みなさんはフェムテックという言葉をご存じでしょうか?
生理元年と呼ばれる2019年ごろから徐々に広がりをみせるこの言葉。「female」と「technology」を掛け合わせた造語で、テクノロジーの力で女性の健康にまつわる悩みに寄り添う、製品やサービスのことを指します。
これまで生理や性について公の場で語ることは、なんとなくタブー視されていました。残念ながら現在もまだまだ自由に語れる時代とまでは言えないでしょう。
友だちや家族に相談するのも勇気がいるし、気軽に相談できる場所はほとんどありません。カラダの悩みがない人なんていないはずなのにね。
ミチカケはそんな時代の空気をすくいあげるように、2019年の11月にオープンしました。
「月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う」をコンセプトに掲げるミチカケには、フェムテックをはじめアクセサリー・雑貨・化粧品など、さまざまなショップが入り混じります。その理由について、ミチカケ責任者の高橋さんにお聞きしました。
「性の悩みを特別扱いしたくなかったんです。『おしゃれをしたい、きれいになりたい』という思いと、『生理中をもっと快適に過ごしたい』という思いは、考え方によっては “願い” ともとれますよね。誰もが抱えるあたりまえの願いとして、ファッションやメイクと同じようにフェムテックを紹介したいと思いました。」
「とはいえセクシャルトイなどを扱うお店って、なかなか入りづらいじゃないですか。誰かに見られたら恥ずかしい・・と感じる人も多いと思うんです。多様なショップをジャンルレスに展開することで、またショップによっては外から店内が見えづらい作りにすることで、お客様が気軽に足を運べて、安心してお買い物ができる売り場づくりを心がけています。」
訪れる人の気持ちを考えた売り場づくりも手伝って、オープン当初から大きな話題になったミチカケ。一方で、百貨店でフェムテックを扱うことはとても挑戦的な試みでした。苦労されたことも多かったとか。
「ミチカケがオープンした2019年当時は “生理元年” と呼ばれる時期で、今のようにフェムテックが注目され始める前でした。正直なところ社内でも意見は分かれましたね。オープンするきっかけは2018年に開催したirohaのポップアップストアで反響をいただいたことでしたが、いま思えば梅田という場所はミチカケをスタートするのに最適だったと思います。」
なぜ梅田が最適だったのでしょう。
「大丸梅田店があるキタ地区は競合となる百貨店さんが多く、他店と同じことをしていてもお客様に足を運んでいただけません。だからこそ、梅田店には新しいことにチャレンジしやすい風土があったんです。それに関西の方は比較的新しいものへの興味関心が強く、いい意味でおせっかい(笑)。気に入ったアイテムを知り合いに勧めてくれて、口コミが拡がりやすかったこともあるかもしれません。」
オープン翌年の2020年は世に言う “フェムテック元年”。気さくでおおらかな大阪人の気風も相まって、ミチカケ話題化の追い風になったのかもしれませんね。多様な商品を扱うミチカケでは、これまで知らなかったアイテムに出会える人も多いのだそう。なんでも高橋さんもその一人なんだとか?
注目度No.1!こだわり素材の吸水ショーツ
「ミチカケの担当になって初めて知ったのですが、吸水ショーツとの出会いは衝撃でしたね。吸水・防水・防臭機能を備えた3層構造なのに、もたつき感は少なく、いつものショーツと同じように着用できるんです。多い日は生理用品との併用がおすすめですが、ショーツ単体での使用も可能なので、洗って繰り返し使えるというエコな部分も注目されています。」
見た目はいわゆるふつうのショーツ。ちゃんと吸水してくれるのでしょうか・・・?
