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2018.03.29第二弾モノづくりから上野を知る!その15

上野の魅力をモノづくりの側面から知るべく、台東区のモノづくりに精通する方々にお話をお伺いに行きました。15回目は、『JISHAQMEN(ジシャクメン)』の杉浦さんと野口さんにお話を伺いました。

 

<山口>『JISHAQMEN(ジシャクメン)』について教えてください。

 

<杉浦さん・野口さん>私たちは人と人・地域と地域・国と国をつなげ、そのつながりから様々なクリエーションを遂行するユニットで「つなげる」をコンセプトにスタートました。
私達『JISHAQMEN』のスタートは、仕事の依頼をいただいたところから始まりました。その時は、まだ名前すら決まっておらず、その仕事をする過程で、今後の活動のコンセプトが徐々に固まってきました。仕事を通して私達に何が求められているのか、そして何をするべきかを構築していったような気がします。
私達は二人とも世界一周を経験しており、世界一周中に各国のお店に壁画を描いてました。するとその壁画がきっかけで、SNSを通して遠くは慣れた国と国のお店がコンタクトを取りはじめました。日本にいて外国と聞くと遠い感じがしますが、そんなことはありませんでした。ちょっとしたことでもつながっていけるという感覚がありました。それが「つなげる」をコンセプトにしたきっかけのひとつです。私達はモノづくりを通して「つながる」きっかけを生み出していきたいですね。

 

<山口>別々に世界一周をされてたんですね。
<野口さん>私は家族で回っていたので、奥さんと子供も一緒でした。飛行機を乗り継ぐことができる世界一周のチケットがあって、バッグパッカーのようなスタイルで、その日に宿を探して次にどこへ行こうか決めて回っていました。

 

<杉浦さん・野口さん>そのような経験をしたからこそモノがあって、何かの共通点で周りにいる人がつながっていけたら素晴らしいなと思いました。
例えば、それはライブペイントかもしれません。見に来てくださった方々が「つながる」など、それが私たちのコンセプトになりました。我々がやっていることは大きな2軸があります。

 

・デザインワーク
・アートワーク

 

この2軸を交差させていきたいと考えています。完全に分けてしまうのではなく、合わせることで特徴が出せるのではないかと考えていて、今年はこれを意識していきたいと思っています。

 

<山口>「つなげる」という意味でユニット名が決まったのですか。
<杉浦さん・野口さん>結構悩んで決めました。先程もお話ししたのですが、先に仕事が入ってきていて、何社かお話をしているときにまだ名前も決まっておらず名刺もありませんでした。二人で今のように活動することもちゃんと話していなかったです(笑)。さすがに名刺が無いのはいけないとなってユニット名を真剣に考え始めました。『磁石』という言葉が先に出てきました。色々なものつなげる磁力のようなことがしたいという想いからジシャクを想像しましたが、そこに関わってくれる人達も含めて実行しているという理由から、複数形である「men」にしました。また、後付けですが「スギウラ」のSと「ノグチ」のNでS極N極だったのもあります(笑)。だから『JISHAQMEN』というユニット名になりました。今ある単語を使うのではなく、ゼロから考えたものにしたかったです。

 

<山口>今年は最終年なので卒業に向けてやろうと思っていることはあるのですか。
<杉浦さん・野口さん>まずは広報部門を確立します。また、我々の絵の価値を高めていきたいです。原画の依頼もくるのですが、我々は原画販売をしていません。絵の場合、誰がかいているかで価値が決まるので、期待に応えられるように、知名度を上げる活動もしようと考えています。今まで我々はオファーをいただいて絵を描いていました。だから、原画をお渡しするのではなくその絵を使ってTシャツやバッグなどに使っていました。

 

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作品名『SMILE』 世界中を笑顔にというコンセプト

 

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作品名『WORLD MAP』、テーマ「世界一周旅行」

 

<山口>では、活動の幅を拡げていかれるのですね。デザイナーズビレッジについて元々知っていたのですか。
<杉浦さん・野口さん>これも活動のきっかけになったことですが、モノづくりのポータルサイトをつくりたいねとお互いに話していました。
<野口さん>私がモノづくりが好きなのと、この辺が盛り上がってきているなという感覚があったからです。それで一緒に見に行こうとなりこの街へ訪れました。2K540辺りから歩いてこの辺まで来ました。
その時に偶然デザイナーズビレッジの前を通って、建物を見てオフィスっぽいなと思いましたが、学校が持つ独特な雰囲気に魅了され、ここで働きたいと強く思うようになりました。ただ、その時はどのようにすればここへ入れるのかも分からないし、存在を知るだけで終わってしましました。その後、杉浦さんの家で作品をつくる機会があって、野口さんと杉浦さんの家で徹夜の作業中に、「あの時の施設はどういう場所なんだろうね」という話が出て検索をすると数日後に説明会があると出ていて、申し込みをしました。その説明会でデザイナーズビレッジについて知りました。説明会へ行ったら本当に魅力的で、タイミング的にもちょうど事務所がほしかった時なので受けてみることにして入居することになりました。この街に引っ張られた感覚があり、運命的なものを感じました。こんな感じでいろいろな偶然が重なり『JISHAQMEN』は誕生しました。

 

<山口>入居されてデザイナーズビレッジは、どうですか。
<杉浦さん・野口さん>人との出会いが増えました。またこの地域が、ここまでものづくりの盛んな地域と知らなかったので、そこに関わる方とも知り合えて本当によかったです。モノマチについても全然知りませんでした。しかし今は、実行委員会をやっています。去年のモノマチのパンフレットなどは私たちがつくりました。

 

<山口>今回展開される商品について教えてください。
<杉浦さん・野口さん>特徴は日付で検索できるように角を斜めにカットしています。表紙のデザインも日付を表す『/(スラッシュ)』にしています。毎日を刻んでいこうというコンセプトでデザインしました。日付を描くことであの日何をしたなということをすぐに思い出せるようにと考えています。こちらのノートは四角形が特徴的で、日本の伝統色を使っています。まだこちらの商品は、正式な販売をしていないです。2月にようやく出来上がってきたところです。

 

 

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2種のJISHAQMENオリジナルのノート

 

編集後記
インタビューをしてお二人の印象は視座が高く広い視野で物事を捉えている印象がありました。現在の活動に至るまでに様々な活動と偶然が結びついていることが大変面白く、作品にも反映されているようでした。お二人の人柄が多くのモノを今後つなげていくと思いますので、大注目です。

 

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