最近更年期をテーマに取り上げた番組や記事を目にするようになりました。
あらためて
更年期とは
個人差はありますが、平均閉経年齢50.5歳の前後5年間に、体力の衰えや精神的落込み、睡眠障害や体の痛み、記憶力の低下などに悩まされ、生活の質の低下を招きます。
閉経とは
正確な機序については、まだ明らかにされていませんが、卵巣の加齢性変化であると考えられています。卵巣は加齢に伴い、皮膚の萎縮、卵巣数の減少、細胞機能の低下、血管の変化が生じます。また、30代卵巣の平均重量は15gですが、50代では5gにまで減少します。
※参照 PMID: 1291557
エストロゲン
女性を創るホルモンと言われ、全身に大きく作用しています。
月経、妊娠、出産など、女性特有の体の機能や、女性らしい丸みを帯びた体型の維持、
肌のはり、骨、血管のしなやかさ、脳の代謝を助けたり・・とさまざまな臓器に働いて、女性の身体を守っています。
しかし40歳を過ぎる頃から徐々にホルモンの分泌量が低下し、これらの恩恵を受けづらくなるのです。
更年期世代でなくとも、少しずつ心身の変化を感じ始めるのが40歳前後です。
この年代の女性は、老いの予感や自覚、子供の自立による役割の喪失、親の介護など、生活の変化に伴うストレスが生じやすく、身体的にも心理的にも負担を感じ、ネガティブな感情が生じやすくなります。
月経周期の延長
さらに40歳をすぎる頃からホルモンバランスが乱れ、無排卵周期が増え、卵胞期が長くなり、それに伴い月経周期の延長がこの頃から見られます。またこの症状は閉経前2~8年間続くとも言われています。
心身に与える更年期症状
日本人女性は閉経前後に緊張、神経質などの不安症状が増加しやすいと言われています。
※参照 PMID :16414325
ホルモン分泌の低下に伴い多様な心身の不調がおこりやすくなります。気分の落ち込み、不安な気持ち、環境変化に対応できない、など感じやすくなります。動悸を感じる方もおられます。
以前薬局に来られた方が、涙を流しながら話してくれたことが、今でも深く私の中に残っています。
「自分の存在が周りに迷惑をかけていると感じます。作業も若い人と比べると遅くって。だから焦ってしまい、そうすれば、さらにミスが増えてしまうのです。
だから、こんな自分は、誰からも必要とされていないと感じてしまって。
恥ずかしくなって、職場から逃げ出してきました。」
職場内でみなが同じ作業をしている職種の方ほど、このように感じるのかもしれませんね。
団塊ジュニア(1971-1974年生まれ)と呼ばれる世代が更年期にさしかかり始めていますが、この世代の女性就業率は7割を超えており、職場や家庭での理解や支援が得られず、ひとり思い悩む女性が増えています。
誰にも相談できず一人で悩むのは、社会的背景が影響を及ぼしているかもしれません。
なぜならば、女性はライフイベントの影響を受けやすいため、正社員ではない、非正規雇用者が多くなりがちです。
非正規雇用は、自由に働くことができるなどの利点もありますが、給料のベースアップもないまま、働き続けます。
転職もしづらいため、今の職場においてもらっているだけで、ありがたいと感じ、じっと我慢している人も多いのではないでしょうか。
一方でまた新卒から働き続け、職場でもある程度の地位に立つ人ほど、周囲の期待に見合う努力をし、無理をしがちです。
今までできていたことが、突然前ぶれもなくできなくなる事実は受け入れがたいでしょう。
だからこそ、そんな自分を受け入れられず、「たまたま体調が悪いだけ」と納得させているのかもしれません。
私もずっと働いてきました。
だからこそ男性同様に、いやそれ以上に働き続けた頑張り屋のあなたにお伝えしたいことがあります。
いくら頑張っても、努力しても、できないことが生じるのです。
それが更年期です。
最後に
これまでの自分を基準にし、取り戻そうと頑張れば頑張るほど空回り・・・
「頑張りが足りないのではないか」と焦って、自分を追い込んでしまうと、イライラしか残りません
女性はついつい我慢しがちで、自分のことは後回しにしがちです。
しかし
「これぐらいどうってことないわ。」
などと封印せずに、
「なんだかおかしい」
「いつもと違うな」
と感じた時には遠慮せずに、私たち薬局薬剤師にお話ししてみてください
もちろんかかりつけ医がある方ならば、そちらもお勧めします。
そして
これからは気合や根性は他の方にバトンタッチして
努力よりも「うまくかわす」
こんな考え方や行動へと シフトチェンジしましょう。
そうすれば、きっとこれからの人生がより豊かになることでしょう。
プロフィール:
岡下 真弓(おかした まゆみ)
ヘルスコンサルタント・薬剤師
大学卒業後、化粧品の研究員として女性の肌・薬品・女性ホルモンの研究をしていた時、「女性は生涯を通してホルモンと付き合っていかなければならない」ことを実感しました。女性ホルモンのバランスを整えることで、心も体も安定し、家庭や職場でもその人の能力や特性が最大限に発揮されることを知りました。
同時にホルモンバランスの乱れは、うつ症状、やる気の低下、気分のムラなどを引き起こし、女性が能力を発揮するのを妨げるのだということも感じました。
その後、薬剤師として多くの患者様と会話をしていく中で、病気や不調を抱え薬が必要になる前に、事前のケアが必要だと強く感じ、フリーランスになる。以降、医療よりも気軽にアプローチできるアロマを通じ、セミナー・講座などで女性ホルモンの啓発活動を続けています。
HP:biyou-do.jp
Instagram:bi_you_do_
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