手仕事が生み出す経年と唯一無二の風格 「エクバターナ」
熟練の職人たちの手仕事と交錯する価値の共存。
それは決して機械では生み出せない、革の経年の味わい深さと手仕事の結晶体だからこそ。
職人の手によって一つひとつ仕立てられたものづくりと、エイジングの魅力を今までになく表現することができたシリーズです。
■genten25th 記念アイテムについて
gentenが25周年を迎える今年は、「25周年記念アイテム」としてミネルヴァ素材を中心としたアイテムが毎月登場します。今回は、第二回のアイテムとして、バダラッシ・カルロ社の特別な革を使用した「エクバターナ」を紹介します。
また、「genten25周年記念サイト」がオープンいたしました。各月のアイテムについてはそちらをご覧いただけますと幸いです。
古代都市「エクバターナ」から着想を得た、
さまざまな価値の集いの場となるシリーズ
紀元前600年頃のオリエント地域の地図。中央付近に位置するのがエクバターナ。
古代ペルシア語で「集いの場所」という意味に由来する都市エクバターナ。かつて、ここは東西の交易を支えたシルクロードの重要な都市でもありました。往来を行き交う人とさまざまなその生活。
それらが交わることで生まれる新たな価値や技術。このような交錯が文明を形作ってきました。
「革」もまた、自然の生きものの恵みである「皮」と「鞣し」という人類の知識が出会い誕生したものです。
いつか見た、古き良き細工へのあこがれ。端正な手仕事が伝える、品格と趣。朽ちてもなお、悠久の時の流れを刻んでいくような、革の材の奥深さ。古代都市エクバターナに思いを馳せ、その印象をかたちにしたとき、今まで出会ったことのないバッグが完成しました。
熟練の職人たちが生み出す
至上の革
異彩を放つその姿は、人の手業の限りを駆使してつくられた証。革は、genten25周年を記念して、フィレンツェの名門タンナー、バダラッシ・カルロ社に製作を依頼した完全オリジナルのバケッタレザー。25周年ということで、可能な限りの手仕事で仕上げたこの革が生まれました。
化学薬品をなるべく使用せず、時間と手間をかけてじっくりつくられたバケッタレザー。エクバターナの手業が光るのはここからです。
熟練の職人たちが、工具を用いて、ひっかいたり、けずったり、こすったり。革一面に手削りで印影を施していきます。加工を施す職人の力加減の強弱によっても、出来た跡の深さや長さなどに違いが出てきます。
1枚1枚に手削りの加工を施した後、今度はそれを手染めしていきます。削られた跡の陰影が深まり、奥深い表情が生まれます。そしてここからもうひと手間。
手染めをした後に残っている余分な染料をふきとっていくことで、スクラッチの跡に染料が染み込んでいき、アンティークの古材のような雰囲気を生み出します。こうして職人たちの手業によって生み出されたのが、今回使用している革です。
技術の進歩により、均一に大量に生産できる現代ですが、そんな中、手業の持っている魅力を深掘りしたのがエクバターナです。手業だからこそ生まれる、得も言われぬ存在感。同じ表情のものはふたつとありませんので、出会った革との一期一会をお楽しみください。
ディープエイジング
深い経年へのいざない
エクバターナの革は、その独特な手法による表面の陰影だけでなく、経年変化のしかたにも今までにはない深いこだわりを盛り込みました。
それは、砂塵にもまれたテラコッタのような、こすれた表面が少しずつ剝がれて、今までにない深い経年変化をお楽しみいただける“ディープエイジング”な革であること。
塗りのはがれた古い家具を、幾重にも手染めで補修したからこそ、深い味わいが増すかのように。スクラッチまわりはとくに手染めの濃淡を強調し、染み込む部位や引っかきが浮き出やすいよう染め出しました。
ところどころ染まり切らないところもあり、それもまた革の景色に豊かな表情を与えてくれます。
また、革の部位や手染めの濃淡、使用頻度にもよりますが、バッグや財布の角、底面周辺、側面など擦れやすい場所から、染めがはがれて下地のレンガ色があらわれてきます。
これは、エクバターナの革の特性を踏まえ、敢えてはがれが起きやすい仕立てを用いたからでもあります。このこすれ、はがれが増えるほど、使うごとにアンティークの椅子やテーブルを彷彿とさせるような経年変化の深みを広げ、バッグ自身の豊かな表情を引き立ててくれるのです。
はがれた部位には、デリケートクリームなどをごく薄く塗り込み、なじませてあげてください。これを繰り返すことで、バッグ全体の色艶がさらに増してゆき、ヴィンテージの風格をまとうような深い経年=ディープエイジングの魅力へといざなってゆきます。
職人の手仕事が、
細部に端正な美しさを宿す
職人の手仕事は、革だけでなく、そのかたちや細部にも活きています。今回バッグは4型をご用意していますが、いずれのバッグでも重厚な存在感を放つのが、職人の手業が詰まった差し込み部分です。
しっかりとした厚みのある差し込みですが、中に芯などはいれておらず、すべて共革で仕上げています。さらに、そこにあしらわれているのが鎖縫いです。
厚い革を、極太の糸で鎖縫いができるミシンはなく、職人が一針一針ていねいに刺しています。古い都市の遺跡を彷彿とさせるその装飾は、バッグの強度を高めるとともに、手仕事ならではの端正さ、やさしさも生み出しています。
