2022.12.29

“シンコウ”プロジェクト北海道 vol9.八雲町 「北海道二海サーモン」

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“シンコウ”プロジェクト北海道 vol9.八雲町 「北海道二海サーモン」

「シンコウプロジェクト北海道」とは?

 

広い大地と豊かな自然が生み出す食の宝庫「北海道」。
海産物・農産物・乳製品など多岐に渡る食材が溢れている北海道には、「生産量が僅か」「特定の地域・季節でしか流通していない」北海道民も知らない?知られざる食材がまだまだ存在しています。
そして、その食材の背景には、丹精を込めて育てられている生産者がいます。

 

"シンコウ"プロジェクト 北海道は、そんな北海道のまだまだ知られざる食材を"深耕"し、その食材を通して人と人との"親交"を生み出し、食の魅力で地域の"振興"につなげるべく、生産者の思いを北海道、全国、世界に発信し続けたいという思いから始まった、大丸札幌店、O.tone(あるた出版)、RETRIP(trippiece)、ジェイアール東日本企画、poroco(えんれいしゃ)による地域振興を目的とした合同プロジェクトです。

 

第9回目は、八雲町で海面養殖されている「北海道二海サーモン」を紹介します。

 

 

北海道初! 海面養殖トラウトサーモンへの挑戦

 

日本で唯一、太平洋と日本海の二つの海を有する八雲町。それにちなんで名付けられたのがブランドサーモン「北海道ニ海サーモン」です。脂がのっているのに上品でしつこさがなく、食べ飽きしないのが特徴で、海外産が主流のサーモン市場において"北海道産海面養殖サーモン"として注目を集めています。

 

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まちと漁業、両方を救う「北海道二海サーモン」

 

古くから漁業が盛んな八雲町でしたが、漁業者の高齢化や後継者不足が深刻化。日本海側では年々魚が減り、漁獲量は減少の一途をたどっていました。さらに追い討ちをかけるように、太平洋側で盛んなホタテ養殖では、ホタテのへい死が相次いだそう。

そこで「新たな水産資源の開発と、安定的な漁業への取組みを」と注目されたのが、トラウトサーモン(ニジマス)の養殖です。数ある魚類の中でも、子どもから大人まで世代を問わず人気の食材であることや、回帰率の低下によりサケ・マスの漁獲量が減っていること、青森県のサーモン養殖事業者との繋がりができたことなどから、2019年12月よりトラウトサーモンの海面養殖事業化を目指し、試験事業としてスタート。

その後、試験結果として日本海側(熊石地区)のサーモンの生育がよく、太平洋側ではホタテのへい死が収束したことから、養殖は日本海側で続けることに決まりました。

 

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卵のふ化から出荷まで“完全”八雲町産に

 

養殖に行政として関わっているのが八雲町「サーモン推進室」の推進係長・松田さんです。

「最初は青森からサーモン幼魚を購入し、海に幼魚を入れるところからサーモン養殖を始めましたが、現在は卵のふ化から稚魚・幼魚へと育成し、成魚として水揚げするまでの一貫生産に挑戦しています。私たち推進室は卵のふ化から幼魚への育成を主に担い、その幼魚を海のいけすで水揚げまで育てることを地元の漁業者のみなさんが行なっており、完全八雲町産を目指しています」と松田さん。

特に苦労した点をうかがうと「生きものを扱っているので、反省や改善をするチャンスが1年に一度しかないことです。例えば、生育がよくなかった年はその翌年に対策を取りますが、それが正解だったのかどうかを確認するためには、さらにその魚が成長するまで1年を要します。生きものを相手にするこうした養殖事業に行政職員が携わることはなかなかないことですし、初めてのことを形にしていくというのは本当に大変です」。

 

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(C)青山智哉

 

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(C)青山智哉

 

 

未来を担う子どもたちへの食育にも

 

初めてのことに戸惑いながらも、この事業に携わる人々が協力しあい、同じ方向を見据えて、本格的な事業化へ向けて取り組みを進めている『北海道二海サーモン』。

八雲町に住む子どもたちにも、もっと地元産業のことを知ってもらおうと、小・中学校の給食メニューとして提供するほか、食育と地産地消の授業を熊石小学校で実施するなど取り組んでいます。またPRを兼ね、札幌や函館のホテルでのフェアや回転寿司チェーン、大手スーパーマーケットへの提供を行なうほか、ふるさと納税の返礼品としても好評。各種メディアを通じて広く認知されるようになってきました。

 

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八雲町ブランドとして、地域に根差した産業へ

 

2022年の漁獲量は約13.5tほどですが、これを2024年には45t程度まで増やしていくのが現在の目標です。

「行政で支援しながら本格事業化をはかり、2025年からは町からの財政支援がなくても海面養殖に取り組めるよう計画を進めています。今はまだ試験事業のため水揚量も少なく、限られたところで消費されていますが、ゆくゆくはもっと多くの皆様に食べていただけるようにしていきたいと考えています。

札幌出身の私自身、八雲町へ住むようになってから地域の美しい自然に触れ、どんどん好きになりました。『北海道二海サーモン』をきっかけに八雲町の魅力をもっと多くの方に知ってもらえたらうれしいです」。と松田さんは話してくれました。

 

八雲町の皆さんが協力し取り組む『北海道二海サーモン』事業に今後も注目していきたいですね。

 

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地元漁業関係者のみなさん

 

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「サーモン推進室」のスタッフさん達(右:松田さん)

 

 

今回の記事はporocoスタッフMHが担当しました。

 

「シンコウプロジェクト」メンバーのporoco、O.tone、RETRIPでも発信しているので、チェックしてね。

 

●porocoの記事 コチラ

●O.toneの記事は コチラ

●RETRIPの記事 準備中

 

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