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太古から現在までのあらゆる"ハンター"が大集結する本展。「捕食」に焦点を当て、国立科学博物館が誇る標本のコレクションを中心に、300点以上の魅力的な標本展示で構成されます。登場するのは両生類、昆虫類、哺乳類、鳥類など。
生物の顎と歯の進化、そして捕食の技の多様化を分析し、自然の素晴らしさと地球環境保全の重要性を伝えます。
見どころは、超大型から極小な生き物までの多彩な標本。絶滅してしまった動物など、貴重で美しい標本が多数展示されます。
中生代最大のワニ類で強力な捕食者だったデイノスクスの前半身復元。(国立科学博物館所蔵)
今回初登場の大型展示は、白亜紀に生息していた巨大なワニ「デイノスクス」の実物大生体復元モデル。ティラノサウルス科の恐竜も捕食されたといわれる、全長12mにも及ぶ大型ワニ類です。化石データなどさまざまな科学的データ元に、当博物館の研究員の監修によって制作されたという力作。
強力な顎が特長で、その力はティラノサウルスの約1.8倍にもなるのだとか
第1章では「太古のハンター」と題し、生物の系譜を追いながら、ハンターの起源と進化に迫ります。昆虫をはじめとした節足動物や、哺乳類などの脊椎動物の顎の成り立ちの違い、そして両生類、爬虫類、哺乳類などの化石や骨格標本を通して紹介されます。
古~中生代の「エリオプス」の化石標本。頭部の骨格などは四肢動物類の原始的な状態といわれる。(栃木県立博物館所蔵/複製化石標本)
新生代のネコ科「スミロドン」の化石標本。マンモスと同時代に生息していたという大型の捕食者。(ミュージアムパーク茨城県自然博物館所蔵/複製化石標本)
第2章では「大地に生きるハンター」と題し、地球環境を4つの生息域に分けて現生している代表的なハンターを紹介。「おびき寄せ・待ち伏せテクニック」や「暗闇」などの切り口でもハンターの特徴を解説しています。
「水辺のハンター」のカテゴリで紹介されるカワセミ(左がメス、右がオス)。オスは繁殖期に獲物をメスにプレゼントするという(国立科学博物館所蔵/本剥製標本)
「森・密林のハンター」で紹介される、パーソンカメレオンの本剥製標本。目は左右独立に動いて広範囲を視認でき、長く伸びる舌は秒速5mと驚異の速さ(群馬県立自然史博物館所蔵/本剥製標本)
「草原のハンター」のカテゴリで紹介されるハンターたち。ハイエナ(手前から2頭目)の噛む力はライオンより強いといい、骨を噛み砕いて骨髄まで食べるという
「夜空のハンター」のカテゴリでは25種類フクロウがずらりと並ぶ。全般的に目が大きいのは暗闇でも見えるようにするため。写真のワシミミズクは世界最大級のフクロウ(国立科学博物館所蔵/本剥製標本)
「荒野のハンター」のカテゴリで紹介される「オオミミギツネ」と「フェネック」。砂漠など餌が少ない環境なので、昆虫の居場所を察知するために耳が大きいという(ともに国立科学博物館所蔵/本剥製標本)
第3章は「ハンティングの技術」と題し、獲物を狩るために進化させてきた体の仕組みや技術を紹介。さらに多様で優れた狩りのテクニックをもつトンボ、ハチ、クモなどを解説しています。
中央のオオアリクイは日中の行動のほとんどはアリ塚を周回することに費やし3万個体のアリやシロアリを捕食する(国立科学博物館所蔵/本剥製標本)
カやハエ、チョウなどを食べるトンボ。図説付きで7種類が紹介される。写真は東南アジアに生息するミドリカワトンボ(国立科学博物館所蔵/乾燥標本)
その他、カ、ハチ、カマキリ、ヘビなどの特殊な技術を用いたハンターが目白押し。
最終章の第4章では「大地のハンターとヒト」と題し、外来のハンターと人間によって絶滅してしまったハンターを紹介。人間と地球の仲間たちとの、持続可能なバランスある関係づくりに向けたメッセージは永遠のテーマかもしれません。
1979年に絶滅したとされるニホンカワウソ。毛皮などを求めた狩猟が行われていた(国立科学博物館所蔵/本剥製標本)
手前はニホンオオカミの骨格標本、奥はニホンジカの本剥製標本。ニホンオオカミは古くから森の守り神として信仰の対象になっていたが、1905年以降は確認されていない(国立科学博物館所蔵)
展示の観覧を終えたら、オリジナルグッズが多数ある特設のミュージアムショップへ。本展覧会でしか手に入らないアイテムが並びます。
今回の展示で見どころの紹介役としてコラボした、大人気動物版青春漫画「BEASTARS」との限定グッズ
イラストレーター「カナヘイ」のコラボアイテム。ぬいぐるみやマスキングテープ、マスクなども
本展覧会で登場したハンターたちをモチーフにしたTシャツやバッグ、文具なども多数
特別展「大地のハンター展 ~陸の上にも4億年~」
会期 2021年3月9日(火)~6月13日(日) ※4月25日(日)より臨時休業
※今後の諸事情により、会期や開館時間休館日等について変更する場合があります
時間 9:00~17:00 ※入場は閉館時刻の30分前まで
会場 国立科学博物館
休館日 月曜日(休館日が変更となりました)
※ただし、3月29日(月)、4月26日(月)、5月3日(月・祝)・24日(月)・31日(月)、6月7日(月)は開館
入場料(税込) 一般・大学生2,000円、小・中・高校生600円
※入場には事前予約(日時指定)が必要です。詳細は下記公式サイトをご確認ください
※本展を観覧された方は同日に限り常設展(地球館・日本館)も回覧可能。ただし、入場日時によって常設展が閉館している場合があります
問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)、03-5814-9898(FAX)