〈一二三草堂〉告田真子さん / 10人目 北海道に魅せられた人たち
独自の歴史・自然・風土をもつ「北海道」。
そんな北海道に魅せられた、ものづくりの人々の作品をご紹介するイベント「北海道に魅せられた人たち」が松坂屋上野店にて4月27日(水)からの開催となります。
このブログでは、会期まで、みなさんと開催カウントダウンするつもりで、そんな”北海道に魅せられた人たちのストーリーをお送りいたします!
さて、8人目は、ヴィーガン菓子を制作する〈一二三草堂(ひふみそうどう)〉の告田真子さんです!
美味しくて、体に優しいお菓子作りをする〈一二三草堂〉。前回の上野店でのイベントでも、その丁寧に作られたことが伝わる味わいに、リピートで購入してくださった方もいたほどの反響でした。
スコットランドの力強い麦を使ったお菓子作り
〈一二三草堂〉のお菓子は、小麦不使用。スコットランドの厳しい自然の中で育った「潮麦(しおむぎ)」「潮(しお)オーツ麦」と呼ばれる麦の粉、そしてそこに、麦の癖をマイルドにする北海道産の米粉をあわせて使っています。
潮麦とは、スコットランドで、三方を海に囲まれた厳しい自然の中で育った大麦のこと。海風にあおられながらも、力強く逞しく育つ麦だから「潮麦」「潮オーツ麦」。
元々、大麦を社会に提案していきたいと国内で活動していた告田さんの仲間のうち数名が、より生命力に溢れた大麦を栽培するために……とスコットランドに移住して栽培しています。
そもそも、告田さんのお菓子作りは大麦が起点。
2011年の震災をきっかけに「”生きる”のベースである食を大切にしたい」と思った告田さん。
「”安心な食、生命力のある食” を考えていった時に、古代から人類が食べ続けている大麦・オーツ麦の存在に気づきました。大麦は、約1万年前から人との歴史が始まったとされる、最古の穀物。オーツ麦も紀元前には作物になっていたようです。
小麦という作物が悪者とは決して思いませんが、”古くから継承されてきた種”と”人間の都合で品種改良された種”では、命としてのあり方が、同じにみえるようでも違うと思います。その命のあり方の違いを大切にしたいのです。」
色々な出会いがあり、北海道の美深を拠点にお菓子作りに携わることになった告田さん。大麦やオーツ麦を、世の中に広めていきたいと考える中で、考えを同じくする同志達と出合い、気づけば日本各地に仲間ができたそうです。
今では日本各地の仲間が、それぞれの得意分野を通して潮麦・潮オーツ麦を提案する活動をしているそう。
ヴィーガンのこと、大麦との出会いについて
元々は、農業を行いたいと、各地で農業に従事していた告田さん。”畑からいただく”という体験を通じて、ごく自然とヴィーガンになったそう。なので、〈一二三草堂〉のお菓子は、植物性ベースの原料を使用しています。シンプルな食材、畑からの素材をたっぷり活かした滋味深いあじわいの菓子。
「乳や卵を使わなくても素材をたっぷり使うことで、満足感は出せます。それぞれの味が調和を取れる様に、日々レシピの研究を重ねています。」
気になる今回のラインナップは……!
ゴールデンウィークは、少し暑くなる時期。そんな時期にもおすすめな「ベリーのムース」。
使っているのは、美深で自然のままわさわさと育ったベリー。生命力のあるベリーの濃い香りと甘苦酸っぱさが口いっぱいに広がります。
卵と牛乳は不使用ですが、ムースと変わらぬ見た目と食感に「これは本当に乳・卵不使用なの?」と驚きです。ただ、よく味わうと、オーツ麦のもったりとぷるんとした独特な食感。お豆腐ならではの滑らかさと、味を邪魔しない程度のほのかな香りが感じられます。
また、秋のイベントでお問い合わせも多かったギフトボックスもご用意いただきました。告田さんが悩みに悩んで温めてきたボックスです。
「潮麦モカクリームサンドのBOX」は、潮麦を深くローストした穀物珈琲 「潮麦珈琲」を使ったミニサイズのモカクリームサンドビスケが8個入ったもの。麦をローストしたモカなのでノンカフェイン。お子様や夜のおやつタイムにも安心です。
これもまた、ヴィーガンとは思えない満足感が感じられる一品で、チョコレートのようなこくもあるモカクリームサンドは、筆者のお気に入りビスケでもあります!
もちろん、この他、ケイクやメイプルきなこなど、定番のラインナップも並ぶそう。
「これが健康にいいから食べて欲しいとかは全く思っていない。ただ、生産者の思いや作物としての生命力の強さは、口にした時に伝わると思う。〈一二三草堂〉の菓子で束の間のひとときを楽しんでいただけたら。」
ヴィーガンであること。オーガニックであること。
それらも食べ物を選択する上でのファクターではありますが、まずは「シンプルにおいしい」。まずは、〈一二三草堂〉の味を味わっていただけたらと思います。
大丸松坂屋オンラインでも特別なセットを販売します!(4月19日(火)→5月9日(月)午前10時)
\北海道に魅せられた人 8人目/
告田真子さん
住み込みで農作業をしながら全国各地を渡り歩く中で、農作物そのものよりも、そこから何か作ることの楽しさに気づく。色々な縁で、お菓子作りが始まり、今に至る。美深町の好きなところは「人の普段の生活と自然と触れることのバランスがいいところ」
「北海道に魅せられた人たち」
会期:4月27日(水)→5月3日(火・祝)
場所:松坂屋上野店 本館1階北口イベントスペース
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