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2017.10.21第二弾 モノづくりから上野を知る!その2

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ASAKUSA MADE 浅草店の店内?

 

上野の魅力をモノづくりの側面から知るべく、台東区のモノづくりに深く精通する方々にお話を伺う企画の第二弾がスタートしました!
第二弾は、実際に上野やその周辺にお店を持ち、活躍されている方を中心に、ご紹介したいと思います。
2回目は、ASAKUSA MADE/株式会社DMBの代表である山本賢明さんのインタビューをご紹介します。

 

 

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ASAKUSA MADE/?MDMB 代表 山本賢明さん

 

<佐藤>山本さんは「浅草ものづくり工房」の卒業生と聞きましたが?
<山本>学生時代から起業したいと思っていましたが、その夢は、就職してから更に大きくなりました。
しかし、起業するとなると業種を決めないといけません。自分の場合は、流行の業種と自分が好きな業種の2つで悩みました。前者がIT、後者がファッションだったのですが、どちらも簡単ではないだろうと思いました。であれば、好きなほうがというのが、自分の結論!悩んだ末にファッション業界で起業することに決めました。
アパレルではなく、雑貨類としたのは、在庫の問題!アパレルは、サイズがある分、在庫量が多く、それがリスクになる。一方で、バッグは、サイズ対応はない。そんな考えから、いまの仕事で起業する決心をしました。
働きながらバッグクラフトマスタースクールに通い、その後、先ほどお話にでた「浅草ものづくり工房(以下、「モノコボ」略)」に入居しました。
卒業後は、「モノコボ」の近くに、皮革製品ブランド「ASAKUSA MADE」をオープンさせました。

 

 

<佐藤>社会人になられてから、学校に入り起業をした。大変だったと思いますが、「こんなはずでは!」と思った瞬間はありましたか?
<山本>起業したばかりの頃は、マーケティングやブランディングも考えましたが、商品になると、それを忘れて、自分がつくりたいモノばかりをつくっていました。
ニッチかもしれないが、自分と趣味や思考が一緒の方は、必ずいるという仮説からですが、まったく売れませんでした。
商売にならないので「モノコボ」の入居者やマネージャーにも相談をしました。
そうすうと、あるベテランマネージャーから「もう少しお客様の声を真摯に受け入れたら?」といわれました。
そこから、ちょっとスタイルを変えてみたのですよ・・・、そうすると、少しずつ商品が動きはじめた。
それからですかね~、お客様とお話して、ニーズを聞き出し、それをすばやく商品に反映する、現状のビジネススタイルが徐々に見えはじめたのは!?
今思うと、それまでつくってきたのは商品ではなく作品、でも、お客様が、欲しいのは作品ではなく商品。
デザインが優れているのは良いのですが、日常で使うなら、やはり軽いほうがいい。これがお客様からいただいた多くの声、まずはそれを積極的に商品へ取り入れました。
また、お客様の声には終わりがありません。次に発せられるお客様の声も、商品に反映しアップデイトする。この繰り返しが、今の商品になっていると思います。

 

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ASAKUSA MADEの浅草店の様子

 

<佐藤>「モノコボ」の存在は大きかったですね!
<山本>僕は、経験が浅かったこともあり、業界の常識をあまり知らなかった。その点では、他の方と比較して、既成概念には縛られない方であったと思います。
一方で、技術を見につけたとしても、原材料調達のルートなど、業界独自の商流はまったく知りませんでした。
しかし、偶然、浅草にある「モノコボ」に入居したのが縁で、その原料調達ルートや先輩方の技術に出会うことができました。
「モノコボ」に入居していなかったら、もっと苦労していたと思います。
自分は、このような施設があって、本当に良かったと思っています。

 

<佐藤>浅草のお隣、上野については、どんな印象を持たれていますか?
<山本>僕は、千葉県市川の出身なので、学生時代は、アメ横へよく行きました。高校時代からファッションにすごく興味があったので、アメ横では、アクセサリーをみたり、靴を買ったりしました。
社会人になり、起業してからは、目を鍛えることが大切と、「モノコボ」のマネージャーにいわれたので、美術館や博物館などへ行くようになりました。

 

<佐藤>開業時にお願いしたパンダモチーフの商品について、一言お願いします。
<山本>上野といえば、パンダ!なので、パンダをモチーフに商品をつくることは、上野らしさを出すためには必要だと思っています。
コミュニティサイト「上野が、すき。」のテキストを職人と一緒に読んだのですが、パンダ好きは、大きなバッグに大きなプリントよりも、小物に可愛くプリントした方が喜ぶのではないかとの意見にまとまりました。
まだ、商品にはなっていませんが、お客様に「これ!」といわれる商品をつくりたいと思います。

 

 

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ASAKUSA MADEが展開する商品

 

<佐藤>最後に、一言お願いします。
<山本>台東区は、皮革製品など古くから日本のモノづくりを支えてきました。
自分たちは、この文化を未来に継承するだけではなく、逆に世界へ伝えるぐらいの貢献ができればと思っています。
それには、既成概念に縛られない、新たなチャレンジが必要です。具体的なことは、これからですが、そんなことができる、小さなSPAになりたいと思います。

 

ASAKUSA MADE/MDMB
代表  山本賢明さん

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