個性豊かな革たち。 それらを活かしきる手仕事と
個性豊かな表情を余すことなく取り込み、繊細な手仕事の美を宿した
「プローヴァドゥエ」。
動物の生きた軌跡である、シミやキズ、ムラ。
ゆっくりと時間をかけ、育まれてきたそれぞれの個性。
ひとつひとつ異なるその表情との出会いは、一期一会。
■genten25th 記念アイテムについて
gentenが25周年を迎える今年は、「25周年記念アイテム」としてミネルヴァ素材を中心としたアイテムが毎月登場します。今回は、初回のアイテムとして、ミネルヴァリスシオを使った「プローヴァドゥエ」を紹介します。
また、2024年1月中旬に「genten25周年記念サイト」がオープンいたします。各月のアイテムについてはそちらをご覧いただけますと幸いです。
リラックス感と品格
相反する価値の調和
既存のプローヴァからプローヴァドゥエへ。シリーズを進化させるにあたり、ワイルドな革の表情を生かしながらも、暮らしに溶け込む“使い勝手の良さ”を両立できないかと考えました。
そこで着想を得たのが、さっとものを入れて、気楽に持ち運べる「巾着袋」。この袋状の作りならではの物入れの良さと佇まいの魅力を、あえて革で形にしたのがプローヴァドゥエです。
巾着袋に端を発し、底面は平らに。
ほのかに平らにすることで荷物がしっかり入り、安定感が増します。自立するので、食事の際などにスマートに置けるのも普段使いがしやすいポイント。
また、底面が丸いため、持った時に角の当たりが無く、自然と身体に馴染みます。暮らしに寄り添うものだからこそ、見た目の美しさだけでなく、使うときの心地よさにもこだわりました。
底近くに配した、巾着かごを思わせる編み込みの模様もプローヴァドゥエの魅力のひとつ。精緻な手業が、バッグの表情を凛と引き締めます。
切り込みを開け、一目ずつ革紐を通して。丁寧な手仕事で出来上がってゆく革細工。
紐の継ぎ目が見えないように工夫して縫うことで、より品格のある風情を漂わせます。こうした職人の細やかな心配りが、長く使いたくなる品質の良さに繋がっています。
口は巾着袋のように大きく開き、荷物を出し入れしやすい作りに。開閉時の煩わしさを軽減する目的で、あえて紐やファスナーは設けていません。
巾着袋のような使い勝手の良さがありつつ、上質な革と繊細な手仕事により品の良さも兼ね備えたバッグが誕生しました。
モノづくりの想いを宿す、
プローヴァドゥエ
前回のプローヴァ同様に、今回もデッドストックレザーを使用しています。動物が生きている時に刻まれたキズやシミ、ムラなどをありのままに取り込んだ「ミネルヴァリスシオ」。
5年10年と、大切に保管される中でそれぞれに違った風合いが生まれました。
ミネルヴァリスシオはミネルヴァボックスと並び、gentenが創業当初から使用しているかけがえのない革です。
ミネルヴァの革は、植物性のタンニンだけを使用し、革の表情を生かしながら、じっくりと時間をかけてなめすバケッタ製法で作られています。
手間と時間がかかるゆえに、実は長らく幻の製法とされてきたバケッタ製法。フィレンツェ郊外のタンナー、バダラッシ・カルロ社が現代に蘇らせ、ミネルヴァは生まれました。
大切な資源であり、手間暇をかけて作られる革を余すことなく。
そんな想いからプローヴァのシリーズは生まれています。
想いを記すように、プローヴァドゥエの内ポケットには、gentenのものづくりに対するフィロソフィーをイタリア語で刻みました。
NOI RISPETTIAMO L‘AMBIENTE （環境に配慮します）
NOI RISPETTIAMO LE RISORSE NATURALI （限りある資源を大切にします）
NOI CREDIAMO NEI PRODOTTI VERI E CHE DURANONEL TEMPO （長く愛着の持てるものづくりを目指します）
刻印は、バラダッシ・カルロ社の現オーナーであるシモーネさんの直筆です。タンナー、作り手、両者の想いが一つになり、プローヴァドゥエは生まれています。
野趣に富む革の表情が
こなれた印象に
プローヴァドゥエに使用しているミネルヴァリスシオの一番の特長は、ハリがありながらもなめらかな質感で、素材本来の美しさを楽しめること。
ハリやコシが強い革のため、少しかたそうな印象をお持ちの方もいるかもしれません。触っていただくとわかりますが、プローヴァドゥエの手触りは、実にしなやか。
元々は厚さ2mmで使っていた革を1mm前後に漉き、その後職人の手で革を幾度となく手で揉みほぐしました。これにより、ドライな質感が宿され、しばらく野ざらしにされたかのようなエイジング感を生み出しています。
一方で、あえて上品さを表現するため、手で揉みほぐす際はランダムではなく、縦軸と横軸に沿って四方揉みをしています。ハンドルの部分にタックを入れたことで生まれるドレープも、優美な印象を与えています。
革の表面の血筋やシワ。動物として生きてきたことの証。
バッグには、表面のキズやシミ、ムラは避けることなくすべてそのまま使用しています。保管されている中で、油が回り、艶が強くでている革もあればそうではない革も。
それぞれに異なる唯一無二の革の景色をお楽しみください。
革の厚さを調整していることもあり、作り込まれた見た目に反して、意外と重くないところもプローヴァドゥエの魅力です。毎日連れ添っても、持ち疲れしない。そんな革のバッグに仕上がりました。
左：プローヴァドゥエ 小（ローズレッド、横幅21㎝/高さ22㎝/マチ12㎝）53,900円（税込）
右：プローヴァドゥエ 大（オルモ、横幅28㎝/高さ29.5㎝/マチ16㎝）71,500円（税込）
大小2型から
お好みのサイズを選んで
プローヴァドゥエは、形は同じで、大小２つのサイズをご用意しています。
プローヴァドゥエ 大（ヌメベージュ） 71,500円（税込）
大サイズはしっかり荷物が入るサイズ感。
取り外し可能なショルダーベルトもついているため、両手を空けておきたい時など、場面に合わせて2wayでお使いいただけます。
プローヴァドゥエ 小（左：ローズレッド、右：オルモ） 53,900円（税込）
小さなサイズでも長財布がしっかり入り、500mlのペットボトルも少し頭が出ますが入れられます。
色はヌメベージュ、オルモの2色に加え、小さいサイズのみ店舗限定※でローズレッドもご用意しています。
※小サイズのローズレッドは直営店（市谷店、銀座店、横浜元町店、大阪店、仙台店、上大岡店、吉祥寺店、ららぽーとEXPOCITY店、パルコヤ上野店）限定での販売となります。
じっくり、ゆっくり、時間をかけ育まれてきた豊かな革の個性たち。
その個性たちを、一つとして余すことなく、
輝きを与える、人の技の数々。
あなたらしく。わたしらしく。
共にその輝きを称え合えるように。
■プローヴァドゥエのお手入れについて■
天然の脂をたっぷりと含んだプローヴァドゥエは、気温差でスピュー（銀面に浮き出た黄白色の油脂）が出てくる場合があります。
気になる場合は、低温ドライヤーで熱をあてると、油脂が溶けて目立たなくなります。その後、やわらかい布などで銀面をこすりすぎない程度に優しく拭き取ってください。
使用する布は、繊維の凹凸が少なく目の細かい綿100％がおすすめ。着古したTシャツでも構いません。乾燥してきたと感じたらクリームで保湿をしてください。
プローヴァドゥエは各店2024年初売りより販売開始いたします。在庫の詳細は店舗にお問い合わせください。
