その三十 もはや定番!「お子様ランチ」は松坂屋から!
#松坂屋ヒストリア小話 その三十
「お子様ランチ」は昭和6年(1931年)松坂屋が命名し全国に広まった。
オムレツとハンバーグ、富士山をかたどったご飯の上には日の丸の旗。今も百貨店食堂の定番メニューとして人気の「お子様ランチ」のメニュー名を命名したのは昭和6年の松坂屋上野店でした。実はこの子供向け定食は昭和5年に日本橋三越で考案され「お子様洋食」という名前で販売されていましたが、翌年3月に松坂屋上野店の大食堂でも「お子様ランチ」という名前で、価格30銭で発売を開始しました。それまでの食堂の料理は1種類ごとに容器に盛る形式が一般的でしたが、一皿で何種類もの洋食が楽しめるアメリカンスタイルのお子様ランチは評判を呼び、その後全国の百貨店に広がっていったということです。なお、松坂屋上野店のお子様ランチは発売1年後に一部食材を改良して魅力アップをはかっていますが、リニューアル後のレシピは次のとおりです。1.ご飯はケチャップライスと白飯でかたどった富士山ライスの上に日の丸の旗を立てる(英国皇太子来日の際の歓迎の旗をヒントにしました)、2.ハンバーグ、3.オムレツ、4.スパゲティ、5.サラダ、6.うさぎ型のりんご、7.おまけ(おもちゃ)付き(グリコのおまけをヒントにしました)以上です。そしてこのお子様ランチは発売から80年以上たった現在も、中身を現代風にアレンジして松坂屋各店のファミリーレストランで販売されています。
昭和4年落成の上野店新店舗
上野店大食堂(昭和初期)