2022.09.29

“シンコウ”プロジェクト 北海道 vol7.岩見沢市 秋まき小麦『キタノカオリ』

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“シンコウ”プロジェクト 北海道 vol7.岩見沢市 秋まき小麦『キタノカオリ』

「シンコウプロジェクト北海道」とは?

 

広い大地と豊かな自然が生み出す食の宝庫「北海道」。
海産物・農産物・乳製品など多岐に渡る食材が溢れている北海道には、「生産量が僅か」「特定の地域・季節でしか流通していない」北海道民も知らない?知られざる食材がまだまだ存在しています。
そして、その食材の背景には、丹精を込めて育てられている生産者がいます。

 

"シンコウ"プロジェクト 北海道は、そんな北海道のまだまだ知られざる食材を"深耕"し、その食材を通して人と人との"親交"を生み出し、食の魅力で地域の"振興"につなげるべく、生産者の思いを北海道、全国、世界に発信し続けたいという思いから始まった、大丸札幌店、O.tone(あるた出版)、RETRIP(trippiece)、ジェイアール東日本企画、poroco(えんれいしゃ)による地域振興を目的とした合同プロジェクトです。

 

第7回目は、岩見沢市で生産されている秋まき小麦『キタノカオリ』を紹介します。

 

 

パンに人気の道産小麦『キタノカオリ』とは?

 

「patisserie soraka」のパン

 

ほんのりと黄色みがかった小麦『キタノカオリ』は旨味の強さが特徴。とりわけパンに使用するとその豊かな香りと甘み、もっちりとした食感が際立ち、国産小麦粉の中でも人気の品種です。流通量が非常に少なく、一部では“幻の小麦“とも呼ばれています。

 

 

『キタノカオリ』の美味しさを広めたい

 

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そんな『キタノカオリ』を広めた立役者が、岩見沢パン協議会の瀬尾さん。JAいわみざわに所属していた当時、まだ知られていないこの小麦の魅力を伝えるため、岩見沢市内のベーカリーを一軒ずつ丁寧に周って営業。その甲斐もあり次第に評判となっていきました。
ところが広く活用されるようになった矢先、もともと小麦の種を作っていた十勝からの種子供給がストップ。すでに多くのお店が『キタノカオリ』を使用し、市内の学校給食のパンにも欠かせない小麦になっていたころでした。それならばと、JAいわみざわは2019年、市内に採種圃場を確保。現在に至ります。

 

 

生育の難しさから生産が危ぶまれた時代も

 

『キタノカオリ』は穂が大きく雨が降ると水が付着。その水分を吸収して収穫する前に発芽してしまうなど育てるのが困難で、生産を取りやめてしまう農家が後を絶ちませんでした。
それでも『キタノカオリ』で作るパンに魅了された人たちからの声や、小麦への高い評価を受け、「美味しいとよろこんでもらえるならば」と、再び生産にのりだす農家さんも出てきました。
「収穫量が少ないため違う品種の小麦も同時に育てながら、熱意と誇りを持って生産してくださる農家さんばかりです」と、岩見沢パン協議会の瀬尾さんは話します。

 

 

未来までこの小麦を残すために

 

『キタノカオリ』の美味しさをたくさんの人に知ってもらうため、生産量を単純に増やすのではなく、今ある生産者と地元ベーカリーとの繋がりを大切に残していきたいと考えて活動しているのが岩見沢パン協議会のみなさん。

 

岩見沢の給食では、『キタノカオリ』が使われていますが、2019年に給食パンの製造会社の廃業により、1年間子供たちに給食でパンを提供できなくなる、危機もありました。
「子どもたちに地元の宝『キタノカオリ』の美味しさを届けたい」という思いから、様々な問題も乗り越え、再び学校給食でパン供給を再開できたのも、岩見沢パン協議会のみなさんの活動のおかげです。

 

岩見沢パン協議会の栗林さんは、今後の活動について
「給食のパン用小麦は『キタノカオリ』100%なのに、岩見沢市内でのその知名度は低く、地産地消になっていることを知らない人もいます。地元イベントで美味しさを知ってもらうのはもちろん、子育て世代にもそのよさを知ってもらうためのフォーラムや、子どもたちと一緒にパンを作るイベントなども企画していきたい」と話してくれました。

 

2020年からは市内のベーカリー11店舗で『キタノカオリ』を使い、各店が趣向を凝らした「キタノカオリカレーパン」を販売するなどの活動もしています。個性あふれる味わいをぜひ食べくらべてみて。

 

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給食で提供されているパン

 

 

給食パンを製造するみなさん

 

 

『キタノカオリ』を使ったパンが買えるお店

 

『キタノカオリ』を原料に使うお店が数多くある中でも、オススメの一軒が「patisserie soraka(パティスリー ソラカ)」。店主の池添さんは「顔の見える生産者から届く素材で商品を作りたい」との想いで商品を開発。余計な保存料や添加物は使用せず、誠実にパンやスイーツと向き合っています。


店頭に並ぶパンにはすべて『キタノカオリ』を採用。中でも『きたほなみ』や道産全粒粉をブレンドした「カンパーニュ」は、ハード系のパンでありながら柔らかい食感で、年齢問わず食べやすいタイプの食事パン。スライスしてチーズやハムと合わせれば、ワインのおともにもぴったり。「軽くトーストをすると『キタノカオリ』の香りがいっそう引き立ち、チーズフォンデュにもよく合います」と池添さん。

 

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カンパーニュ

 

『キタノカオリ』は道外にもファンがいて、催事で出店すると「キタノカオリを使ったパンがある」とわざわざ買いに来る人もいるほど、一度食べるとヤミツキになると評判です。

「patisserie soraka」では、通信販売でも購入OKなので一度お試しを。


★patisserie soraka(パティスリーソラカ)
住所:北海道岩見沢市6条西1丁目4-3
電話:0126-35-1945
営業時間

【ショップ】11:00~18:00(土・日曜〜16:00)
【カフェ】11:00~18:00 LO 17:45(土・日曜〜16:00 LO 15:45)
休み:月曜、不定祝日
https://www.soraka.shop/

 

 

今回の記事はporocoスタッフMHが担当しました。

 

「シンコウプロジェクト」メンバーの大丸札幌店、O.tone、RETRIPでも発信しているので、チェックしてね。

●porocoの記事はこちら

●O.toneの記事はこちら

●RETRIPの記事はこちら

 

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