2022.03.29

その七十八 「ギフトセット解体セール」の元祖は松坂屋上野店!

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その七十八 「ギフトセット解体セール」の元祖は松坂屋上野店!

#松坂屋ヒストリア小話 その七十八(2022/03/29)

買いたいもの満載!「食品ギフトセット解体セール」の元祖は松坂屋上野店!

 

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「ギフトセット解体セール」を考案した上野店(昭和55年)

 

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お客様で混雑する上野店お中元ギフトセンター(昭和54年6月)

 

百貨店の年間の業績を左右するお中元・お歳暮商戦では、毎年のり、茶、ビール、缶詰、瓶詰、麺類などの食料品ギフトの人気が高く、特に昭和から平成にかけて、百貨店が独自で企画した数多くのオリジナルギフトセットの売上がギフト商戦を牽引した。ただ、商戦終了後に売れ残ったギフトセットの在庫については、取引先の問屋もメーカーに返品できず、メーカーも単品在庫を抱えその処分に苦慮する状況でもあった。

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百貨店オリジナルギフトが人気を集めた(昭和54年松坂屋お中元カタログ)

 

そんな中、昭和50年代はじめに松坂屋上野店がこれらの在庫を売り捌くために考案したのが、今も続く同店の名物催事「ギフトセット解体セール」である。これは、元々ギフト用に箱詰めされていた有名メーカーの各種食料品を箱ごと解体してばら売りすることにより廉価で販売でき、取引先も大量の在庫処分が図れるという、お客様、百貨店、問屋、メーカーのすべて四方良しの画期的な企画であった。

 

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上野店地下1階食品売場の「解体見切市」広告(昭和54年8月 朝日新聞)

 

上野店の解体セールは、当初は地下1階食品売場の催事場で「食料品セット解体見切市」という小規模の催事としてスタートしたが、昭和54年(1979)8月の広告には、上白糖(1kg)190円、明治屋ミックスジャム180円、小豆島手延べそうめん(250g)190円などの目玉品が紹介され大盛況であった。その後上野店は本館6階大催事場に規模を拡大し、「ギフトセット解体大見切市」というタイトルで本格的な大型催事に転換し、1月はお歳暮ギフト、8月はお中元ギフトの在庫処分を行う解体セールを毎年開催し、平成元年(1989)8月に催事名を「ギフトセット解体大バーゲン」に変更した。この上野店の大催事場を使った解体セールの手法は、同業百貨店や松坂屋各店も追随した。

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松坂屋名古屋店地階の解体バーゲン広告(昭和58年2月 中日新聞)

 

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名古屋店地階の解体バーゲンの様子(昭和58年2月)

 

松坂屋名古屋店では、昭和58年(1983)2月に地下1階催事場で「ギフトセット解体特別バーゲン」を開催し、同年8月からは本館7階大催事場に会場を移して、食品だけでなくオーダーワイシャツや寝具など洋品・雑貨の解体ギフトも含めた全600種類、5万点を放出する「オールギフトセット解体大バーゲン」という大型催事にスケールアップした。

 

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名古屋店本館7階大催事場の第1回解体大バーゲン広告(昭和58年8月 中日新聞)

 

松坂屋銀座店も地下1階食品売場で開催していた「食品ギフトセット解体見切市」を7階催事場に拡大し、平成12年(2000)から14年(2002)にかけては上野店と銀座店で「ギフトセット解体大バーゲン」を同時開催し、東京地区の松坂屋共同企画催事に発展した。

 

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上野店・銀座店の共同企画・解体大バーゲン広告(平成13年8月 朝日新聞)

 

解体セールは、家計のやりくりに悩む主婦たちにとって、百貨店がギフト用に企画した有名メーカー品を破格値で購入できる、半期に1度のチャンスということが人気を呼び、1月、7月のクリアランスセールが一段落した閑散期の目玉催事として大きな集客力を発揮した。その後、食品メーカーがギフト商品を計画生産するようになったことなどから、催事商品全体に占めるギフトセットの割合が単品在庫品の割合に比べて減少したため、平成19年(2007)1月より催事タイトルを「食品大特価市 併催:ギフトセット解体セール」に変更した。

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上野店「食品大特価市」の広告(2021年8月)

 

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上野店本館6階催事場の解体セール会場入口(2014年1月)

 

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お客様でごった返す上野店解体セール会場(2014年1月)

 

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百貨店ならではの輸入食品も人気(2014年1月)

 

時代の流れもあり、松坂屋の店舗で解体セールを開催しているのは令和4年現在では上野店だけとなったが、今年も1月のセール初日には150人を超えるお客様が開店前に行列を作り、その圧倒的な集客力はいまだ健在である。

 

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上野店「食品大特価市」の広告(2022年1月)

ショップ情報

ショップ名

松坂屋史料室(#松坂屋ヒストリア小話)

フロア
南館 7F
TEL
052-251-1111(代表)
営業時間
松坂屋名古屋店の営業時間に準じます
カテゴリー
その他

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