ゴルフの帝王ジャック・ニクラウスがやって来た!
#松坂屋ヒストリア小話
松坂屋「クラウンズ・ゴルフフェア」に、帝王ジャック・ニクラウスがやって来た!
1960年の第1回から続くわが国最古の民間主催ゴルフトーナメント「中日クラウンズ(CBCテレビ、中日新聞社主催)」がまもなく開幕となる。
松坂屋名古屋店は昭和48年(1973)から中日クラウンズ協賛催事として各種ゴルフバーゲンを実施していた(※)が、昭和51年(1976)に「クラウンズ・ゴルフフェア」という催事名に統一し、以後毎年4月~5月に開催し、現在まで続いている。
クラウンズ・ゴルフフェアは中部のゴルフシーズン開幕を告げるビッグイベントともいわれ、その内容はゴルフクラブやゴルフウェアの今年の新作紹介やゴルフ用品のバーゲン催事で構成されるが、毎年多くのゴルファーにご来店いただき好評を博している。そして長年にわたりこのフェアの最大の呼び物だったのが「有名ゴルファーによるゴルフクリニックとサイン会」である。中日クラウンズの出場選手は、その直前に米国・オーガスタナショナルGCで開催される「マスターズ」の優勝者をはじめ、海外の有名選手が多数参加する豪華な顔ぶれが特長で「東洋のマスターズ」ともいわれる所以であるが、協賛催事である松坂屋のクラウンズ・ゴルフフェアには、来日した有名外人選手、日本人の大物トッププロが主催者であるCBCから紹介・派遣されたため、ご来店のお客様方はゴルフ界を代表する偉人たちによる夢のようなレッスンやサイン会を目の前で体験できたのである。
昭和48年(1973)はゲーリープレーヤー(南アフリカ)、翌年49年(1974)にはアーノルド・パーマー(米)、昭和56年(1981)はセベ・バレステロス(スペイン)、昭和59年(1984)にはゴルフの帝王と呼ばれたジャック・ニクラウス(米)も4月26日来店した。
その日、ニクラウス選手は中日クラウンズ予選ラウンド終了後に松坂屋にかけつけ、本館1階愛の広場(現在はない)のイベント「ジャック・ニクラウスとファンの集い」で、つめかけた大勢のファンからの質問に丁寧に答えた後、6階クラウンズ・ゴルフフェア会場に移動し、お客様を相手にゴルフレッスンまで行なうサービスぶりで、店内は大変な騒ぎになったとのことである。
その後も平成5年(1993)ベルンハルト・ランガー(独)、平成10年(1998)マーク・オメーラ(米)らのマスターズチャンピオンの来店が相次いだ。日本人トッププロとしては、昭和53年~55年の三連覇を含む中日クラウンズ通算5勝を誇る青木功プロによるゴルフクリニックとサイン会が昭和50年代から60年代までほぼ毎年実施されており、「世界の青木」は当時クラウンズ・ゴルフフェアの広告紙面を飾るイメージキャラクターでもあった。
※昭和48年の催事名は「ゴルフチャンピオンバーゲン」
クラウンズ・ゴルフフェア第1回目の新聞広告(1976年)
ゲーリー・プレーヤー選手によるゴルフクリニック(1973年4月24日 名古屋店6階)
ジャック・ニクラウス選手の松坂屋来店広告(1984年)<名古屋タイムズアーカイブス委員会所蔵>
名古屋店本館1階「J.ニクラウスとファンの集い」で質問に答えるニクラウス選手(1984年4月26日)
中日クラウンズの大会ロゴ