告田真子さん /9人目 北海道に魅せられた人たち
独自の歴史・自然・風土をもつ「北海道」。
そんな北海道に魅せられた、ものづくりの人々の作品をご紹介するイベント「北海道に魅せられた人たち」が松坂屋上野店にて10月27日(水)から開催となります。
会期まで、みなさんと開催カウントダウンするつもりで、そんな”北海道に魅せられた人たちストーリー” をお送りいたします。
さて、9人目は、ヴィーガン菓子を制作する〈一二三草堂(ひふみそうどう)〉の告田真子さんです!
「素朴だけど、その奥に力強さと丁寧に作られたオーラを感じる……!」
これが〈一二三草堂〉で「三日月潮麦珈琲のモカクリーム」というクッキーを初めて食べた時の感想でした。
特に詳しく調べず「ヴィーガンフードとして、どのくらいモカを再現できるのかな?」という興味で食べてみただけだったのに、何か感じるものがありました。
そこから偶然が重なって、今回イベントに出店いただけることになり、私もとても嬉しく思っています。
……ちょっと担当者の一言が長くなってしまいましたが、そんな〈一二三草堂〉の告田さんに ”お伝えしたいメッセージ” を伺ってきました。
スコットランドの力強い麦を使ったお菓子作り
〈一二三草堂〉のお菓子は、小麦不使用。
スコットランドの厳しい自然の中で育った「潮麦(しおむぎ)」「潮(しお)オーツ麦」と呼ばれる麦の粉、そしてそこに、麦の癖をマイルドにする北海道産の米粉をあわせて使っています。
そもそも、告田さんがお菓子作りを始めたのは、この2つの麦がきっかけでした。
農業を行いたいと、各地で農業に従事していた告田さんですが、2011年の震災をきっかけに「何を大切にしていきたいか?」と自身への問いを深めていきます。
その問いの結論の一つが「”生きる”のベースである食を大切にしたい」でした。
「安心な食、生命力のある食」を考えていった時に、古代から人類が食べ続けている大麦・オーツ麦の存在に気づきました。
大麦は、約1万年前からも人との歴史が始まったとされる、最古の穀物。
オーツ麦も紀元前には作物になっていたそうです。
「小麦という作物が悪者とは決して思わない。けれど、”古くから継承されてきた種”と”人間の都合で品種改良された種”では、命としてのあり方が、同じにみえるようでも違うと思う。その命のあり方の違いを大切にしたい」と話す告田さん。
大麦やオーツ麦を大切にし、世の中に広めていきたいと考える中で、考えを同じくする同志達と出合い、気づけば日本各地に仲間ができたそうです。
「そうであれば、大麦の魅力をさらに深めて、より生命力の強いものを作りたい……」ということで、仲間の内の数名が、なんとスコットランドへ移住!
スコットランドにある農園は、三方を海に囲まれた厳しい自然の中にあるため、生命力のある麦が育つ土地だそうです。
海風にあおられながらも、力強く逞しく育つ麦だから「潮麦」「潮オーツ麦」。
こうして、エネルギーに満ちた潮麦・潮オーツ麦を栽培、輸入された麦を仲間たちで分け、それぞれの活動を通して社会に提案していく流れができたのです。
「これが健康にいいから食べて欲しいとかは全く思っていない。ただ、生産者の思いや作物としての生命力の強さは、口にした時に伝わると思う。〈一二三草堂〉の菓子で束の間のひとときを楽しんでいただけたら。」
告田さんは、お菓子作りを通して、私たちに「美味しくて安全な食とは?」を考えるきっかけを与えてくれます。
植物性由来のものを使って
(手前)メイプル胡桃クッキー 各1袋4個入 各・税込400円
(奥)メイプル黒ごまクッキー 各1袋4個入 各・税込400円
もう1つの〈一二三草堂〉の特徴は、植物性ベースのヴィーガンであること。
告田さん自身も、農業に触れて、”畑からいただく”という体験を通じて、ごく自然とヴィーガンになったそう。
シンプルな食材、畑からの素材をたっぷり活かした滋味深いあじわいの菓子。
だから乳や卵を使わなくても素材の良さを感じられます。
それぞれの味が調和を取れる様に……日々レシピの研究を重ねているそうです。
10月のイベントでは「ケイク」も!
今回のイベントでは、冷蔵のお菓子もお持ちいただきます!
通常、クッキーなどの常温でおけるお菓子を中心にイベント出品されているので、「ケイク」のシリーズがイベントで並ぶことは今回道外初だそう。
「黒ごまと白ごまのケイク」は、ごまをたっぷり使用したパウンドケーキ。
白と黒のコントラストが美しい一品です。
潮麦だけでなく、北海道産の米粉も加えることで、しっとりとした食感にしています。
ごまのコクのある香りと味わいは、今の時期にピッタリです。
※イベントでは、一切れずつ切った状態で販売いたします。
ハロウィン時期ということで、こんなかわいいかぼちゃのクッキーもおすすめです。
美深かぼちゃのビスケ 各1袋5個入 各・税込400円
美深はくりかぼちゃの産地でもあり、告田さんが「美深で採れるものでお菓子を」と思って作られたものです。
かぼちゃのほっくりとした甘さだけでなく、かぼちゃの皮付近のちょっとした苦さまでも感じる、リアル感のあるかぼちゃクッキーです。
そのほか、おうちでお料理する方向けに「おうちでヴィーガンおやつミックス」などもご用意しております。
もちろん、こちらも潮麦・潮オーツ麦を使用。
おうちで出来立ての潮麦おやつは、力が湧いてきそうです……!!
ヴィーガンの方も、そうでない方も。
このお菓子で、ふっと力を抜ける時間を過ごしていただけたらと思います。
\北海道に魅せられた人 9人目/
告田真子さん
ヴィーガン菓子を制作する〈一二三草堂〉代表。住み込みで農作業をしながら全国各地を渡り歩く中で、農作物そのものよりも、そこから何か作ることの楽しさに気づく。色々な縁で、お菓子作りが始まり、今に至る。
美深町の好きなところは「人の普段の生活と自然と触れることのバランスがいいところ」。「自分のお菓子を食べたらすごく元気になった!」と話していた時の笑顔が忘れられません。
「北海道に魅せられた人たち」
会期:10月27日(水)→11月2日(火)
場所:松坂屋上野店 本館1階北口イベントスペース
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