2023.12.22

その四十 東海銀行の前身「伊藤銀行」を設立!

  • SHARE
  • Facebookでシェアする
  • XでPostする
  • LINEで送る

その四十 東海銀行の前身「伊藤銀行」を設立!

#松坂屋ヒストリア小話 その四十

東海銀行の前身は松坂屋創業家が設立した名古屋初の私銀 「伊藤銀行」だった。

 

画像

 

松坂屋の創業家第15代当主の伊藤次郎左衛門祐昌は明治14年(1881)、名古屋で最初の私立銀行である「伊藤銀行」を資本金10万円で設立し、茶屋町(現在の中区丸の内二丁目)の いとう呉服店の東隣にあった伊藤為替方の建物(出納所)を本店として開業した。これは当時、国立・私立銀行の盛況にともない、御用為替の取り扱いを為替方から銀行に切り替えようとする大蔵省の動きを事前に察知してのことであった。初代頭取には祐昌が就任し、大正6年(1917)までその職にあった。開業後、伊藤銀行は名古屋市民の上に築き上げた伊藤家長年の信用を背景にして発展し、明治16年に東京支店、大正10年に中区に中支店を開設、昭和5年には創業地の茶屋町に延床面積2,683㎡に及ぶ地下1階、地上4階建ての荘厳な本店建物を落成し業容の拡大をはかった。なおこの伊藤銀行本店建物の4階は「昭和ホール」という能舞台も備えた本格的なホールで、松坂屋は平成25年まで続いた高級呉服催事「染織名作展」の第1回・2回展を昭和10年・11年にこの昭和ホールで開催している。伊藤銀行は、昭和13年には愛知県半田市の中埜銀行を、翌年には知多銀行を吸収して知多半島一円を管下に収めた。昭和15年末の預金高は1億円を超え、全国普通銀行292行中の第32位を占めていたが、昭和16年政府が強力に推進していた「一県一行」政策により、当時名古屋に本店をもつ愛知銀行、名古屋銀行と合併して新しく「東海銀行」を設立し、伊藤銀行66年の幕を閉じたのである。このとき伊藤銀行の支店は22店、出張所は16店を数えるまでになっていた。

 

画像

当時の配置図

 

画像

伊藤銀行

 

画像

昭和5年に建て替えられた伊藤銀行本店

ショップ情報

ショップ名

松坂屋史料室(#松坂屋ヒストリア小話)

フロア
南館 7F
TEL
052-251-1111(代表)
営業時間
松坂屋名古屋店の営業時間に準じます
カテゴリー
その他

RECOMMEND BLOG