差し込みなどの被せ部分やハンドル・ショルダー部分に使われている革は、ミネルヴァボックスを活用しました。
オープントート大(コニャック)121,000円(税込)
オープントートは、大と中の2型。オープントート大は荷物が多い方や男性にもおすすめです。
オープントート中(コニャック)88,000円(税込)
オープントート中は、ビジネスシーンにも対応可能なサイズ感で、しっかり荷物が入ります。
充分なマチの広さと、長財布も収納可能な内ポケットを備えているので、内部の整理がしやすく、使い勝手の良いつくりになっています。
ファスナートート(コニャック)82,500円(税込)
さらにコンパクトなサイズとして、見た目はそのままに、ファスナートートをご用意しています。
シンプルなフォルムで自立するように設計しています。背面もすっきりと仕上げており、革の景色を思う存分堪能できます。
真ん中にファスナー付きの仕切りがついていて、バッグの中でも上手に物を整理できます。ポケットの数も多く、スマートフォンやパスケース、名刺入れなど小物の収納にも困りません。
ショルダーバッグ(ボーン)79,200円(税込)
ショルダーバッグは、ボディーバッグとして性別問わずお使いいただけます。バッグの背側にはポケットもついており、パスケースなどもサッと取り出せます。
オープントート中(コニャック)88,000円(税込)
左から、オープントート大(コニャック)121,000円(税込)、オープントート中(コニャック)88,000円(税込)
左から、ファスナートート(コニャック)82,500円(税込)、ショルダーバッグ(ボーン)79,200円(税込)
モデル身長176cm ※ウエア:スタイリスト私物
バッグの持つ世界観をそのままに
財布3型とスマホショルダー
バッグの世界観をそのままに。小さいながらも独特な存在感を放つ革小物ができました。手業の魅力あふれる差し込みのディテールも、すべてのアイテムに取り入れています。
長財布(ボーン)38,500円(税込)
束入れは、スナップボタンを外すワンアクションで紙幣と小銭が一瞬で見渡せるつくりに。革の持つ重厚さを活かしつつも薄マチに仕上げているので、かさばらずに持ち歩けます。
二つ折り財布(コニャック)33,000円(税込)
二つ折り財布は、コインを取り出しやすいようにマチを大きめにつくりました。マイナンバーカードなどの大切なカードは、札入れ部分の隠しポケットへ。
コインケース(ボーン)22,000円(税込)
フォルムが特徴的なコインケースは、小さくても革の魅力をお楽しみいただけるように、小銭を入れる部分を1枚の革で仕立てています。
折り紙のように折りたたんであるため、ガバっと開き小銭を取り出す際のストレスもありません。
内側には着脱可能なキーチェーンも。車種によりますが、スマートキーケースとしてもお使いいただけます。
スマートフォンショルダー(コニャック)39,600円(税込)
スマートフォンとフラグメントケースが入れられる大きさのスマートフォンショルダー。内側にあるポケットには、スマートキーやAirPodsなど、多少厚みのあるものも入れられます。
背面にあるボタン付きのポケットは、小銭も収納可能。革の景色を思う存分楽しんでいただけるよう、切り込みのマチで1枚の革を使用しました。
左から、二つ折り財布(コニャック)33,000円(税込)、ファスナートート(コニャック)82,500円(税込)
左から、スマートフォンショルダー(コニャック)39,600円(税込)、コインケース(ボーン)22,000円(税込)
モデル身長176cm ※ウエア:スタイリスト私物
巡り会い、高め合うことによって生み出されてきたもの。
人の手を介してしか、生み出すことのできないもの。
これまでの軌跡は色褪せることなく。
これからのわたしの時間を重ねて。
「エクバターナ」のバッグは店舗、オンラインショップともに販売中です。小物はオンラインショップは販売中、店舗は2月上旬の販売予定です。
※「エクバターナ」バッグのオープントート大、オープントート中、小物の長財布、コインケースは一部店舗ではお取り扱いがない場合がございます。在庫の詳細は店舗にてお問い合わせください。
※オンラインショップではバッグ、小物ともに全ての商品のお取り扱いがございます。
■エクバターナのお手入れについて■
手加工による削りがまんべんなく施されているため、使用に伴うキズ・水染みは目立ちにくいです。経年変化の味わいを重視した手染め革の特性上、色落ち、染料のはがれが生じる場合がございます。
革の風合いとナチュラルな魅力を重視した特性のひとつですので、ご了承ください。染料はがれの部分は、やわらかい布に取ったデリケートクリームを、薄くよく塗り込みなじませてあげることで、より深いエイジングを楽しむことができます。
アメダスは使用可能ですが、噴霧後に若干曇ることをご了承ください。また、アメダス噴霧の際は、必ず30センチ以上バッグからスプレーを離し、均一に、まんべんなく噴霧するようにしてください。局部噴霧や液溜まりはムラ、シミになりますのでご注意ください。