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2017.03.21Special Interview「古の長者町と上野御徒町」⑤

[第5回:パンダ広場から広がる、上野・御徒町の未来]


●上野地区町会連合会常任理事 長者町二丁目町会会長 鴨下 守さん ●聞き手 佐藤 輝光(松坂屋上野店)

JR御徒町駅前のパンダ広場は、上野の山とアメ横、御徒町を結ぶ導線を築く上で、人を集めるさまざまな可能性を持った場所です。パンダ広場と上野・御徒町の今後について、長者町二丁目町会会長・鴨下守さんに伺いました。

 

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■下町としての上野・御徒町の魅力

 

鴨下:パンダ広場をいい形で人が集まる場所にしていきたいと考えています。御徒町の駅前ですからね。上野公園があってアメ横があって、今年の11月に松坂屋さんの新南館とパルコがオープンすれば、パンダ広場を含めたこの一帯がトライアングルで回遊できるようになります。さらに秋葉原方面のJR高架下にはモノづくりの「2k540 AKI-OKA ARTISAN」があるので、そこからも人が流れてくるようにしたい。中央通りも、秋葉原からの動線になります。今までは、上野の山の文化施設や上野公園に来た人は、アメ横があっても、そのまま帰ってしまった。それを何とか、こちら側に引き寄せたいと思っていました。

 

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新たな商業施設誕生(予定図)

 

新しい商業施設ができることで御徒町に呼び込むための動線ができる。その呼び水となる場所が、パンダ広場だと思います。もちろん広場があるだけではだめで、そこで毎週末、イベントが開かれていれば、相乗効果で足を運ぶ人が増えるはずです。

 

 

佐藤:ハロウィンの時も、パンダ広場は大盛況でしたね。

 

鴨下:ハロウィンは渋谷や六本木でも開催していますが、上野が他と大きく違うのは、お子さんや家族連れが多かったこと。昨年はパンダ広場にステージを設置して、「上野御徒町ハロウィンパーティー」を開催しました。大勢の仮装した子供や家族連れが上野公園から中央通りを通って、ここまでパレードをして広場に集まり、とても御徒町らしいイベントになりました。大成功ですよ。今後も上野のイベントの一つとして育てていければと思います。

 

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上野御徒町ハロウィンパーティー

 

このパンダ広場の存在は大きいと思いますよ。上野というのは、下町らしい雰囲気があるのがいい。三社祭、鳥越祭、下谷神社大祭、五條天神社例大祭、湯島天満宮例大祭、湯島天神梅祭り、そして神田祭を入れれば、7つの祭りがあって、古くからの伝統や街の絆みたいなものが感じられる。何もかもが新しいわけではない。やはり上野・御徒町というのは下町なんだと思います。せっかくこういうものが残っているのですから、伝統をしっかり見せる、下町らしさを出す、そこに新しいものを取り入れていく。そういうことが、これからは求められていくと思います。

 

 

 


■新たな商業施設ができると、何が変わるか

 

佐藤:松坂屋の新南館も、着々と準備が進んでいます。 

 

鴨下:私たちも、とても楽しみです。上野は世界遺産のある街で、文化と歴史があり、公園があって、そこから降りてくるとアメ横があって、パンダ広場がある。そこに新たな商業施設ができることで、上野から御徒町に人の流れを引き寄せることができるのではないかと考えています。上野公園や文化施設、上野動物園へ行って、山から下りてきて、ショッピングや映画やイベントで街を楽しんで、最後は御徒町から帰る。そういうルートがベストです。そしてもう一つが、秋葉原の高架下から御徒町に来るルート。これらのルートからの流れをパンダ広場にすべて集約できるようになれば理想だと思います。

 

 

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御徒町パンダ広場

 

最近は、外国からの観光客も多くなっていて、パンダ広場に朝10時くらいに集合して、ここから近隣の散策に出かけていきます。待ち合わせ場所としても、松坂屋さんがあってわかりやすいし、馴染みの場所として浸透していってほしいと思います。上野の山と不忍池、アメ横、松坂屋新南館、パルコがあって人の流れが循環する。桜の季節は、特にいい。これからはこちらにもどんどん人が流れてくるようになると思います。

(おわり)

 

 

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