2015.03.11Special Interview「上野の魅力と未来像」③

[第3回:上野東京ライン開業で、広がる可能性]
●上野観光連盟会長 二木 忠男さん
●上野観光連盟事務総長 茅野 雅弘さん
●聞き手 佐藤 輝光(松坂屋上野店)

 

2015年3月14日(土)の上野東京ライン開業により、観光の街として大きな転換点を迎える、上野。多彩な観光資源を持つ上野の魅力を、どのようにアピールし伝えていくのか、上野の新たな可能性について、上野観光連盟会長の二木忠男さんに伺いました。
※上野観光連盟公式サイトは、こちら

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※写真左は、常磐快速線E231系電車。右は、運行ルート。


■上野東京ラインがもたらす変化

 

佐藤:上野東京ラインの開業により、湘南エリアからのアクセスが強化されます。上野としても、いろいろと新しい展開が期待できますね。

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「ようこそ!上野」缶バッチ

 

二木:上野東京ライン開業記念事業として、上野駅や街の各商店で、「ようこそ!上野」という缶バッチを胸に付けてお客様を迎えようと、キャンペーンを展開しています。2月14日から開通までの1ヵ月間、そして開通後の1ヵ月間、上野のお店ではみんな、このバッジを胸に付けてお客さんをお迎えします。ご存知のように、上野東京ラインはJR宇都宮線と高崎線が東海道線と相互に直接つながり、さらに常磐線が品川駅まで乗り入れることになります。東海道から直通で上野に来られるという点がすごく大きい。神奈川に知り合いがいますが、上野は遠いというイメージでした。“だって乗り換えしなきゃ、いけないでしょう”。と。今までは東京駅で降りて、山手線・京浜東北線に乗らなければならず、そこがネックでした。それが、ダイレクトにつながる。上野?東京間のわずか3.8kmを結んだだけですが、そこが大きいんです。先日、上野東京ライン開業にあたり、横浜中華街発展会協同組合の李理事長とお会いしたのですが、湘南新宿ラインがつながったことで、埼玉から中華街へ来る人がたくさん増えたというんですね。一本電車が通るだけで、そんなに違うものなのかと驚きましたが、交通の有利性というのは、いろいろな面で大きな影響力を持っています。開業を機に、何とか上野に来てもらおう、ここで降りてもらおうということで、上野の魅力をいろいろな角度から掘り起こし、PRしていこうという気運が高まっています。ちなみに湘南新宿ラインと上野東京ラインは、同じように横浜と大宮をつないでいますが、どちらが早いかというと、上野東京ラインの方が4分早いそうですよ(笑)。


■ワンストップで楽しめる街

 

佐藤:上野に来てもらうために、何か具体的な取り組みをお考えですか?

 

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「UENO WELCOME PASSPORT」印刷見本を披露する会長

 

二木:横浜と上野の交流やイベント、文化ゾーンの割引、今回の上野東京ライン開業イベントで企画した、上野国立3館共通入場券(UENO WELCOME PASSPORT)などの共通パス、記念イベントなどを通じてアピールしていこうと考えています。そこからまず人を呼び込まなければなりません。上野は北関東の玄関口でしたから、常磐線と宇都宮線、高崎線については、認知されていますが、横浜湘南方面の人にも、“上野に行くんだ”“上野に行けるんだ”ということを上野東京ラインの名前と共に認知してもらうことが大切です。今までは東京駅で山手線に乗り換えなければならなかったので、美術館も、六本木の新東京美術館に流れてしまった。本来、上野ほど博物館や美術館など文化施設が多いところはないわけですからね。これだけ博物館群があって、さらにアメ横みたいな商店街もある。そして、駅の機能としても便利。こういう多面性を持った街は、そうないですよ。何しろ、ワンストップで楽しめるわけですからね。私たちとしても、長時間滞留を大きなテーマとして、外国からの観光客も含めて、泊まって楽しんで、という受入体制を整えていくことが重要になるでしょう。長く上野に滞在しても、家族で楽しめる、おじいさん・おばあさんから子供まで楽しめる、「みんなで上野に行こう!」と盛り上がる、他地域にはない多面的で重層的な機能をPRしていきたいと思います。

 

(つづく)

 

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※写真左から「東京国立博物館」、「国立科学博物館」、「国立西洋美術館」。
UENO WELCOM PASSPORTで、お得に入場できます。

 

 

 

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