能登半島地震から学ぶ災害への備え
このたび令和6年能登半島地震で被災された方がたに心よりお見舞い申し上げます。
次第に被害状況が明らかになってきていますが、激甚災害指定を受ける規模となりました。
スタッフ戸田の実家は石川県・内灘町にあり、両親から一報を受けてすぐに石川県に向かうことにしました。
交通状況を念入りに確認し、辿りつける算段がついたからであって、よくわからないまま行くべきではないのは言うまでもありません。
被災した実家には3日間留まり、微力ではありますが復旧作業を行いました。
今回はその経験から得たさまざまな気づきをお伝えしたいと思います。
生活インフラについて。
水道・電気・ガスのうち、内灘町は幸運にも水道のみが使えない状態でした。
水道が使えないだけでも、飲み水、煮炊き、お風呂、トイレ、洗濯、、、これら全てに支障が出ます。
車が動かせる状態だった、給水開始が早かった、通水している地域が近くにあった等、幸運なことも重なり、私の実家に関しては比較的大きな問題にはなりませんでしたが、より条件が悪かった場合を想定すれば備蓄の水は必須と言えます。
一人当たり最低でも2L/日は消費するとして、給水が始まるまで早くて3日はかかると見た方がいいでしょう。
2L×人数×3日=備蓄の水量といったところです。
そして、これも行ってみて気づいたことですが、
大きなタンクに水を入れたものは使いずらいということ。
高知を出る前にホームセンターであるだけのポリタンを買い、60L程度の水を満載して向かいましたが、
一つあたりが10~20Lのサイズだと、重量も10~20kgほどあり、高齢の人だと持ち運びがかなり億劫です。
結局、2L程度のペットボトルが一番使いやすかったのです。
給水の時の手間はやや増えますが、日常的な使い勝手は小さい方がいいと感じました。
幸い両親は昨年や一昨年の能登半島地震を契機に水と食料を相当量備蓄していたので、すぐに尽きて困るということはありませんでした。
とはいえ、以下の写真のような状態では、通水するのにはかなりの時間がかかるのは想像に難くありません。
断層がずれたことにより、隆起と陥没が酷く、最大で1mほどの段差が。
液状化による被害も。
この地区では震度5弱の揺れで、津波による被害はなし。
それでもこの様相です。
高知県で想定される南海トラフ地震の被害予想では、津波による浸水は市内の広範囲に及びますので、かなり高確率で断水するのは疑いようがないでしょう。
家屋が喪失する可能性も考慮し、備蓄品の置き場所を自宅外にするというのも一つの考えです。
好日山荘では、備蓄用としてお薦めの商品を取り扱っております。
【携帯トイレ】
断水し、仮設トイレが設置されるまではこれでしのぐしかありません。
被害の程度にもよりますが、仮設トイレ設置まで早くても2~3日はかかります。
必要数を備蓄しておきましょう。
【ウォータータンクと浄水器】
内灘町でも起きたのですが、飲用できる水が出ないだけでトイレに流すのに利用できる程度の水は出るという状態。
このような時に浄水器があれば飲み水を作ることができます。
また、集合住宅によく設置している雨水貯留タンクの水も、浄水器を用いれば飲用にできます。
あるいは、完全に断水していても、濁りの少ない川の水なども浄水器で飲み水に変えることができますので、持っていると助かる道具の一つです。
【寝袋とマット】
車中泊や避難所生活を想定するならこれも必須ではないかと思います。
災害関連死という言葉も、頻繁に聞くようになってきました。
高知県の真冬を想定するなら、寝袋は対応温度0~-6℃程度のものを用意しましょう。
マットはR値2以上で、頑丈さ優先ならクローズドセルタイプがお薦めです。
高知県にとって最大の脅威、南海トラフ地震。
30年以内の発生確率は80%と見積もられています。
太平洋に面した島で、陸側は山に囲まれているという地勢を考えれば、いざ大きな災害が起きれば孤立することが避けられないのが高知県です。
防災の基本は自らで備えること。自治体を頼りにせず、できるところから揃えていきましょう。
お気軽にご相談ください。