像のなかでもっとも有名な作品。この作品はじつは2枚組で、もう1枚の絵には当時の恋人の絵が描かれていたそう。不安げにも、挑発的にも見える、多感な画家の内面が現れているように見えます。シーレは数多くの自画像を描き、自分のアイデンティティを探求し続けました。

 

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エゴン・シーレ《ほおずきの実のある自画像》1912年 レオポルド美術館蔵

 

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エゴン・シーレ《装飾的な背景の前に置かれた様式化された花》1908年 レオポルド美術館蔵

 

《装飾的な背景の前に置かれた様式化された花》は、クリムトと出会い影響を受けた直後の作品です。背景に金や銀をあしらう手法は、クリムトが多用したもの。大作家の影響を強く受けていながらも、シーレらしさがにじみ出ている作品は、18歳のときの作品。

 

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エゴン・シーレ《母と二人の子どもⅡ》1915年 レオポルド美術館蔵

 

亡くなったキリストを抱くマリアの姿を描く「ピエタ」という、古典的な構図を用いた作品。赤ちゃんのおくるみだけがとても色鮮やかなところが非常に印象的です。

 

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エゴン・シーレ《モルダウ河畔のクルマウ(小さな町IV)》1914年 レオポルド美術館蔵

 

長年連れ添った恋人、ヴァリー・ノイツェルや

 

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エゴン・シーレ《悲しみの女》1912年 レオポルド美術館蔵

 

そのヴァリー・ノイツェルと別れて、結婚した妻のエディットなど、さまざまなジャンルの作品が展示されています。

 

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エゴン・シーレ《縞模様のドレスを着て座るエーディト・シーレ》1915年 レオポルド美術館蔵

 

28年という短い生涯でありながら、多数の作品を残したシーレ、そしてシーレを取り巻いたウィーンの芸術家たち、どの作品もとてつもなく濃密です。時間に余裕を持った鑑賞をおすすめします。

 

そして、今回もミュージアムショップが見逃せません。目に留まったのはエゴン・シーレが描いた赤ちゃんや、妻をワンポイント刺繍にしたジャガードソックス。

 

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どこかいとおしい赤ちゃん「展覧会オリジナルジャガードソックス」各2,420円(税込)

 

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エゴン・シーレの妻、エディット「展覧会オリジナルジャガードソックス」各2,420円(税込)

 

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靴下の柄はモデルが着用している服に合わせたもの

 

そしてカップの内側に絵柄がプリントされたカラーマグなど、かわいらしいものばかり。もちろん、定番のクリアファイルや絵葉書も充実しています。

 

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「展覧会オリジナル カラーマグ」 各1,980円(税込)

 

本展覧会、2月9日までは大学生、専門学校生は入場無料です。激動のウィーンを駆け抜けていった若き天才、エゴン・シーレ。久しぶりの大回顧展となる貴重なこの機会をお見逃しなく!

 

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才
会期 2023年1月26日 (木) ~ 4月9日 (日)
開室時間 9:30~17:30(金曜は20:00まで) ※入室は閉室の30分前まで
会場 東京都美術館
休室日 月曜
観覧料(税込) 一般2,200円、大学・専門学校生1,300円、65歳以上1,500円
※大学生・専門学校生は、1月26日(木)~2月9日(木)に限り無料。公式チケットサイトにて日時指定予約が必要。
※小学生・中学生・18歳以下(2004年4月2日以降生まれ)は無料、公式チケットサイトて日時指定予約が必要。
※本展は日時指定制です。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください
https://www.egonschiele2023.jp/(外部サイトへリンクします)
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

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