「吸水ショーツもナプキンと同様に、多い日用、少ない日用など、それぞれ吸水量に違いがあります。初めて使う方は、まずはおうちで過ごす休日や在宅時に試してみるのがいいかもしれませんね。」
オーガニックコットンを採用した気持ちのよい肌触り。デリケートゾーンに触れるものだからこその、素材へのこだわりも感じられます。もちろん生理中以外の使用もOKで、尿もれなどでお悩みの方にも人気なのだそう。
ちょっぴりハードル高め? 慣れれば超快適な月経カップ
ナプキンやタンポンに代わる第3の生理用品として注目を集める月経カップは、シリコン製の柔らかいカップを膣内に入れて経血を溜めるしくみ。海外では主流になりつつあるアイテムですが、日本ではまだまだ注目され始めたばかりです。
「膣内に入れる生理用品ということで、タンポンの使用率が低い日本では抵抗のある方も多いかもしれません。でも、慣れればとっても快適。生理中のお悩みとして多い『蒸れ』や『におい』からも開放してくれるので、ぜひ1度試してみてほしいですね。」
月経カップは医療用シリコン製なので、きちんと消毒して使えば5〜10年使えるとてもエコなアイテム。はじめは少し練習が必要ですが、慣れれば生理中も快適に過ごせそうですね。
もはや新常識? デリケートゾーンのセルフケアアイテム
デリケートゾーンのセルフケアアイテムも話題沸騰中。いわゆるVIOをケアするアイテムですが、化粧水・ミルク・ローションと、豊富なラインナップが揃っているようです。
「お顔のケアと同じような感覚でデリケートゾーンをやさしくケアできるアイテムが、各ブランドから続々登場しているんです。潤滑剤を兼ねた保湿ジェルなど、お悩みに合わせてケアアイテムを選べるのはミチカケならではだと思います。」
生理中のかぶれやカサつきに悩みを抱える人も多いはず。身近な存在になってきたデリケートゾーンケア。トライする前にミチカケを覗いてみると、求めていたアイテムに出会えそうです。
髙橋さん絶賛! 心安らぐオーガニックコットン肌着
「日常を、心地よいリズムに。」をコンセプトとするブランド、エミリーウィークから発売されているオーガニックコットン素材の肌着。その心地よさは髙橋さんを虜にしてしまうほど。
「女性の雇用支援なども行うプロジェクトから生まれたbioRe COTTONというオーガニックコットンを使用しているのですが、これがめちゃくちゃ気持ちいいんです! それでいてデザインもすごくおしゃれ。身につけるだけで幸せな気持ちになれるんです。」
ふだんから愛用しているという高橋さん。なんでも着用する日は決まっているのだとか。
「スケジュールの詰まっている日や、残業の決まっている日、生理中の日などは、この肌着を身につけるようにしています。そうすると、イライラすることなく、優しい気持ちで過ごせるんです。私にとって、お守りみたいな存在ですね(笑)。」
-------------------------------------------------------------------
心地よく過ごすための「選択肢」を提供したい
2021年に2周年を迎えるミチカケ。オープン当初から変わらないことはなんでしょう。
「お客様に寄り添うという姿勢です。あくまで百貨店という立場であって、病気を治療できるわけではありません。悩みを根本から解決することはできないんです。でも、新しい選択肢をご提案することで、お客様がより快適な日々を過ごせたり、お客様の悩みに共感したりと、親身に寄り添うことはできると思います。生理になったらナプキンをつけて、お肌が荒れて、お腹と腰がつらい。それを当たり前と思ってやり過ごすのではなく、『ブルーな気持ちに寄り添ってくれるこんな選択肢があるんだよ』ということを、百貨店だからこその接客スキルと各ショップの商品知識をフルに活用して伝えていきたいですね。」
最後に、ミチカケのこれからについてお聞きしました。
「あらためて感じているのはメンバーに対する感謝の気持ちです。扱う商品のクオリティはもちろんですが、リアル店舗の強みはやはり『販売員』。ミチカケがここまでやって来られたのは、売場で頑張ってくれているメンバーたちの成長あってこそだと思っています。ミチカケの進むべき方向性について、ときにはすれ違うこともありましたが、お互いに腹を割って意見を言い合ったからこそ、いまのミチカケがあると思います。この先もメンバーと力を合わせて、より多くのお客様の悩みに寄り添える場所を目指していきたいです。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う。
ミチカケ公式サイトはこちら!
ミチカケ公式インスタグラムもチェック♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ショップ名