潤いのある毎日のすごしかた
ほほに当たる風が冷たくなってきましたね。それと同時に乾燥が気になる季節になりました。
お肌のケアはしっかりされていますか?
「そんなの当然でしょ!」
「顔・手・足・首も忘れずに毎日保湿を行っていますよ!」
と皆さんからのお声が聞こえてきますね・・・
しかし、揺らぎ世代の皆様
デリケートゾーンのケアもお忘れなく!!!
勤務先の調剤薬局での話です。
50代後半の女性に処方された薬は、デリケートゾーンに塗布するように医師から指示がありました。
「こんな場所が乾燥しているなんて、今まで知らなかったわ」
と驚いておられました。
この女性は最近下着に出血が見られたため、病院を受診されたそうです。
その際医師から
「乾燥したまま放置していたため、炎症をおこしたようですね。菌が発生しやすくなるのでお薬だしておきますね。」
と言われたそうです。
「お顔などと違って見えないところですものね」
と私がお伝えると
「ほんとにびっくりしちゃったわ」
と話しておられました。
この女性のように、閉経をすぎると、腟の粘膜や外陰部の皮膚が乾燥して炎症を起こすことがあります。これは「萎縮性腟炎」「萎縮性外陰炎」と呼ばれ、エストロゲンの欠乏が原因と言われています。
エストロゲンには、コラーゲンの分解抑制や合成促進させる働きがあり、皮膚の厚さを回復させます。また、水分保持能や皮脂分泌亢進機能もある為、乾燥を緩和させる働きがあります。 (PMID: 21714580)
また、腟の粘膜は、他の皮膚と同じように、新陳代謝を繰り返しています。
新陳代謝により腟粘膜の上皮細胞が剥がれ落ちると、そこに含まれているグリコーゲン
(注:※1)が乳酸に変化し、膣内を酸性(㏗3.5~4.5)に保ち、病原菌の発育を抑え、膣炎や尿路感染を予防します。これを膣の自浄作用と言います。
(※1) ブドウ糖が重なってできた、消化性多糖類のこと。肝臓と骨格筋で主に合成され、エネルギーの貯蔵物質として知られる。
しかし年齢とともに女性ホルモンの分泌が減少することで、この腟粘膜のグリコーゲンも減少し、酸性状態が保てなくなります。それに伴い膣内の細菌バランスが乱れ、感染や炎症が起きやすくなります。
また閉経後の女性のうち90%以上の方が、何らか泌尿器系の症状を感じています。
しかし、「恥ずかしい」、「年だから仕方ない」、「病院に行っても改善しない」などの理由から、十分な治療を受けていないそうです。
主な症状は、
乾燥・搔痒感・灼熱感・性交痛・帯下(黄色・悪臭)・排尿困難・血尿・頻尿・易尿路感染・失禁などがあげられます。
これらの症状が続く場合は、我慢せずに、病院を受診してくださいね。
また一般的な治療法をお伝えします。
1. エストロゲン補充療法(経口・肌に貼付するパッチ剤・肌に塗布するジェル・膣錠など)
2. 抗菌薬膣坐剤
3. 膣の保湿剤
4. レーザー治療
もちろん日頃からのケアも大切です
症状がある時は自己判断で処置しないようにしましょう。泡風呂や香りの強い石鹸やローションなどを、炎症がある膣周りに使用すれば、膣内の細菌バランスが崩れる可能性があります。
喫煙は控えましょう。タバコの使用は、膣の萎縮と関連していると報告もあります。
下着は通気性の良い綿などを身につけましょう。蒸れは雑菌の繁殖を促し、かゆみやかぶれの原因になります。下着の上にガードル、タイツと何枚も重ね着するのも避けましょう。
日頃から定期的な運動を行い 健康的な食事を摂りましょう。
セルフケアを怠らず、精神的にも健康でいられるように、趣味などを持ちましょう。
そして何よりも大切なことは「心」にも潤いをお忘れなく
秋は万物が実を結び、色を変え、収穫できる食材も増え、自然の実りを大いに楽しめる季節です。気候も爽やかで、気持ちも穏やかになりますよね。
でも、一方でなんだか物悲しさも感じやすい季節です。
中医学の世界では、季節によって感じやすい感情があり、秋は喪失感を伴う悲しみを感じやすく、この状態をそのままにしておくと、物事を悲観的に考えてしまいがちです。
さらに放置しておくと、身体のバリア機能が低下し、風邪などにかかりやすくなります。
薬剤師がおすすめする中医学的、秋のすごしかた
●秋はダイエット禁止期間
冬を乗り越えるために、栄養をたっぷりととっておきましょう
●早寝早起きを心掛ける
心静かに安らかにすごし、気持ちを穏やかに保ち、冬を越える準備をしましょう
それでも「疲れたな」「なんだか物悲しいな」「このままでいいのかな」
と感じたら こんな方法もお試しください
大きく息を吸って、両側の肩甲骨を背骨に引き寄せるような感覚で3秒キープ
ゆっくりと息を吐きながら肩甲骨を前に引き寄せるような感覚で広げ、息を吐き切る
これを3回繰り返してみてください。
お好きな香りを傍においてもいいでしょうね
最後に
誰に相談してよいかわからないデリケートな悩みをオープンに話せる場は、まだまだ少ないのが現実です。
しかしネット上の、誰が発信したかわからない情報に惑わされず、正しい知識を持つことこそが、心の健康に繋がります。
病院にいくほどでもないけど、なんとなく気になるってことは、一人で抱え込まず、信頼できる誰かに、話してみてはいかがでしょうか。
本文中に記載されているPMID (PubMed Unique Identifier)とは、PubMed(アメリカ国立衛生研究所 内の 国立医学図書館 の一部署)でが付与している各文献 固有のID番号 。
いわば論文のマイナンバーのようなもので、パブメドアイディーと呼ばれている。
プロフィール:
岡下 真弓(おかした まゆみ)
フリーランス薬剤師・女性美ディレクター
大学卒業後、化粧品の研究員として女性の肌・薬品・女性ホルモンの研究をしていた時、「女性は生涯を通してホルモンと付き合っていかなければならない」ことを実感しました。女性ホルモンのバランスを整えることで、心も体も安定し、家庭や職場でもその人の能力や特性が最大限に発揮されることを知りました。
同時にホルモンバランスの乱れは、うつ症状、やる気の低下、気分のムラなどを引き起こし、女性が能力を発揮するのを妨げるのだということも感じました。
その後、薬剤師として多くの患者様と会話をしていく中で、病気や不調を抱え薬が必要になる前に、事前のケアが必要だと強く感じ、フリーランスになる。以降、医療よりも気軽にアプローチできるアロマを通じ、セミナー・講座などで女性ホルモンの啓発活動を続けています。
HP:biyou-do.jp
Instagram:https://www.instagram.com/biyou_do/
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