2023.01.10

飾りたくなるけど、飾って欲しくない、瀬戸さんの漆器|【北海道に魅せられた人たち】瀬戸晋さんおおはなし

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飾りたくなるけど、飾って欲しくない、瀬戸さんの漆器|【北海道に魅せられた人たち】瀬戸晋さんおおはなし

こんにちは。【北海道に魅せられた人たち】担当です。

 

 

店頭に並べると「あっら〜。きれいねぇ!!」と言っていただけることが多い瀬戸さんの拭き漆の器。

 

鮮やかな赤と、ノミあとで出来上がる陰影。

漆の濃淡。

そして、北海道の木材がつくる年輪の美しさ。

「ここぞというご馳走にピッタリ!それまでは飾っておこう」そんな風にさえ思えます。

 

しかし、一度は使ってみてください。

いつものなんでもない家庭料理でも器が勝ってしまうことがなく、そして美味しそうに見せてくれます。

「結局ついつい手が伸びるのよね」というのは、こういう”肩肘張らないちょっといい器”な気がします。

 

それが瀬戸さんの器です。

 

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独学で学んだ拭き漆

そして、瀬戸さんの ”赤”

 

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瀬戸晋さんは、旭川で工房を構える木工作家。

多くの作品は、木地に漆を塗っては拭いて、薄く漆を重ねる拭き漆の技法で仕上げます。

 

「木工は家具作りからスタートしたので、いつか漆をやりたいと思っていました。拭き漆は、漆塗りと比較すると始めやすかったので、チャレンジしたのですが……独学で習得したので、技を確立するのに10年くらいかかりました(笑)」

 

苦労したそうですが、独学が逆によかったことも。

 

瀬戸さん”らしさ”の一つである彩度の高い赤い漆の色。

王道のやり方であれば、もう少し落ち着いた色合いの赤になるそうですが、試行錯誤の末に今の色合いを作ることに成功しました。

 

「この赤の出し方は、普通に弟子入りして学んでいたら、思いつかないようなやり方やと思いますし(笑)、 ”こんなめんどくさいことするなら普通の赤でいいや” と思われちゃいそうな手間のかかる手法。独学で常に試行錯誤していたから出会えた色やと思います。」

 

 

目指しているのは「日常づかいできる器」

 

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瀬戸さんの作品は「日常的に使いやすい」と評されるのをよく聞きます。

素材感が活きている拭き漆の仕上げ方やシルエットが、そう思わせてくれるようですが、瀬戸さん自身も「作品というより日々の道具として使って欲しい」という思いを持っています。

 

「先日、結構使い込まれた過去の作品を修理希望で預かったのですが、『毎日これでお味噌汁いただいています』 と言ってくださって。そういうのが嬉しいです。」

 

そのため、デザインや価格などさまざまな面で使いやすさ・買いやすさを考えているそう。

例えば、ころんとした特徴的なお椀はデザイン性として狙って製作する気持ち半分、丸太を無駄なく使えるデザインという側面も。

 

また、作品として自分の色を前面に出すよりも、使うひとの声に耳を傾けるものづくりを心がけています。

 

「イベントで店頭に立っていると、人気のものとそうでないものは、はっきりとわかります。人気のシリーズでも、ご意見をいただいたり。そういったお客様の反応を反映しながら制作しているので、使いやすさにも繋がっているのかもしれないですね。」

 

使う人に寄り添った作品が並びます。

 

 

「こんなにいい木が採れるところはそうない!」

中川の木との出会い

 

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森のまち・中川町と瀬戸さんの出会いは、5.6年前。

中川町の木材流通を広げるために開催された、木工作家を集めての丸太販売会でした。

日本の中でも、北海道、中川町の木材はいい木が多く、本州の木工作家でも、北海道の木を使ってる人も聞くと言います。

 

「僕らのように、機械ではなく手で削る木工では、少し柔らかい方が扱いやすい。中川町では森にある木を丁寧に分類することで、作り手の技法に適した樹種や木材を提案してくれます。なので、硬さも丁度良く、節の入り方や木材そのものの大きさ、表面の質感などが好みのものをいただけることが多く、中川町は北海道の中でも特に頼りにしています。」

 

と丸太販売会以降、時々中川に足を運び、丸太を選んでいるそう。

 

「特に今回のイベントでは、 ”一生のうちもう二度とあえないんと違うかな” というくらいの立派なクルミを用意してもらいました。大きさがあるのに節が少なく、更にしっとりとしていて。せっかくの大きさなので、大きめのボウルを作ってみましたので、是非ご覧いただきたいです。」

 

 

瀬戸さん渾身の作品大きめのボウルは、木地を生かしたオイル仕上げのものと黒漆を塗ったものの2点のみとなっております。ご覧になりたい方はお早めにどうぞ!

 

※瀬戸さんの作品には、中川町以外の北海道産材も含みます。


 

\北海道に魅せられた人/

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瀬戸晋さん

 

大阪出身。大学入学に際して北海道に移住し、大学卒業と共に、木工の世界に入る。初めは家具作りを行うが、漆の小物作りにシフトしていく。ノミの跡と彩度の高い赤色がトレードマーク。北海道の好きなところは「冬が寒すぎてどうしようもないところ」。

 

 

「北海道に魅せられた人たち」

会期:1月25日(水)→1月31日(火)

場所:松坂屋上野店 本館1階北口イベントスペース

 

 

独自の歴史・自然・風土をもつ「北海道」。

そんな北海道に魅せられた、ものづくりの人々の作品をご紹介するイベント「北海道に魅せられた人たち」の開催まで、作り手の方々を紹介しながらカウントダウンしていく連載ブログです。

 

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